本好きさんに50冊の質問・Q16〜Q20

  • Q16.タイトルが印象に残っている、おもしろかった本を2冊教えてください。

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)

ぐりぐりのおすすめ本ですね。私は基本的に本のタイトル、をものすごく重要視するひとなので、なんだったらこの設問だけ10冊あげたいぐらいです。その中でもそのタイトル自身の引力、その中身がわかったときの驚き、そしてもちろん本そのもののすばらしさ、どれをとっても完璧であると言っていい。ちなみにこの本を出版している晶文社はわたしのお気に入りの出版社のひとつ。

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

言うまでもなく、中島らも氏はタイトル付けの名手なのであって、エッセイであれ小説であれそのタイトルセンスには唸るしかないわけですが、やはりこの「今夜、すべてのバーで」の美しさが個人的にいちばん印象に残っています。どこか静謐とした感じまでも漂わせる。中身についてももちろん折り紙付き。

  • Q17. 無人島に行くなら持って行きたい、と思う本を2冊教えてください。

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)

だって、無人島でしょ?長い方がいいでしょ?という観点から選んでいるわけですが、正直、この「指輪」を設問のどこに入れるか迷った。何度も読み返したし映像化されたし本棚には入れておきたいし。でも、たとえ無人島でもこの本があったら、なんかそれだけで満たされたひとときを送れそうな気がするんだ。最初のホビットについての話から、家に帰ってくるまで、そして追補編も(できればシルマリルと終わらざりし物語も)含めて何度でもためつすがめつしていたい。多分、飽きるってことがないんじゃないかと思う。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

だって無人島でしょ?(以下略)ということで、実際まだ読んでない巻もあるんですが、これこそ売るほど時間があるときに読みたいよね的な。かなり間が持ちそうだって気がするんですけども。

  • Q18.いつも本棚に並べておきたい、と思う本を2冊教えてください。

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

最終的に、この設問が自分にとって大事な2冊が並ぶことになった気がします。本当に何回も読んだという点ではこれ以上に読み返している本はないし、10代の頃に出会った忘れがたい本でもあるし、年を取ってからでも何度でも読みたいと思っています。でもなによりも、この本が並んでいない本棚は私にとって本棚じゃないんですね。そういう意味で選びました。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

わたしのハンドルネームはこの作品の中に出てくる猫からいただいている、というのはもう何度もいろんなところで書いているのですけども、自分でも言うのもなんだけど、いいハンドルネームつけたもんだよ、俺(笑)あまり人とかぶらないという点でもなにかと便利だし、カタカナだひらがなだ英字だとすきなようにこねくり回せるのもいい。そしてなにより、あのピートくんからいただいているのですからいい名前でないわけがない!

  • Q19.もっと早く読みたかった! と思った本を2冊教えてください。

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)

これはもう文字通り、読み終わった瞬間に「子供の頃に読んでいたかった・・・!」と後悔した作品ですね。ケストナーをまったく読んでいなかったわけじゃなくて、動物会議だとか点子ちゃんとアントンとかいくつか読んでいたのに、この代表作を読んでいなかった・・・なぜ!?後悔先に立たず。とにかく名作中の名作であり、なにより子供にこそ読んでもらいたいと思う本。大人になって読んでももちろん最高です。前書きにあるケストナーの言葉「かしこさのともなわない勇気は、不法です。勇気のともなわないかしこさは、くだらんものです!」

ナイン・テイラーズ (創元推理文庫)

ナイン・テイラーズ (創元推理文庫)

読み終わった後、そのすばらしさに興奮するのと同時に、どうしてセイヤーズをこんなに長い間読んでなかったんだろう・・・と暗澹たる気持ちになりましたね一瞬。こんなに好みなのに!ばか!自分のばか!その反動でものっそい勢いで既刊本を読破しました。しまくりやがりました。読破した後放心状態になりました。もっとゆっくり読めばよかった・・・。それにしてもこの「ナイン・テイラーズ」は傑作です。何度でも読みたいミステリ。

  • Q20.衝動買いして読んだ、おもしろかった本を2冊教えてください。

本棚探偵の冒険 (双葉文庫)

本棚探偵の冒険 (双葉文庫)

本の雑誌で目黒さんが紹介していて、ふーんって思ってたんだけど本屋で見つけてしまったんすよね。初版はいろいろ仕掛けがあると聞いていたので、う、う、確かめたい!みたいな。高かったけど、思わず買ってしまいました。でも買って損なしだった!とくに黒背横溝を探求する話はそれだけで一種のドキュメンタリ。後日談含めてあっぱれ!

セイヤーズにはまって、でもってピーター卿シリーズのバンターがちょうお気に入りで、でもってバンターと言えば忘れちゃならないのがジーヴスでしょう!といろんな人が言うものだからえーそうなの、そうなのかしら、やっぱりジーヴス読まないといけないかしら、でもシリーズたくさん出ててどれ買っていいかわかんない!と逡巡してたんですけど、ある日とてもそんなマニアックな本なんて置いてないだろうと思われる本屋にぽつーんとあったこの本を見つけて「あ、なんか、買えって言われてる」と思って買ってしまいました。これ誰でも妄想するだろうけど、ジーヴスとバンターがお互いの主人にお仕えするところとか見てみたくなるよね(笑)