本好きさんに50冊の質問・Q11〜Q15

  • Q11.かっこいい! と思った本を2冊教えてください。

羅生門 杜子春 (岩波少年文庫 (509))

羅生門 杜子春 (岩波少年文庫 (509))

これはもう、何回読んでもそのかっこよさにしびれまくる。ひとりの下人が羅生門の下で雨やみを待っていた。から、下人の行方は、誰も知らない。にいたるまで、完璧だ!と小躍りしたくなるような小説。思えば私の中の「短編事始」は芥川龍之介だったのだ。でもって羅生門はたくさんの出版社から出ているが、断然この岩波少年文庫版を推す。杜子春蜘蛛の糸、さらには私のフェイバリットである手巾、蜜柑まで収録されているというこの太っ腹感。さすがだぜ岩波。

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

まあ、なんだ。かっこいいつったらとりあえず真っ先に頭に浮かんでしまった時点で負けである(何がだ)。いやーだって・・・かっこいいもんね。登場人物たちがかっこいいのは勿論ですけど、たとえば流山のシーンでの土方と近藤とかさ、もう文章の改行とか余白とかまでかっこいいもん。そういうレベル。

  • Q12. 次の中から質問を選び、全部で2冊、教えてください。

12-1. 家族(親戚・恋人含む)の本棚で見つけて読んだ、おもしろかった本を教えてください。
12-2. 誰かにオススメしたことのある本を教えてください(できれば評判の良かったものを)。

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

自分のサイトでよかったよー的な感想を書いて、そのあと何人かの友人から「読んだ!よかった!」と感想もらいました。で、この小説については「よかった」という人がたいてい「他にもこういうオススメない?」みたいな聞き方をされたという点でも評判がよかったんだろうなあと思います。もちろん私も大好きな本。
12-3. 何かの「きっかけ」になった本を教えてください。
12-4.おもしろかった短編集を教えてください。
ことばの探偵 (ちくま文学の森)

ことばの探偵 (ちくま文学の森)

ちくま文学の森」全16巻。って節子!それ短編集やない!アンソロジーや!と言われそうですけどそして実際これは短編集ではなくアンソロジーなのですが見逃して!だってこのアンソロ素晴らしいんだもの!安野光雅森毅井上ひさし池内紀の4人が、古今東西の「とっておき」の作品ばかりをテーマ別に編纂していて、面白ぇのなんのって、ほんとこれだけで相当豊かな読書体験が約束されていると言ってもいい。装丁の美しさもほれぼれする。いずれの巻もすばらしいが、個人的にハードリピートしていたのは「悪いやつの物語」「賭けと人生」「ことばの探偵」。

  • Q13. ずっと気になっていて、やっと読んだおもしろかった本を2冊教えてください。

完全版 知恵の七柱〈1〉 (東洋文庫)

完全版 知恵の七柱〈1〉 (東洋文庫)

もともとは神坂智子さんの「T.E.ロレンス」が大好きで、そこから本人の手になる作品があるのだと知って・・・というような順番でした。図書館にあるのは知っていて、読みたいな、読もうかなと思いつつその見た目の厳めしさに気後れしてたんですよね。気になりだしてから読むまでのインターバルという意味では個人的には最長。3年ぐらい寝かせてたな(笑)

北村薫さんの円紫師匠シリーズのあとがきで、ケメルマンの「9マイル」や都筑道夫の「ジャケット背広スーツ」と並んで紹介されていて、読みたい読みたいと思っていたんですがこれがなかなか手に入らず。2年前ぐらいでしたか、創元推理文庫から全集出版されて、めでたくゲット。

  • Q14.すごい勢いで読んでしまった本を2冊教えてください。

マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

すごい勢い、というと反射的に出てくるのがマークス(笑)いやあ・・・すごい勢いでした(笑)あっという間に読み切ってしまった記憶がありますね。そのあと障汨コさんにはまって著作を総ざらえしましたが、しかしマークスのときみたいな「勢い」はやっぱり後にも先にもこれっきりだったなあと思います。そうそう、これって文庫化するにあたって相当改訂されているらしいんですよね。自分は文庫のほうは未読ですが。というわけでリンクは単行本の方に。

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

すごい勢いだった、それはもう!上下巻を完読するだけでは飽きたらず、この作品に対する燃えと萌えをはき出さないではいられない!と立ち上がった友人たちと3人で完徹してこの「火怨」妄想キャストを練り上げた美しき思い出。ほんとうにあの勢いはなんだったんでしょうか。でもって、どうしてこんな全方位で燃えられる(萌えられる)作品に誰も目をつけないのか不思議でしょうがない。

  • Q15.年を取ってからもう一度読みたいな、と思った本を2冊教えてください。

新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)

新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)

結構、何回も読み返しているんですけど、やっぱり難解なんですよねホント。すぱーんと入ってくるところもあればそうでないところもあり。でも年を重ねるごとに違う読み方ので出来る本かもなあと思うので、何年かおきに読み返してみたいです。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

私自身はまったくハルキストにほど遠いのですが、私の周りの男性にはほんっとに村上春樹好きが多い!その中のひとりに「これが俺のベスト春樹だ」と勧められたんですけど、ほんとすいません、そのときはぴんとこなかった(笑)そういう意味で年を取ってからもう一度読みたい、と思っている本です。