旅行中に読んだ本

旅をしている間はできるだけ携帯よりも本を開こうと勝手に決めていたりして。

三面記事小説 (文春文庫)

三面記事小説 (文春文庫)

角田さんの本をいろんな人に勧められた気がするがなんとなくスルーしていたのに鴻上さんがエッセイでこの「三面記事小説」を取り上げていたのを読んであっさり手に取るとかほんと自分どんだけ!いや、エッセイで読んだその1週間後に文庫が発売されるというナイスタイミングも大きかったんですけどもね。
新聞の社会欄で伝えられる小さな三面記事、その実際の記事から「実際ではない」事件を描き出す短編集。どんなにんげんにもじじょうがある、という当たり前の部分へのフォーカスの当て方はすばらしい。個人的にひとつのフックからこうして物語を作り出す、ということ自体に興味もあって面白く読めました。
対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

そのイキオイをかって手に取ったのがこれ。読んでから知りましたけれど直木賞受賞作なのね...いや、さすがというかなんというか、読ませる読ませる。買った本屋のPOPで、ナナコが葵の部屋に来る場面を絶賛していたのだが、その気持ちわかる。すごくいいなと思ったのは、クラスの中での勢力図に敏感な葵の心情が、とてもストレートに書かれていたことで、ああいう気持ちを味わったことのある人はきっとたくさんいるんだろう(でも、その時は世界に自分一人だけだとか思ったりもするんだよね)。
ビーガタスエッコヒダリキキのid:hilocoさんが読了メモを書いて下さってるのを見つけたのでこれをガイドにもう少し読んでみようかなと思っております。
フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー (新潮文庫)

短編集。後半にいくに従ってどんどん回転数があがってく感じで気持ちいい。これ表題作映画化してましたよね確か(うろおぼえ)。確かにアレが一番スケールはでかい。短編としての完成度の高さは「ポテチ」のほうかなあとも思うけど。いいの、ベタでも!