一筆啓上文通万歳

恋文の技術

恋文の技術

書簡、というのがもともと好きなのら、という話をしたらじゃあこれは読んだのかと言われいや読んでない読んでないというとじゃあ嫁とすすめられました。森見さんの作品読むの3、4作目かしら。
で、すべてがそうなのか今まで読んだのがたまたまなのか、今まで読んだのはほぼ、一つの事件(シークエンス)を手を変え品を変え書いていく、というスタイルで書かれているのですよ。なので、何度もその手法が続くのもなあみたいなところもあったんですが、しかしですねえ、森見さんは「ずらす」のが絶妙にうまいのですね。同じ事象をどうやってずらして書いていくかという、その視点の持ち方はちょっとすごい。でもって、基本的に逆転ホームランの人なんですよ。章立ての最後、そして本の最後に見事なまでの逆転ホームランをしかけてくる。最終章は泣いた、おれ思わず。
しかし手紙というのはいいですね。それは本当にそう思います。書簡集といえば有名なのはこちら。
チャリング・クロス街84番地―書物を愛する人のための本 (中公文庫)

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面白いです。ぐりぐりの◎でおすすめ。