- 作者: ザ・ピロウズ,the pillows,音楽と人
- 出版社/メーカー: USEN
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: 単行本
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メンバーのインタビューと、ゆかりのある人からの談話、という形なんだけど、とても読みやすく、面白かったです。バンドというものは、それがどんなものであれ、必ずそのバンドならではの「物語」があると思いますが、ピロウズの物語もまた凄まじい。
例えば同じ20年選手であるエレファントカシマシにも、いつみても波瀾万丈、というような浮き沈みがあるわけですが、しかしエレカシの場合はメンバー間の宮本への信頼度、という点がブレたことはないわけです、すくなくとも表立ってはね(逆はあったようなところもあるけれど)。しかしピロウズは、まずそこを勝ち得るまでの道のり、というのがあって、そこを乗り越えてきたからこその今の強靱さなのかもしれないなあ、と読みながら思いました。
さわおが東京に出ることを決意するときの増子さんとのエピソード、いろいろ報われない時代にPeeちゃんが公園で「そんな風にすごしたい」を口ずさみながら山中さわお、という人物へ寄せた思いには思わず落涙しそうに。
シンちゃんが何度も言った、やめちゃだめだ、続けなきゃだめだ、という言葉にも。
もうひとつ、ピロウズのことというより、その言葉に感銘を受けたのが怒髪天の増子さんのこの言葉。
東京から札幌ってすごく近いんだけど、札幌から東京ってほんと遠いんだ
まさにリアル、ノンフィクションな面白さが味わえる本です。バンドの「物語」がお好きなかたにはオススメ。