今週の清盛

第49回「双六がおわるとき」または「賽は投げられた」。
今週のきよたんはたのしそうだったな。
先週まで、どんどん顔色が悪くなってどんどん老いの影が濃くなっていたけど、なんか今週のきよたんは楽しそうでした。そういえばこのドラマにおける清盛は基本、いつも楽しそうな顔をしていたような気がしてくる。勿論冷静に考えればそんなことはないんだけど、そういう印象が私の中に残っているってことなんだろう。そうでなきゃたとえドラマの中でも、あの「平清盛」をきよたんなんて呼んだりしない。

時子と二人のシーン良かったなあ。源氏物語をあそこでかぶせてくるうまさ!そして「気楽に言いおって」「気楽にまいりましょう」のやりとり。回想で出てくるきよたんのアホの子ぶりも懐かしかったよ。

しかし、今週はまさにこのタイトルの通り、長い長い後白河と清盛の「双六がおわる」、あのシーンに尽きるのではないかという気がします。愛憎と一言で片付けることができない、あのふたりのこれまでと今が重なる描き方。なんだろうなあ、心から追い落としたいと思う相手であり、けれど同時においそれと追い落とされてくれるなと希う者同士。この二人のうちどちらかが同じ時代にいなかったら、まったく違う地図がこの世界に引かれていたかもしれないのだ。

それにしても、あの時振れなかった賽を躊躇わずに振る清盛が最後の願いを伝えたあとに流すひとすじの涙と、去って行く清盛の背中を見送る後白河の表情にもうもうしてやられました。ごっしー、あんた、なんつー顔をここにきて見せるんだ!思えば松田翔太くんのごっしーにはいつもこの表情でしてやられていた気がします。世界が自分に振り向かないといって地団駄を踏んでいたあの頃からずっと。でもって、源氏が沈んだあとのこのドラマにおいて、ずっと天秤の片方の錘を支えてくれてたなあごっしーは、と思うのです。時には敵、時には味方、でもいつだって憎みきれないあんちくしょうでした。熱病で死にかけた清盛にボロっボロの格好で会いにきて、「この死に損ないが!」と言葉を投げつけたごっしーは2012年私のベストツンデレ大賞です。他の追随を許さないこと山のごとし。

そして…そして予告を見る限り来週は「45分でわかる源平合戦クライマックス」的なことなのでしょうか。有名シーンが瞬く間に3つ4つ通り過ぎてん?ん?ん?みたいなことになりました。そしてこの「今週の清盛」も残すところあと1回…!ぎゃおーん!