「バーフバリ 王の凱旋」


S・S・ラージャマウリ監督、インド映画です!1作目の「伝説誕生」も日本でちょっと話題になりましたが、2作目はそれを上回る勢いのバーフバリ旋風!1作目はWOWOWで放送したのを録画してあったんですけど、とりあえず映画館で見るのを優先しよう!と思って「王の凱旋」から見てきました。ということで、1作目見てないからなーと迷っている方に力強くおすすめしますが、
2作目から見ても全然大丈夫です!
冒頭に丁寧な1作目のあらすじがあるというだけでなく、時系列からするとこの2作目の方が先になります。これ帰宅してから録画してあった「伝説誕生」見てほんとよくできてるなって思ったんですけど、2部作つまり2本の映画なので、単純に考えれば「起承転ちょっと結」が1本目、「ちょっと起承で転!結結結」みたいなのが2本目になるのが普通じゃないですか(しかも一種の英雄叙事詩であればなおさら)。それが「結からの承、そしてここから転!」で1作目が終わり(あの引きのすごさ…2作目から見たからあれだけどこれ1作目のあと次作の公開を待っていたひとさぞかし身悶えしたろうなー!)2作目は「起承、そしてここからすべての結!」って感じなんですよ。うまいこと見どころとドラマが分散されてて、どちらから見ても両方楽しめると思う。

映画の冒頭はなるほどこれが称えたくなるバーフバリそして象また象…とその絵力の強さに若干引き気味だったんですけど、デーヴァセーナとの絵に描いたような恋もすごければ、このデーヴァセーナとシヴァガミさまの嫁姑対決もすごいし、その合間合間にバーフバリ無双が差し挟まれるしで、しかもなんつーか、このあたりの姦計とか血のつながりとかそれよりも濃いシヴァガミとバーフバリの絆の描き方とかがめちゃくちゃ丁寧でよくできてるんですよね。シェイクスピア的でもあるし、ギリシャ悲劇的でもある。やっぱりひとつの「神話」というか、根源的な「物語の面白さ」ってこういうところに帰ってくるんだろうなーと思いました。

あと、私も実はそういうところがあるんですけど、ドラマとかでさ、恋人同士とか信頼し合う同士がなんか小さな誤解からすれ違って…みたいな展開を見るのが苦手、ってひとにぜひおススメしたいですね。なぜなら、バーフバリは絶対、自分の弱さから間違った方を選んだりしないからだ!誓いは絶対に守る!愛する人は絶対に守る!だからそういうイリイリした展開にならない。そういうイリイリしたことではないところで超弩級のドラマをぶつけてくる!そういう感じです。デーヴァセーナが自分の体に触れようとした痴漢の指を切り落とす(最高かよ)ところでまずすげえ!ってなるのに、そのあとの展開もう予想の斜め上どころか予想の真上を超えてくるもんね。

噂には聞いていたけど「ロード・オブ・ザ・リング」を彷彿とさせる場面も多くて(大平原と城塞という絵面もそうですが、個人的に一番里心が出たのは大きな象の彫像の下を船から見上げる場面の描き方…アルゴナスやーん!)、しかも最終決戦文字通りの飛び道具がバンバン出てくるし、悪役とのタイマン勝負は1に絵力2に絵力、3から5も全部絵力じゃ!ってぐらい画面の圧がすごいので、ほんと日頃のくさくさしたこととかマジどうでもよくなります。あとバーフバリも男前だけどバラーラデーヴァも男前だよね。彼は彼でなかなかつらい人生だ…(母も恋した人も皆バーフバリにとられちゃう)。あとカッタッパ推しってひとが結構多くて、私もカッタッパとバーフバリの阿吽以上の阿吽な共闘は最高楽しかったですけど(だからこそほんと最後のアレな!)、個人的に胸熱になっちゃうのはクマラです。あのぼんやりおっとりがバーフバリと出会って身の丈よりも大きい気持ちになって、なのに(だから)迎えるあの最期…!ああいうのほんとツボです。魅力的な登場人物ばっかりだったよなー。

SNSを中心に評判が拡散されていってるんで、まだまだ上映が続きそうな感じですよね。なんか景気の良い映画みたいなーという方はぜひ!あとなんかスケールのでかいものを見てスッキリしたいんじゃー!って方もぜひ!おススメです!