「プロメア」

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劇作家としての中島かずきさんはそりゃもう長いお付き合いなんですが、アニメーション脚本家としてのかずきさんは恥ずかしながらまったくお付き合いがなく、今回の映画も予定に入ってないかったんですが、これだけのロングラン!せっかく抱き合わせの機会が来たので見てきましたよっと。監督は今石洋之さん。

今週末から興収10億円(すごいね!)記念で特典映像的なものの上映がついているというのは知ってたんですけど、前日譚とは知らず、おっ、そうなの、こういうバックボーンが…というのを頭に入れて見れたのはよかったのか。なので中盤までの展開は勧善懲悪にならないわけね…と思いながら見てたんですけど、クレイ・フォーサイトが本性を現し始めてからだんだん様子がおかしくなってきて(ほめてる)、最終的になんか…すげーな!?ってエンディングで茫然としちゃうやつでしたね。

いやもう最初はクレイの声めっちゃ堺さんやなーと思いながら見てたけど、なんか堺さん…?いや堺!?どうした!ちょっと!おちけつ!いや落ち着け!ってなりましたもんね。繰り出される必殺技も想像の斜め上すぎるし、戦ってるガロたちの「いやだからどうしてその科学力をマグマの鎮圧に…」ってツッコミが毎回入るしで、だんだん見てるこっちが「必殺技ハイ」みたいになってくるっていう。

しかも終盤に向かって風呂敷が倍率ドン!更に倍!みたいな速度で広がっていくのもすごかった。マグマの話から時空の裂け目、プロメアの炎を燃やし尽くす!に至るまで体感15分くらいだった。まさに急速展開。そんな超時空科学戦隊的な面もありながら、クレイの採る作戦が人間を時空ワープの燃料にしようというなかなかのエグみで、このあたり…中島さんやなー!という感じがしました。

中島さんやなーといえば、不殺!不殺好きだよね~!普段は不殺を貫くけど、ブチ切れると誰よりも残虐、みたいなのも好きだよね。そういう意味ではリオのキャラクター、中島脚本のサビが詰まってるなと思いました。いやガロもそういう意味ではそうか。リオがなぜあれだけの能力者なのかとか、そういう書き込みはあんまりされてないんだけど、さすがにサビだけあってキャラクターの立たせ方にも年季が入ってるなという感じ。

主演3人を新感線出演経験のある松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さんが声をあててらっしゃいましたけど、ほんとクライマックスとか3人とも声帯大丈夫…?みたいなことになってて、アフレコ現場を見てみたくなるやつ。新谷真弓さんが声をあててたちょっとマッドなメカニック、ルチアも好きなキャラでした。