「DUNE/デューン 砂の惑星」

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監督ドゥニ・ヴィルヌーヴフランク・ハーバートの原作を超スケールで描く大作でございます!ティモシー・シャラメレベッカ・ファーガソンオスカー・アイザックジェイソン・モモアなどなど、挙げればきりがない超豪華キャスト陣。これも1年以上公開延期の憂き目にあいましたね…よかった無事劇場公開されて…尺のうち半分近くをレーザーIMAX画角で撮っているというのでものすごくひさしぶりにEXPOのIMAXまで出かけてきました!

いや~、感想としてはね、最高!とか面白い!とかよりも「これ…めっちゃ好き…!」ってなるやつでした。見ている間から、あ、これ私相当好きだな…と思いながら見ていたので、これも相当の長尺ですけれどぜんぜん気にならなかったや。つーかこれあと何時間続いてもいい…みたいな感じ(トイレ休憩さえあれば)。ただ、これだけは見る前に知っておいて良かったと思ったのは本作が「PART ONE」(ご丁寧に最初のタイトルカットで出ます)だということ。それを知らずに見ていたら「ここで終わりか~~~い!!」ってなったとは思う。ちなみに興行成績次第で続編が作られる!かも!ってなにその過酷な話!

入り組んだ設定と言えばそうなんですけど、原作読んでないとわからないってわけではないし、何より世界観がむちゃくちゃ強固なので、そして物語としての骨格も強固なので、物語世界に完全に耽溺できる、この愉悦よ。砂漠の星、皇帝という存在、"声”、能力者、救世主…なるほどスターウォーズここからかなりもらってますねってなるし、砂漠の星の緑化地下実験!ナウシカやん!羽ばたき機!?ナウシカフラップター)やん!ってなるし(ハーバートの原作の方が先です、念のため)、私たちの幼少期に燦然とあったエンタメの源泉を垣間見られるという意味でも楽しかったです。

とはいえ、これ苦手な人は苦手だろうなあ~と思う部分も確かにあって、普通に作ったら多分開始30分ぐらいでアトレイデス家襲撃されるぐらいじゃないと間が持たねえって言われるだろうし、繰り返される「夢」のシーンも「もういいって」ってなる部分もあるよなあとは思うのだった。思うのだが、なんか、ヴィルヌーヴの映画って小説読んでるみたいな感じになれるんですよね。小説読むときって、こういう感じで物語を咀嚼してるというか。今までそんなこと考えたことなかったんだけど、思えばブレードランナー2049もそういう感じだった、終わった後の感覚がまさに読後感という感じだった、と思いまして。映画って、特にブロックバスタームービーではキャラクターが物語を推進していくけれど、今作はキャラクターが推進していくというより、さらに大きな物語の流れが厳然としてあるので、余計そう感じたのかも。いやでも、だったら小説読むわ!ってなる向きも当然あるだろうと思う。

あとヴィルヌーヴはぜったい、巨大建造物フェティッシュなところがあると私はにらんでいるのだがどうか。それも機能的なビルとかそういうのじゃない、ただ威容を示すみたいなバカでかさ、その存在の空虚さみたいなのが絶対好きだと思う。なぜなら私もそうだからー!そういう意味でも本作に出てくる宇宙船のルックス、建物の描き方、むちゃくちゃ気が合う~!って感じでした。

レーザーIMAXでのドアップでも耐えうるティモシー・シャラメレベッカ・ファーガソンの美の暴力すさまじかったね。アトレイデス家衣装も相俟って全部がツボだったわ。レト公爵最高。オスカー・アイザック最高。そのオスカー・アイザックに忠節を誓い息子を守るジョシュ・ブローリン最高、そして息子ポールとの主従関係ありがとうございます!なモモアさまのダンカン最高。最高言い足りない。サンドワームの暴力的なスケールもよかった。ハルコンネン家、いいね、いいね、これを倒す日を心待ちにしたいと思えるほどに最高に最悪な描かれ方だね。スタイルのあるものとないものが戦えばスタイルのあるものが負ける、というのを地で行く展開。レト公爵がスパイスより命を重んじるシーンで私は運命を悟ったよ。

ヨーロッパでは圧倒的な支持を集めて集客しているそうなので、続編!続編を!お願いします!という気持ち。久しぶりにレーザーIMAX(しかもエグゼクティブシート)を張りこんだ甲斐がありすぎる映画でした。もう一回あの砂漠の砂に埋もれてきたい気がふつふつとしております!