「トップガン マーヴェリック」感想その3~ただ言いたいだけ編~


ここまで9,000字近く書いててお恥ずかしい話なんですけどまだぜんぜん言い(書き)足りないのでこのあと順不同でもろもろメモ書きしていきますね…もう誰も読んでいないに5000コペイカ…そしてこの先マジでネタバレどころか見ていない人にはなんのことかわかんない雑多なアレなのでほんと未見の方はこの先やめておいた方がよい!

・まずキャラ造形のうまさね!マーヴェリックとミッションに挑むトップガンズたちのキャラクターが掛け値なしに全員よかった。ルースター、まさか海軍兵学校への願書破棄が理由で険悪な関係になっていたとは、予告編の構成にまんまと引っかかったし、引っ掛けてくれて嬉しいよ。ここまで描かれたマーヴェリックのグースへの固執具合から見て、ルースターの後見人的なことをしてたし、父親の話を何度もしていたんだろうなってのも想像つくじゃん。ルースターはだからある意味父親像をマーヴェリックに重ねて見ている部分もあったんだろうなっていう。それが願書事件によって、その二人を追うという夢を蔑ろにされたと感じたのかなとか。ヒントは出してくれてるけど全部は描いてない絶妙な匙加減だなと感じる、このあたり。

・しかしマイルズ・テラーのふとした瞬間のグース激似っぷり、マジで震えたわ…。自分の中の恐怖に打ち克てないルースターが踏み切ったときの台詞が「Talk to me,dad」だったの天を仰いだし、いやグース…大変だねあんたあっちからこっちから…

・フェニックスとボブ!最高だったね。最高だった。ミッション中のフェニックスのかっこよさ無双じゃなかったっすか。女だから!みたいな劇中のいじりも一切なくて、ただ優秀なパイロットとしてそこにいて、実際超優秀っていう。正直ね、あったら嫌だこんなトップガンマーヴェリックってのがあったら、フェニックスをロマンスキャラにして、それでマーヴェリックに憧れをもってどうとかあって、そんでルースターとフェニックスどっちかが任務で絶体絶命になるみたいなやつだと思う。想像しただけで無理味がすごい。還暦迎えようかって人が娘みたいな人とすったもんだするロマンス本当ごめんこうむりたいし、たとえマーヴェリックとじゃなくてもフェニックスがそうしたロマンス発生装置にされなくて本当によかったです。ボブとの信頼関係がほの見えるのよかったし、ボブもボブでああ見えて口先に鬼が住んでるパターンの強キャラってのが最高。

・ハングマン、見れば見るほど「昔のマーヴェリックやん」となるのだが、いったん負けを認めるとちゃんと敬意を表すし、自分が願ったポジションにつけなくても、死地に向かう同僚になんて言葉をかければいいのかはちゃんと間違えないし、あのミラクル1,ミラクル2の成功のときの彼の嬉しそうな顔よ!救世主もね~!ほんとわかってたけど、お前だよなっていう、お前しかないよなっていうのが嬉しいし、あそこで軽口叩くキャラなのもブレないし、無印でクーガーの危機一髪を救った時のマーヴェリックまんまじゃんってなったしで、もう大好きにならざるを得ん!

・サイクロンとウォーロックもむちゃくちゃよかったなあああ、サイクロンは主役を阻害する立場なのに、露悪的にならずちゃんと理がわかった人物ってのが伝わるんだよね。だからこそあの「私のキャリアを賭け…」っていう流れにつながるっていうかさ。空母の指令室の中でのサイクロン、いちいち名演すぎてジョン・ハム!ありがとう!!この役をジョン・ハムに振ってくれてありがとう!!とわけのわからない感謝の気持ちがほとばしりました。あのF-14がこちらに向かっています、で真っ先にサイクロンがつぶやく「マーヴェリックだ…」に重なるアンセムの「ゴーン」。あれむちゃよかった

ウォーロックさん、彼の中間管理能力のおかげでマーヴェリックどんだけ助かってんだって感じだったよね。ウォーロックに「今のは答えを必要とする問いではない」って言われちゃうマーヴェリック、完全に「ステイ、ステイ」言われてるわんこで笑いました。出撃前のふたりの会話もぐっときたぜ

・最初のダークスターのミッションからマーヴェリックと一緒にいるホンドーもいいキャラなのよこれが。ケイン少将にお茶すすめるとこも好きだし、なんといってもあの出撃シーンでの今生の別れかもって礼を言うマーヴェリックに「光栄です」って答えるシーン!何回見ても胸がギュッとなる。「その目つき」(吹替えでは「その顔」)、の何度も出てくるやりとり見ても、けっこう長い付き合いなんだなってわかるよね

アイスマンとのエピ、まず本部に行ったところであの無印トップガンのラストシーンの2人がでかでかと飾られてて、マジでここまで無印の因果因縁ぐいぐい押してくるとは…いいぞもっとやれ!ってなるしかない。そしてアイスマンの大出世ぶり全然意外じゃない(優秀だから!)アイスマンの自宅でのふたり、あれだけエモーショナルにあふれたやりとりの最後が「どっちがいいパイロットだ?」「いい雰囲気に水を差したくない」なの最高に最高で最高だと思うんだけどどう思う?あれ以上のシーンまじで考えられない

・ペニーとのヨットでのシーンあるじゃないですか。あそこでそれでも海軍なの?とかからかわれちゃうの最高ですよね。ほんでバイクに2ケツして送ってもらって、あの扉を閉めた後のペニーの!表情!参った~っていう。一緒の時間を過ごすとこうなるってわかってたけど絆されかかるわ~っていう。でももうやんない、なしなしなしっていう。あそこの表情ちょうリアル。

・そういえばペニーと再会するシーン、BGMがボウイのレッツダンスなのはあれかな、ジェニファー・コネリーからのラビリンス連想なのかな。BGMと言えばザ・フーのWon't Get Fooled Againが流れるけど、あそこは反射的にCSI…ってなっちゃうし、ブラッカイマーだもんなー!って一瞬後に納得するやつ

・ペニーの酒場を追い出されて(あのルールSUKI)、苦笑いのマーヴェリックの耳にルースターの歌う「火の玉ロック」が聴こえてくるところ。あれ、まず見てるこっちが「ああ~~!!あの時のグースがピアノ弾いてふたりで歌ったのと同じ~!」ってガンガンに風景甦ってるわけですよ。したら振り返ったマーヴェリックがまるで幽霊見たような顔してて、お前はもっと甦っとるやないかい!ってなるやつだった。この映画始まって何度目かの「え?そんな?そんなにもこっちに比重かけてくる感じですかこれ?」ってなったけど、そのまま怒涛の回想シーンに突入したので「比重かけてくるやつだった~~!風景が甦ってこない初見の向きにはちゃんとご用意しておりますパターンだった~~!」っていう。ここでもう完全に腹を括りましたね私は。

・しかし、回想シーンで出てくるのが(つーかオリジナルからの切り抜きだが)メグ・ライアンアンソニー・エドワーズなんだからすごいよね。そうだよ今更だけどグースはグリーン先生の中のひとなんだよ。メグ・ライアンはこの映画の演技で一躍脚光を浴びた記憶。いや群を抜いて印象的ですもんね。

・ほんとに全編オリジナルへの愛と敬意がすごくて、それは本当にうれしいことだったなー。砂浜での攻守混合アメフトもさ、あのときのビーチバレーへの置き換えだけど、でもちゃんと今回ならではの機能を果たしてるんよね。マッチョイズムの発露っていうふうに絶妙に見えないのは撮る人のセンスなのかなあ。あそこで砂浜まで見にきて、小言言うけど、去り際絶妙に逆光で顔が見えないなかちょっと微笑んでいるように見えるサイクロンちょう推しです。あとシャツを着たまま参加してたボブがみんなにワッショイされるとこ大好きです。

・オリジナルへの愛と敬意といえば、エンディングのキャストクレジットも粋だし、なによりin memory TONY SCOTT…。とむくる先輩は自分をスターダムに押し上げたこのトップガンをむたくた大事にしてる、してたんだなってことが本当によくわかる

・ダークスターの事故から生還した(どうやって)(それは聞かないで)マーヴェリックが田舎のダイナーで水もらうとこ、あの男の子の「…地球」ってやつは毎回観客に受けててスキです

・毎回ウケているといえばペニーに窓から追い出された後(あそこの「もう黙って!」つってキスするやつめっちゃよくないっすか!?)、アメリアと目が合うところもウケてる。でもむちゃ真摯にクギをさされるわけなんだけど。とはいえアメリアには家の前にあのでかいバイクがあるんだからそうそうにバレてたのでは…?

・今のところ通常IMAX、4DX、4DXSCREEN、レーザーIMAXで見て、4DX系は吹替えになるんだけど、今作の吹替え陣がマジでいい。主要キャストはもちろんだけど、細部にわたるまでぴったりの配役。それこそダークスターの指令室でのスタッフひとりひとり、哨戒機のクルーの応答ひとつ、そういう細部まで含めてゆるぎない吹替え。ほんとすべての吹替えがこうあってほしい。

・最初に字幕で見たのでルースター宮野氏か~ってちょっと意外だったけど、実際見るとさすがプロっすわ!というね。吹替えだとルースターがマーヴェリックに対して敬語とタメ口微妙にちゃんぽんなのがすごくいい味出してるんですよ。あとハングマンの中村悠一氏もよかった~~!すべてのシーンでまるでグレン・パウエルが喋っているかのような違和感のなさ。ケレンみのある吹替えっつーかほんとずっぱまってましたね

・最初に通常IMAXで見て、この手合いは4DXちょう楽しそうじゃん!ってなって早速4DXおさえて見てきたんですけど、やっぱり飛行シーンと4DXって相性めちゃいいんよね。風を感じられるのもすごく気持ちが上がるし、バードストライクはほんとにストライクしてくるし(ギャッ)、あの最後の猛烈な急上昇、思わず一緒に足を踏ん張ってしまう臨場感。時間がゆるせばレーザーIMAXと4DXを無限お代わりしていたい…。

・字幕はとむくる先輩案件なのでもちろん戸田奈津子御大だったわけですが、個人的には悪くなかった。ん?となったのあの「水に流せ」のところぐらいで(あそこモニタに出るから余計ってのもあるし、逆にニュアンス自分で汲み取れるからまあいいかってのもある)。「棺桶ポイント」とか、ああいうブリーフィングでいかにも使われそう。逆に口語では「棺桶」だけが浮きすぎるから、「死の淵にいる」でまとめたのもいいし、あれはどちらも好きなチョイスだった。

・エンディングの曲がガガ様なの、初見のときは全然気がついてなくて(父の代わりです、で魂吹き飛んでた)、あとでパンフ読んでま~じ~で~!ってなったクチ。いやでもガガ様さすがじゃないですか。歌詞も楽曲も素晴らしすぎ。トップガンは本当に歌曲に恵まれているよと思う

・とむくる先輩についてはね、もう、ここまで書いてきた10000字近くがある意味とむくる先輩への賛辞だからこれ以上なにもない…と言いたいところなんだけどいやでもやっぱり言わせて!まずプロデューサーとしてのトム・クルーズに感謝だし、決して配信でリリースせず映画館での興行にこだわったこと、報われてほんとうによかった。無印トップガンでの、ピッチピチでトゥルットゥルだった36年前のおトムより、いまのとむくる先輩がわたしゃ好きだよ。劇中のマーヴェリックも昔とは違って己を叱咤しながら道を進んでいて、時折負けたり折れそうになったりしながらそれでもなおマーヴェリックであろうとするところ、これが胸熱でなくてなんなのか、だったし、それがトム・クルーズそのものにオーバーラップして見えてきてしまうんだよね。

・36年前に自分を世界に押し上げた作品の36年後の続編で、自分のキャリアハイになる興行収入を叩きだすスターなんて、トム・クルーズぐらいなもんですよ。本当にすごい。出来る限り何度も映画館に通いたいって思います。それでまだまだあそこが好き、ここが最高、そうやって言い続けていたいです。本当に、本当に、本当に!!!!最高の映画をありがとう!!!!