「マーベルズ」


MCU新作、監督はニア・ダコスタ。MCU、もうさすがにドラマもぜんぶ追いかけるのがかなり厳しくなっていて、マーベルズの公開までに「ミズ・マーベル」を見なきゃな見なきゃなと思いながら放置していたらあっという間に公開まできちゃった。夏休みの宿題を8月31日にやるがごとく公開日前日に全6話一気見するっていう、どんな詰め込みだよ。

キャプテン・マーベルのキャロル・ダンヴァースとモニカ・ランボー、カマラ・カーンの3人がメインのストーリーなわけですが、モニカ・ランボーは「ワンダヴィジョン」、カマラ・カーンは「ミズ・マーベル」を見てないと彼らの能力の発露、つまりオリジンがわからないという、これは結構ハードル高い。MCU、もちろん過去作知らなくても楽しめる作品沢山あるが、一区切りついたはずの「エンドゲーム」以降、逆に「前提を知らないとなかなかきびしい」作品が増えたようにも思う。

カマラはキャロルのオタクなので、ファンガールっぽいはしゃぎっぷりや(O Captain! My Captain!を「さすが私の推し」はナイス翻訳と思った)、3人のわちゃわちゃな雰囲気とかはよかったし、楽しい場面もあったんだけど、それはそれとして脚本がなんつーか、もうちょっとなんとかなりませんかね、という感じに見えてしまったな。メインのストーリーがキャプテン・マーベルで描かれたキャロルの「後始末」にあるのであれば、そこの軸はブラさずに描くべきだったと思うし、それに巻き込まれたアラドナはその後どうなったので…?って思うし、なにより「ハラ」の救済の方法があれなら、もっと早くに解決できたんでは…?というように見えちゃう(最終手段を採るにあたっての障害がうまく設定されていない)。

歌が言語のアラドナでのあれこれとか、グースの思いもかけぬ大活躍とか、ファンムービーぽい楽しさはあったにせよ、食い足りない印象の方が強く残ってしまった感はありました。

そういえばグースはご存知「トップ・ガン」から命名されているわけですけど、キャロルとモニカって、立ち位置的にはマーヴェリックとルースター(親友の忘れ形見+確執あり)よね…と思うと、最後の展開がちょっとキャロルに厳しすぎるな…と思ったりして。

ポストクレジットシーン、カマラの方はケイト・ビショップとの接触が描かれ(これも「ホークアイ」見てないとわからない)、一方時空の向こうに行ったモニカはX-MEN世界線に行っており、うーむこのテンションでX-MEN来てもなあ~!という、驚きよりも困惑の気持ちの方が強かったのが正直なところです。