平成中村座小倉城公演夜の部に行ってきたけど中止になったのでトークショー見てきたのよ

というわけでタイトル通り、平成中村座小倉城公演夜の部小笠原騒動を見る予定でしたが残念ながら公演中止!転んでもただではおきないので備忘録がわりにメモを残しておきます!
前日13日の夜の部が体調不良者が出たってことで中止の報が出て、やっべってなったんですけど、その後代役で公演続行の方向と出て、いやー間一髪だったなーと思ってたんですが、当日、行きの新幹線の車中で後援会から電話(後援会でチケット取ったのでね)。曰く「本日の夜の公演が中止になりまして…」。
新幹線の中だったので電波の状況も良くなく(山陽新幹線isトンネル多い)、払い戻しのことも含めいろいろ案内して下さってたんですけど動揺もしてるしで、公式サイトのお知らせを見てあ、トークショーやるのか…と把握した感じ。

遠征に出かけて中止の憂き目に遭うのも初めてじゃないし、まあ小笠原騒動自体は前回の小倉城公演でも拝見してるからな…とか気持ちを切り替えようとはしたんですけど、こういうのってもう「その口になってる」からなかなか気持ちのハンドルを切り替えにくい。理屈はもちろんわかってるんですよ。こういうこともあり得る、それはそう。しかし目の前で、少なからず長い期間楽しみにしていた目標が雲散霧消した時に、気持ちの決着を秒で着けられるかって、そりゃ難しい話っスよ。

とりあえずせっかくだしトークショーは行くかあ…と会場に向かい、いやまあホントなら払戻しするだけでいいのに、こういうことをやってくれるなんて手厚いよなあと頭ではわかってるんだけど、ホント、いやトークショー見に来たわけじゃないんでね…っていう気持ちもなかなか消えない。やっかいやっかい。しかも座席が最前列だったってもう笑うしかないやつ。

トークショーは司会のアナウンサー?の方がいて、今回の経緯を説明され、その際に「明日方はどうにか上演できそうです!」って仰っておられたんですけど、そう…言われましてもね!?っていう、場内も思わず苦笑。

勘九郎さん七之助さんに亀蔵さん新悟さん、橋之助さん福之助さん、虎之介さんの7名が登壇され、最初にそれぞれ御挨拶。勘九郎さんだったかなあ、昼の部は代役でできるのになぜ夜の部はダメなのか…みたいなことについてもご説明されてました(ギミックが多いので、観客・演者の安全第一での決断とのこと)。

最後に挨拶したのが虎ちゃんだったんだけど、途中で声が震えちゃって、本当にくやしいです…と絞り出すように喋ってて、なんか不思議なんだけどさ、マジでその虎ちゃんの、泣かないようにこらえながらくちびるを震わせてる顔見たら、その瞬間に中止決定からここまでのモヤモヤした気持ち全部が「虎ちゃん泣かないでえ~~~!!」に全振りされたんだよね。あの瞬間に腹落ちしたっつーか。あれ不思議だったなー自分でも。自分ではどうにもならないことに対して気持ちを切り替えるのって、人それぞれ対処法って違うんだろうけど、この日の私の場合はあれほどまでに心を砕いてくれた人がいたってことが大いなる慰めになったし、だからこそ気持ちも切り替えられた気がしています。

しかし虎ちゃんさすがなのが、そんな風に会場の心を揺らした後まったく同じテンションで「でも僕としてはトークが本業なので…!」ってぶっ込んできたところ。司会の方も戸惑ってたやんか(笑)

いくつかはツイッターのほうでも書きましたが、トークショーの内容はメモ書きで。

  • 平成中村座での興行もかなり年月を重ねてきたということもあり、「最初の頃の客席はみんなえげつなかった」話に。お弁当食べながら見ている人、客席を通る役者の振袖に缶ビールを入れる人、マジで自由だったと亀蔵さんの弁。
  • 勘三郎さんは嬉しがって出待ち?入り待ち?のお客さんをコヤの中に入れちゃって「どう?どう?」と感想を聞いてたこともあった
  • 施設もだいぶ改良を重ねて進化している。空調も最初の頃はぜんぜん効かずたいへんだった。暑くなりすぎて2階席の火災報知器が鳴り、「火事です。火事です」「逃げて下さい。逃げて下さい」の機械音が鳴り響き大パニックになったところ、そのときの演目である大物浦で知盛を演じていた勘三郎さんは、あの拵えのまんま「うろたえるな!」と一喝した(有名な話ですね)。勘九郎さん曰く「いまどきうろたえるな!なんて台詞現実で聞くとは…」
  • 亀蔵さんもその場に居合わせており、その騒動のあと場面を少し戻してやり直したそうですが、すでにおしろいも落としてシャワーも浴びていた亀蔵さんに「あなたの出のところからですよ」ってウソをついて慌てさせたそう。どんな場合でも悪戯を忘れない波野家
  • そういえば亀蔵さんは今回昼夜とも白塗りがあり、「めずらしいことです。おしろい買いました」
  • 平成中村座の設備はいろいろ改良を重ねているけれど、基本的に最初に立てたころのものを残して使っているので、「客席や花道やいろんなところに思い出がつまっています」と七之助さん。
  • 福之助さんと新悟さんは平成中村座の地方公演は今回が初。でも福之助さんは日本の地方公演は初だけどNY公演には参加していたので、最初の頃は「へぇ~日本の中村座ってこうなんだ~」とマウントを取っていたそう。どんなマウントだよ
  • そんな福之助さんは勘三郎さんのお気に入りで「あいつは面白いんだよ、ちょっと変わってんだよ、やっぱり俺と血が繋がってるんだよなあ」としきりに言っていたそうだけど、勘九郎さん「母方なんでね、父とは血は繋がってません」バッサリ
  • 勘九郎さんが福之助さんに「(NY公演のこと)覚えてる?」と聞いていて(めっちゃ覚えてるそう)、そのあと「ホントに可愛かったんだから~、宗生は~」としみじみ仰っておいででした
  • NY公演での苦労話もたくさん。むこうはユニオンが強くなかなか日本のスタッフと連携をとるのが難しかったけど、NYタイムズに激賛の評が載ってから手のひらを返したような対応になったそうです
  • フフフフフあたしゃその公演の初日に行きましたよフフフフフ(これが正しいマウントです)
  • 橋之助さんは自分たちを中村座第三世代と自認しているそう(勘三郎さん亀蔵さんらが第一、勘七が第二、勘太郎長三郎が第四)。姫路の中村座公演で初めて主演をやり、着到板の最初に自分の名前があるのが嬉しかった、でも自分からそれを口にするのはなーと思っていたら、虎ちゃんから「国ちゃんの名前が最初で嬉しかった」と言ってもらえたそう。ええ話や〜!
  • 虎ちゃんはその姫路城公演のときに、高校生の貸切?回があったとかで、「ぼくが井戸に吊られてなぶり殺しにされるんですけど、そのあとお化けとして出てくるんですよ。で、大人の方は驚いてもひゃっとか、キャーとかなんですけど、その回はんもうぎゃあああああああああギエエエエエエエエひゃーーーーーーーーーーーーの大合唱で台詞もなにも聞こえないくらい大騒ぎになり、照明さんもきっかけが聴こえないから、ぼくはただ明かりも当たらないなかでブラブラ吊られてるだけっていう」おもろすぎ(笑)
  • その話を受けて勘九郎さん「そのあとの演目が鰯売だったんだけど、ぼくが馬に乗って花道から出てくるとき、揚幕の「シャリン」って音にその女子高生がさっきの名残で「ギャアアアアアアア!」ってのけぞってて、いやもう違う演目だから!」わろり
  • 小倉を満喫しているかという問いにご兄弟がひたすらグルメ情報をあげてくれていたんですが、中でもお寿司大好き七之助さんは前回公演の時に寿司屋に行けなかったのが心残りで、今回は「小倉 寿司」で出てくるところ片っ端から予約したそう。「2日に1回寿司食べてます」。「天寿司」の名前があがってましたが、これは本当に有名店らしいですね。七之助さん、昔柄本兄弟とのトークでも寿司職人リスペクト爆発してたし、ほんとお好きだよね~
  • そのほかにあがった名前としてはBEKK、OCM、あと忘れちゃいけない資さんうどん勘九郎さんは焼肉屋を紹介してくださいましたがガチで教えるのためらってたので拡散するのはやめておきます(笑)
  • 虎ちゃんと勘九郎さんはサウナ仲間でふたりで新幹線に乗ってととのいに行っているらしい
  • 亀蔵さんはこういう機会でもないとなかなか時間がないからと立て続けに映画を観ているそう。「映画館ボクひとりでしたね!」すごい、スクリーンひとりじめ!
  • 客席からの質問コーナーで、テレビで見た(?)舞台に感動して足を運ぼうと…という話になり、その演目がまた見たい(がタイトル知らない)ということでタイトル当て大会になったの面白かった。「坊主が出てきて…」「法界坊?」「船が…」「アッ俊寛!?」「確かに坊主だ!」ワイワイ。正解は俊寛でした。
  • テレビでふと見かけて演目知らなくても心打たれて足を運ぼうと思えるのってすげえことよ。地方に行くってそういう観客が足を運べるってことなのよ。何百回観ている客も演目しらない客も客席においては完全に平等だし、このひとの1回にその何百回がかなわないことだってあるのよ
  • 客席からの質問で「モメたり険悪になったときはどうやって解決してるのか」という質問に、そんな揉めたりとかないよねえ〜という中で虎ちゃん、「さっき七之助さんの差し入れのおはぎを食べたら『殺すぞ』って怒られました」と暴露して場内の爆笑をさらうの巻。七之助さん曰く「姫路から足を運んでくださった御贔屓のお客様がわざわざ手作りで持ってきてくださって、お兄さんと『美味しいね』って食べて、芝居のあと食べようと思って残しておいたのがなくなってるんだから、そりゃ怒るでしょ!」と楽しげに反論。なんでもマネージャーさんが虎ちゃんにお茶請けにいかがですかって勧めた(と、虎ちゃんは主張)とのことで、そう言うと全員七之助さんから目を背けたそうです(笑)
  • 「でもいいの、いっこだけ残ってたの見つけたからね、大事にジップロックに入れておいてありますから」と七之助さん。おはぎをジップロックに入れて大事大事してるお七、可愛すぎ案件では!?
  • あと同じく質問コーナーでさらっと「大阪の中村座公演楽しみにしてます」とぶっ込んだひとがいて、勘九郎さんが「うううーーーん、はーーーーーい」と「今は何も言えない」の顔してたのわろた 期待してていいんですかい!?

メモ書きといいながらちょう長くなった!最初に書いた通り中止の報を聞いたときは「このモヤモヤをどうすりゃいいの」状態だったけど、トークショー見ることができて、加えて福岡に住んでるお友達が小倉まで駆けつけてくれて、美味しい焼き鳥一緒に食べることができて、おまけにその焼き鳥屋さんに行く道すがら小倉の街で勘九郎さんとすれ違うっていうサプライズもあったので、まあヨシ!という感じです!小笠原騒動観たかったけどさっ!
お写真撮影タイムあったので、記念においときます!