「イモンドの勝負」ナイロン100℃

ナイロン新作!ナンセンスで推すよと作家自ら宣言しておられたとおり、ぐいぐい推され、ゲラゲラ笑わせてもらいました。

いやーしかし、まず感嘆したのが、「国際的な大会」「世界中の強者たち」「近々開催される」というそこだけを拾えば何もおかしくない単語だけど、昨年からいやというほど繰り返されたオリンピックを巡るあんなことこんなことって、むちゃくちゃナンセンスコメディど真ん中だったんだなっていうことですね。それに改めて気がつかされたし、ある意味関係者のひとりでもあった(当初のパラの開会式演出)ケラさんが、あの雨のように降る「近々」からこういうものを生み出しちゃうっていうのがね、もう唸るしかない。

しかしこの日は深夜に胸塞ぐニュースが入ってきたばかりというのもあって、生き死にを扱ういい意味での軽妙さに心が乗っていかない部分があった。これは作品どうこうじゃなくて、同時性から逃れられない演劇だからこそだし、そういうことも観劇の記憶のひとつとして残っていくものではあるんだろうと思う。

単純な台詞の掛け合いよりも、1と1を足して3,みたいな無軌道さが顔を出す会話の方が、演じ手としては何倍も難しいだろうと思うけど、ナイロンの役者さんはあまりにも達者だし、ゲストも間合いを読める方しか来てないし、安心してワハハと楽しめたなー。最後のあの、床…いや皆まで言うまい。コロナ禍以降、久しぶりに声出して笑っちゃいました。

大倉さんを久しぶりにガッツリ拝見できてうれしかった。お元気そうでよかったです。イヌコさんとのぶえさんのコンビも好きだったなー。イヌコさんやっぱり唸るほどうまいし、のぶえさんがそれに負けてないのがすごい。ナイロンの皆さんの、超高度なことをしれっとやる、やれてしまうところ、劇団力~~!!とほれぼれしちゃいます。あと相も変わらずオープニングでカッコよさ1万点叩き出してた。センスの塊か?