「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」


突然の告白ですが、わたくし、ゲームをビタイチ通らない人生を送ってきました。
ファミコンから始まるありとあらゆるゲームのハード機器を所持したことがなく、だからこの「世界でもっとも有名なキャラクターアイコンのひとつ」である赤い帽子のおじさんにも一切の馴染みがないわけです。なのになぜ見ようと思ったかっていうと説明が長くなるんですが、私が最近よく見ているゲーム実況者の方がマリオ大好きで、でもって私はその人の実況動画を通して「マリオ」のゲーム世界をのぞき込んでる状態だったわけですね。で、その状態で映画館で予告編を見た時に、「これはゲームでやってたあんなことこんなことを映画で実現してるやつなんだな」と思ったからです。それに実際、公開されて大ヒットしてたしね!

映画本編の前に任天堂のCMが流れるんですが、まさにあのCMのように、ゲームの世界のマリオと「トライ&エラー」を繰り返す時間を過ごしてきたひと、映画に出てくるさまざまなアイテムが何で、どういうものなのかが沁みこんでいるひとと、そうでないひととでは、やっぱりこの映画に対する没入感には違いがあるよな~というのが最初の感想です。面白かったし、今日的なアップデートもちゃんとあって、映像のすばらしさも堪能できたんですが、映画の中に「あの頃の自分」を見つけることができるかどうかって、やっぱりこの映画においては大きい気がします。

逆に言うと、この映画は「あの頃の自分」を見つけられるひとに山盛りの愛情(ゲームというものへの愛情)をこめて作られていることがひしひしと伝わる作品で、ほんと創作って不思議なもので、誰に届けたいかっていう的がちゃんと絞られていればいるほどより遠くへ届けることができるってのがね、すごいと思うんですよ。

ピーチ姫からマリオに課される最初のあの試練、あれきっと、世界中でたくさんのひとが「自分が最初に触れたマリオ」を思い出してるんだろうなあ~と感じられて、なにげにすごく好きな場面でした。

それぞれのキャラクターが生き生きとしているのはもう言うまでもなく(いちいちキャラ立てのためのエピソードが不要なので展開が早い早い)、マリオカートの場面とかねえ~!マジでゲームの画面そのまんまじゃんってなりました。いや私はやってないんだけど。やってるのを見てるだけなんだけど。

4DX吹替で拝見しましたが、完全にアトラクションとして機能していて、これ夏まで引っ張ったら相当お子様たちのリピーター増えそう…と思ったりしました。吹替えの声優陣もみんなガッチガチに手堅くて文句なしだったね!