「日本の女」  阿佐ヶ谷スパイダース

長塚JESUSを見てはいたんだけど、阿佐スパとしての公演を見るのは初めて。だって関西来ないんだもん〜〜。異常なのか普通なのか、どっちが上でどっちが下なのかわからなくなる作風はテキサスの時も感じていたんだけど、ストーリーとしては非常にハードでブラックなのに、時折おそろしく演劇的に気持ちのいいセリフやシーンが挟み込まれていて、長塚さんのセンスを感じるなぁと思いました。

A≒B≒C、でもAとCは似ても似つかない。長塚さんの芝居ってそういうイメージがあります。会話の組立方もそうだし、ストーリーも、えっそんな方向にいくの?みたいなところがあって・・・。浮気をしていた妙子を発作的に半殺しにしてしまう、そこまでは、まっとうな展開なのに、きっちり殺して偽証しようとか、挙げ句妙子で女に対する憂さを晴らそう、どうせなかなか死なないしってところまで行くと、ええ?なぜそんな展開に!?って感じなのですが、見ているとなんかそうなってしまう話の流れにキチンとなっているんですよねえ。見てても不思議なんだけど。

非常にテンポもよくて面白くて、また見たい!と思わせるには充分だったんですが、あえて注文あるとすればラストの紙吹雪は要らないと思われます。あれは白いシャツだけでいいなあ。あれだけで相当気持ちのいいシーンだし。あとは震災を説明するスライドが長いです(笑)まったく使うなとは申しませんが、もうちょっと簡単でもいいような。そのあとのセリフだけで状況結構掴めるし。あとは客の想像力におまかせでもいいんじゃないかなあと。

役者さんはとにかく、テキサスより長塚さんをたくさん見れてそれは心より嬉しかったです(笑)。つーかかかっこいいよなぁ〜〜。色気あるし。途中で五十嵐を押し倒すシーンとかあってうわーちょっとうらやましい・・とか思っていたことは誰にも言えない。中山さんはまたしても非常にテンションぶっちぎれた役で、でも最初は一番「ヘン」な人なのに、最後には彼だけが「男☆魂」と心中しようとするとことか、だんだんみんなが彼の変さを超えていってしまうので結局一番まともに見えてきちゃうみたいなとこがあって。だんだんかわいく見えてくるし。松村さんもうまかったなぁ、「先生が校門出てからも先生だと思うなよ!」ってセリフは最高(笑)伊達さんは、パンフでもご本人「難しい」と仰っていたけどなんかやっぱりちょっと、微妙な役でしたねえ。いまいちキャラクターを掴みきれなかったところもあったり。

とりあえず次は大阪近小なので嬉しいです。OMSはもう・・マジで尻痛い・・・

阿佐スパ初・大阪公演。