「魔法の万年筆」

  • PARCO劇場 X列13番
  • 作・演出 鈴木聡

吾郎ちゃん主演ということで、もうチケもハナからアキラメモードだったんですけれども、西牟田姐さんや阿南さんや小林さんといったラインナップは気になるなああ!ということでエントリしてみたら取れた上に最前だった。もうこんな距離で吾郎ちゃんの顔を拝む機会などそうないに違いないと心して観て参りました(笑)

相当な感じで「それはどうか、お前」というような男を描きつつ笑って楽しめてちょっとしんみり、みたいなテイストをがっつり味わえるのはすごいっちゃすごい。素で会ったら張り倒したくなるような男をあれだけキュートにできるのは吾郎ちゃんのキャラ勝ちなのかもなあ。久世さんを始め思う存分テンション芝居を披露して下さるのは笑えるし、阿南さんや小林さんはさすがに手堅いし、西牟田さんもたいへんにキュートであった。

しかし、以前舞台観たときはそんなに思わなかったのに、吾郎ちゃんの演技で時々ちょっとあざといっていうのか、直視できない気恥ずかしさを感じる場面もあって、形的には洋ものだからってこともあるのかもなあと思ったり。最後にデルタに語りかけるくだりはとてもよかったんだけどね。

魔法の万年筆って、作家なら誰でも憧れたりするんだろうか。そんなものはないんだよ、と思いつつ、求めてやまなかったりするのかな。三鴨さん演じるペリカーノの台詞「自分が一番愛するものを書けばいいのよ」という言葉が印象に残りました。