「恐れを知らぬ川上音二郎一座」

  • シアタークリエ 2列15番
  • 作・演出 三谷幸喜

最初からぶっちゃけると三谷さんにしちゃあ、ぬるいのかなあという印象。お得意のある種バックステージものなんだけどショウ・マストの影はどうしてもちらつくし、それはこっちの責任だとしても、ドタバタの末の結末にほっとするような部分も薄いし、あー!気持ちよかった!みたいなカタルシスも薄い。散漫な感じなんだよなあ。「商業演劇」ってことで、あえてがっつり緻密にはしなかったのかなあとも思えど。

上演時間3時間30分ほどでしたか。ちょっと長く感じてしまったかな。面白かったし、結構笑い転げてはいたのに、長さを感じてしまったのがなにゆえなのか・・・やっぱりちょっと、畳み掛ける感じが欲しかったなあ、と個人的には思います。

本当に豪華なキャストで、まあそれぞれの美味しい部分を堪能させてもらうだけでも楽しかったといえば、楽しかったんですけど。堺雅人さんの新選組衣装は、あれ完全にサービスですよね(笑)私の大好きな阿南さんもいい役どころで(でももっと気持ちよくこの設定を使うことも出来たんじゃないのかなあ)、小林さんや小原さんのTSBメンバー、戸田さん瀬戸カトちゃん堀内さんの常連三谷組堺正章さんにはやっぱり「芸」があるなあこのひとは、という感じだし満足している部分もたくさんあります。今井朋彦さんはサイコーだった!台詞は聞きやすいし(あの驚異の滑舌)、新納さんもいい味出してたなあ。

主役の二人も、けしてダメなわけではないんだけど・・・でもまあちょっと、牽引力に欠ける部分があったのは否めないですね。

最初と最後でブレヒト幕を結構使っていて、あー決闘!高田馬場みたい、と思っていたら最初に出てきた人形があの芝居で使われていた勘太郎くん人形だった(笑)あの3秒で書いたとかいうやつ!思わず声に出そうになった(笑)