「ナツヤスミ語辞典」  キャラメルボックス

泣いたな。どうしてこの劇団はこんなにも「あの頃」の気持ちを上手に表現できるんだろう。まだ関西公演は2度目で、そんなに知れ渡っていなかったので、めちゃくちゃ早くに予約を取った私は一番前のどんつきでした。もう舞台がホントに目の前なのよね。

この芝居は、どれもナイスキャスティングで、みんな役にはまってましたけど、相も変わらず西川さんのボケっぷりは見事でした。手紙形式で、一夏の事件が語られてゆくんだけど、なかでも、プールの補習を嫌がって先生達に問いつめられるヤンマのエピソードはもうすっごい好き。先生に、「みんな我慢してるんだ、どうしてお前だけが我慢できない」って言われて、ヤンマが、「みんな我慢してるじゃない。制服だって校則だって授業だって、どんなにバカバカしいと思ってもあたしは絶対逃げなかった。でも泳ぐのだけは我慢できないの、どうしてわかってくれないの!」と胸を張って言いきるところなんかもう胸にじーんとしちゃって、涙うるうるものだったわ。このセリフを先生達に聞かせてやりたい!

あと、幽霊になって帰ってきた旦那(上川さんが超カッコよく好演!)と、待たないふりしてずーっと待ってた奥さんのエピソードもよかった。「乙姫様の気持ちがわかった」と空に向かって叫ぶところで私は大泣きしました。空には天国へ帰っていく彼の乗る銀河鉄道が走り、舞台の上でそれを見送るみんなに向かって西川さんが言う「君たちの玉手箱は空のかなたに放り投げろ、僕の夏休みだって、まだまだ始まったばかりだ」がキメぜりふでしたね。おそらく1991のベスト1でしょう!

とにかくもう大感動でしたので、最初は大阪公演しか行く予定じゃなかったんだけど、神戸のチケットが余ってるんです、という前説もあったので、芝居終わってその場で神戸のチケット買いました。成井さんや加藤さんはまだ終演後ロビーに出てらっしゃっていて、成井さんにパンフにサインしてもらった時「神戸も行きます!」と言ったらすごく嬉しそうな顔をして下さったのを覚えています。