「パレード旅団」  第三舞台

スナフキン」で私的に前代未聞に大コケにコケてその信用度を地に落とした第三舞台約1年ぶりの本演。もうこれでコケたらどうすんねん!とあたしが心配してもしょうがないのに心配しちゃったよ。これは「もうひとつ地球にある水平線のあるピアノ」という激長タイトルの改訂版で、構造自体は変化がないものの、よりストレートな作品になっていたと思う。

冒頭から、嵐のマイムとダンスで一人一人がゆっくり身体を動かしながらサスペンションライトをあててゆく演出が実に見事。やっぱり「第三舞台」のダンスは違うわ、と思わせて圧巻でした。客を青い布の下にくぐらせる出だしも良かったし、お!今回は違うなと思わせてくれました。もとの脚本ではレンタルビデオ屋と家庭だったのを、片方をいじめられっ子集団にしていて、もとの決めゼリフ「ここではないどこかへ、あなたではない誰かと」も変更していました。いじめによる自殺(って表現もどうかと思うが)が増えてるからこそ大きな主題にしたのだろうとは思うんだけど、イヤーさすが鴻上さん、とおりいっぺんの「いじめ反対!」みたいには終始してなくて、ラスト皆が雨の中で「バスに乗って・・・」と語るくだりは感動もの。家族のシーンでは山下さんが家族の写真を取りに戻ろうとするところが大好き。切なくて良かった。後半めまぐるしく二つの世界が交錯していくところも少しもダレなかったし、一番最初に世界が切りかわるきっかけの大高さんのセリフ「お父さんがお父さんをやめるにあたって・・・」も実にスムーズに入っていてうーんさすが第三舞台の重鎮!上手いなあと思った。ラストは前方に向かって全員が跳びだしたところで暗転。前回とは較べものにならない引き締まった良い舞台でした。

ただ一抹の不安として残るのはこれが改訂再演だという点。是非、純粋新作でこのくらいのクオリティのものを見せて欲しいなあ。待ってます。そうそう、気になるキャストの方はお馴染みのメンバーはなんと大高・小須田・山下のみ(・・・)そこに入江雅人さんと西牟田さんと松重さんをプラスして、さらにワークショップで参加した新人さん3人。個人的にはお馴染みの3人のメンバーがやっぱり良かったように思う。あとは松重さんかな。入江さんと西牟田さんはもう一声迫力が欲しかった。しかし今いったい第三舞台って誰が残ってるわけ!?すごーい気になるんやけども。

何回も「前回とは・・・」って書いてるね(笑)よっぽどスナフキン嫌いだったんだねええ!!この時は本当に誰が第三舞台に残ってるのか不安でしょうがなかったんですよね。勝村さんはもうこの時やめていたのかな。筧さんも京さんも長野さんも出てないし、そのせいか新人さん達がちょっと憎らしく見えてしまったのね。すんまそん。