「風を継ぐ者」  キャラメルボックス

5年ぶり?になるのかなぁ。なんか、ついこの間のような気もしますが。初演の時、あたし的にはキャラメルとのつきあい方を微妙に考えているときだったので、この作品がすごく面白くて、ああ、いい時にいいのに当たったなぁ〜って思ったのを覚えてます。

ちなみに初演の時の感想には3人のことしか書いていません。その3人がすごく良かったってことなんだけど。ちなみにその3人は今回も出てて、うち2人は役まで一緒。大内さん、菅野さん、そして細見さんの3人です。
大内って、初演の土方は上川さんだろと言う人も居るかもしれませんが、いいや違うね。あたし的にはあくまで初演の土方は大内です。だってその時の感想のノートには
「とろけるかと思った、あんまり格好良くて」
って書いてるんだよ。で、その後5年間、キャラメルボックスに今後の要望は?と訊かれるたびに「風を継ぐ者の大内=土方バージョンをビデオ化して下さい」って書き続けてた、そんな私です。だからもう、シアワセだったねぇ〜〜〜。ちなみにビデオも持ってて、上川さんの土方も見たけれども、でもあたしは土方のイメージって大内さんだなぁ。声がねぇぇ。他の役の時はそうでもないんだけど(失礼)なんか妙にバラガキのトシにははまるんだよな。それに、菅野さんと並んだときの印象もピッタリ。菅野さんはもうほんと、あなたはきっと前世は沖田総司なのよ!うまれかわりなのよ!っていうぐらい何もかもが沖田で素晴らしくはまってて最高でした。再演するって聞いたとき沖田が菅野さんじゃなかったらぼーどー起こすぞと思ってましたがさすがにこのはまり役は動かずで。一番好きなシーンはね、クライマックスで土方が言う「そんな目で俺を見るな」のとこ。大好き。あと、もうわかっているのに土方が助けに飛び込んでくるシーンは鳥肌が立つ。何度見ても。なんか、涙が出そうになるんだよなぁ・・・。

細見さんは勘定方から主役の迅助に躍進で、おめでとうございます(笑)迅助って、わりと今井さんに当て書きみたいなところが結構あったと思うんだけど、ちゃんと自分のものになっててさすがだなぁと。あとは坂口さんだね。脱帽ですこのひと。もともとこの役ミラノさんでスタートして、途中降板のために坂口さんになったんだけど、なんか途中参加とは思えない迫力でしたよ。あの役ってかなりこの芝居の大きな核だと思うので坂口さんがきっちり押さえてくれたおかげでいいお芝居になったのではないかなぁと。あ、あと西川さんの鳩斎先生もよかった。笑い持っていくねぇ、相変わらず。

カーテンコールの時にね、最初大内さんが挨拶して、2度目が西川さんだったんですが、その時にミラノさんが降板して坂口さんが代役になった、という話があって最後に「この芝居はここにいる13人とミラノさんで創りあげたものです。」っていう言葉がありまして。じーんとしてしまいましたね。私は昔からミラノさんの喋りが苦手で、今回も坂口さんに代わってちょっとほっとしてたりしたんですが、なんか、反省しちったい。というか西川さんて今更ながらキャラメルの大黒柱なんだなぁって。この人こそがミスター・キャラメルなんだわとの思いを新たにしたのでした。

言ってみれば「萌え」に「萌え」た舞台でもあったわけですが、漫画家の渡辺多恵子さんがこの舞台に「萌え」たあまり「風光る」を書き出したという事実を知ったときはさすがにビックリしました(笑)