「痛くなるまで目に入れろ」G2プロデュース

  • シアタードラマシティ  18列4番
  • 作・演出  G2

このまえのG2さん作「ゴーストライター」が信じられないほど私好みではなかったので、まあぶっちゃけそんなに期待はしていませんでした。期待値の大きさというのは観劇後の感想を大きく左右しますねえ。ちゃんとカーテンコールで熱心に拍手をするだけの気分にはさせていただきましたよ、おほほ。
構造もテイストもこの間の「鈍獣」とちょーーーっと似通っていて、ああ、またこんな話ですか、という気にはちょっとなりましたが、まあそれでもそれなりに満足。脚本の構成としては鈍獣の方が一枚も二枚も上手だとは思いましたが。時系列が錯綜するのは個人的にはすごく好きなんですけど、余計な部分がちょっと多い。要らないモノローグがなんだか目に付いてしまったなあ。最初に種を明かしている部分はけっこうリスキーですけど、割とうまくいってますよね。

もっと親子とその母親の話に焦点があってたら更にはらはらさせてもらえたのじゃないかと思うのでその辺は残念。うーん書きながら脚本的に満足している部分が殆どないことに気づいて驚きますが(笑)、でも楽しく見ていられたんだよなあ。役者さんの力なのかなあ。個人的にはですね、坂田さんの組長が私はもうすごく好きだったんです。あのひとりでさだまさしで暴走するところが大好きだ。昔から、誰もついてこなくても構わない!というような心意気を感じさせる馬鹿テンションに非常に弱いのです。あとは中山さんがさすがだなあ、と。見事にうざくて見事にキュートな役を素晴らしく好演。この芝居、最後の20分ぐらいがすごく良かったので好印象なのはそのせいもあると思うのですが、ラストシーンで一気にこの「痛くなるまで目に入れちゃう」世界観を成立させる陰山さんの迫力もさすが。松下好さん、すごくキュートで好演だと思うんだけど、G2さんは女性を書くのが本当に下手だ!ラストの20分に彼女の存在がちとうざかった。あそこだけ妙にウェットなんだよなあ。

山内さんがカッコイイのはもうわかっているので、まあいろいろな山内圭哉が見れて楽しくはあるんですが、えーとね、もっと若干抑えめにした方が彼の色気は倍増なんじゃないかと思います。今回の芝居のなかで山内フェロモンを一番感じたのは中川が嫉妬心のあまり見てしまう「影」として美里とキスするシーンですね。あれぐらい「なんでもない」感じの方が一挙にフェロモンが出てくるから彼は不思議な役者です。歌のシーンは個人的に要らなかった(笑)。

あとね、曽世くんけっこうお気に入りなんで今回の役も好きなんですが、曽世くんの役と久保田さんの役を交代させてみたらけっこう面白いんじゃないかな〜と思ったりしました。あて書きの安心感も良いですが、少し冒険色がある方が安全牌が引き立つような気もするので。