「お願い」 ラックシステム

初日なんで、具体的なネタバレはナシの方向で書いてます。

ラックシステム、「お」のつく3文字シリーズ。といっても、「お正月」と「お祝い」しか見ていないんですけども。かなり粒ぞろいのキャストを揃えて、新作で迎える10周年記念公演です。

舞台は大正時代、なのかな?展開と台詞の端々からそういう時代設定だろうなーという感じですね。舞台は吉原遊郭。東京でありながらなぜか行き交う大阪弁の店「いてて屋」の遊女たち、客たちのあれやこれや。

それなりにエピソードもまとまっていて面白く観れます。設定とかあれ?って考え出しちゃうといろいろ不思議なことも多いけども、とっつきやすい描かれ方をしているので作品世界にすっと入っていける感じ。ただキャストが多く、しかもかなり粒ぞろいなんですが、それが裏目に出たのか全体的に散漫な感じも。どのキャラクターもそれぞれ面白いのに、書き切れているとこまでは行かず、出番も少ないみたいな。1時間50分という上演時間を考えると致し方なしかな、とも思いますけどもね。長々とやられてもつらいし、痛し痒しです。

際だってうまく書かれているエピソードは河内屋の遊女、志保の話。この志保を演じるのがキャラメルボックスの大森美紀子さん。いやはや、キャラメルでは決してお目にかかれない大森さんが拝めますぞ。こういう役もっとやればいいのにー。関西弁も見事に使いこなしてらっしゃいました。関さん、楠見さん、桂吉弥さんなんかはちょおっともったいない使われ方かなあという気も。中道裕子さんのきりりとした感じはなかなかよかった。藤谷みきさんは、あの藤谷さんだよね?いっやあ何年ぶりでしょうか。美しさ可愛らしさ健在で、時の流れを感じさせず。

ラブストーリー、ということなんですけどその二人への求心力もちょっと弱いかな、と思いました。演出も・・・なんかベタで。セットの大正モダンな感じは細かいところまでかわいくてよかった。衣装も、さすが着道楽なふっこさんのお見立て、どれもこれもおしゃれで素敵でした。そうそう、東京公演もあるのかどうかわかりませんけど、人によって役に立ったり立たなかったりするお土産が用意されてますので、どうぞご期待あれ(笑)