第三舞台VINTAGEBOX2「朝日のような夕日をつれて'87」

で、次は朝日。
少年役以外は'91メンバーなんですけど、いや4年の歳月は結構でかい!皆、若いのなんのって!!!ちょっと驚いた。特に大高さんと小須田さん。めちゃめちゃ若いよマジで。そして衣装がペラい!思った以上に!!芝居の中で「服もぼろぼろ・・・じゃないな」ってゴドーに言われるシーンがありますけど、91の時は「うんうん確かにぼろぼろじゃない」って感じだったけど今回は「・・・ちょっとぼろいかも」というぐらいの落差がある(笑)。

私は京さんのやった少年役も大好きですが、伊藤さんの少年役をこよなく愛する人が居るというのはわかる気がするなあ、と思いました。特に最後、少年役の長台詞からめまぐるしく展開して「最後の手紙」に至るところ、ここは伊藤さんの方が好きかもな、と思わせるくらい素晴らしい。ネットで「京さんの少年役は格好良すぎる」と書いた感想を読んだことがあるのですが、その言葉の意味がやっとわかった、みたいな。
91の時京さんそれまでと全然違って、ああ役者が化けるってこういうことかって思ったんだけど、この伊藤さんと真っ向勝負して勝ち取った「朝日」だったんだもんなあ、そりゃ成長するよな、と勝手に得心したりして。

しかし「朝日」、何度見ても傑作。鴻上さんは「処女作が最高傑作」と何度も言っておられますが、それもむべなるかな。何回も何回も見ているけど、それでも新鮮。見るたびに違うものが見えてくる気がします。
劇中の「ファシズム」と「自閉」との間を振り子のように行き交う、というシーン、おそろしく未来を言い当てていて空恐ろしくなるほど。いやー鴻上さんやっぱすごい。
筧さんはまだ花なら蕾っつーか(爆)、まだあのもてる色気を全開させてはいないというか、それでも「トランシルバニアのサミー」のシーンは「ここオレの見せ場!」みたいなパワーが出てて圧倒されます〜。け、気圧される・・・。「最近の若いもんは」と言い出すのは歳を取った証拠なのですが、こういうの見ちゃうとどうしてもそう言いたくなってきちゃうなあ。こういう、問答無用なパワーで芝居を埋めてくれる役者がまた出てこないものかしらん。