「Golden Balls LIVE」Rahmens Presents

「この夏、ラーメンズが増えます。」ということで、小林賢太郎片桐仁のお二人に加えてお馴染みの久ヶ沢徹さん、西田征史さんに野間口徹さんの5人で繰り広げるコントライブです。

コント見ている間中ゲハゲハ笑っていたのに、終わってみると本当にすっからかんと忘れていて、レプリーク(だっけ?)のインタビューで小林さんが言っていた「終わった後、あれ、なに見たっけ?というような舞台にしたい」という言葉を図らずも体現してしまいました。舞台上の台詞とかシチュエーションとか、覚えるの得意な方なんだけどなあ。すがすがしいほどに覚えてない、今回。いい意味で勢いにまかせて言葉を積んでいっていたような気がします。

しかしだからこそその勢いの波に乗ってしまうともう「箸が転がってもおかしい」状態になってしまうわけで、後半はかなりそんな感じで笑い疲れてしまいました。以下ネタバレ、かな?

好きなのはオープニングの3連発。「愚問」は最高。あと夕焼け卓袱台コントも良かったです。ヨガ教室はラーのコントと似たテイストでしたが、ツボにはまるとたまらんものがありますね。「素顔のままで」に死ぬほど笑いました。
ある程度衣装を変えたりセットを変えたりというのも5人ライブならではで新鮮でしたねー。小林さんの貞子女装がこわおもしろかった・・・。チャンスハンターの時の衣装も好き。でもいちばん好きなのはやっぱスーツですスーツ!皆さん黒でびしっと!しかし中でも西田さんひとりが黒シャツに黒ベストで後ろ姿のセクシーさにくらくらきた。あれでもうちょっと細腰だったら言うことないがそれでも充分眼福でした。ああ細腰のベストさえあればおかず無しで白飯が食べられるよ!
日替わりと思われる久ヶ沢さんの今日のサインは「スガシカオ」。親子姉弟の物干し台シーンの最中片桐さんがトランプを散らかし、小林貞子に呪いをかけられてました。チャンスハンターの時一旦芝居がグダグダになり、小林さんが西田さんに「お前が戻さないと誰も戻せないんだぞ」と言われていました。最初に脱線したのはどっちなのかは判別つかず。今日は小林さん、そのほかにも台詞間違いあったような。
カーテンコールで片桐さんは、今日の「だったらいいのに委員会」の決め長台詞で噛み気味だった人が居ます!と言いだし。噛みそうだったのを強引に言いきった!って感じだったんですけど、小林さん曰く「完璧な噛みだったら聞いている方はうわっ流れを盛り返さねば!と頑張るけど、中途半端だとこっちも中途半端な気持ちのままいってしまう」そうです。西田さん小さく仁さんに謝るの巻。
しかし、短かったなー。不満らしい不満があるとすればそれだけ。1時間40分ぐらいだったろうか。もうちょっと長く見ていたかったよおおん。

舞台美術がすごい仁さんぽい、と思ったら本当に仁さんでしたね。しかし極彩色に塗られていると思ったセットが全部照明で色をあてていた、というのがオープニングまずいちばんのびっくりでした。私上手の端の席だったんだけど、終わった後で中央から見てみたら上手の造形物はほぼ「阿」、下手はほぼ「吽」で阿吽になっていたのかな?と思ったり。あの舞台はひとつの宇宙!?

観客のノリも非常によく、カーテンコールで小林さんが「昼公演なのにテンション高い」と仰っていたほど*1でした。確かにすごいよくウケてたー。新神戸は端の席だと声ちょっと聞こえにくいんだけど、笑い声でかき消されちゃうシーンも多々ありましたね。

ラーのコント見ていてもそうなんだけど、小林さんて「言葉」ってやつを一回バラバラにして、仕組みを見てからもう一回戻す、みたいな作業が自然に出来ちゃう人なんだなあと思うことが多いです。だからこそ独特の不思議な感覚が味わえるんだろうなあ。でも、既存の言葉を信用しないみたいな感じもなきにしもあらずで、それがKKPの時とかの押しの足りなさとも関係あるのかなあなどと思ったりもし。って、自分でも書いててわけわかってないんじゃないか、とツッコミつつ終わります。いやいや、毎度毎度楽しませていただいてそれだけでも充分です!面白かった!

*1:第三舞台のDVD副音声で「昼公演がいかにダメか」という話で盛り上がった経緯があり、その際筧利夫さんが「俺たちも起きてないけど、客も起きてない」と仰っていたのが印象的です。小林さんも「昼なのに」を強調してらしたので、やっぱりマチネって多かれ少なかれそういうものなのかなーと思ったのでした。