「ホビット 竜に奪われた王国」ネタバレ感想

というわけで映画のバレ感想置いておきます。ヒアリング能力甚だ不安というか、不安しかない!と開き直りたいぐらいのアレなので、話半分ぐらいにしておいて頂ければ(そんなにか)。

あえてざっくり書くとすると、総論満足、各論やや不満、みたいな感じでしょうか。逆に言うと各論でむむむ、となっているところがあっても物語の流れにのまれて見せきられてしまう、という力技は今回も健在という感じです。161分、結構な長尺ですが飽きさせない。しかし、二部がこういう展開になったことでますます三部の予測がつきません。もちろん最終的な決着点は変わらないのでしょうが、どうやって「そこ」に持っていくかというのがねえ。

あとLotR三部作とホビット第一部はいずれも、とりあえず映画の終わりには小さいけれどピリオドが打てる、いちおうの「ひとつの終わり」があったと思うんですけど、さすが当初は二部を12月公開して三部を7月、と予定していただけあるクリフハンガーぶりです今回は。しかし今となってはこれをどう二部作にしようとしていたのかという気さえしてきますな!

以下はネタバレです。原作読んでるから大丈夫、と思っても回れ右。

個人的にもっとも強く感じたのは、良くも悪くも、LotRを撮った監督の作る「HOBBIT」だなあ、ということです。良くも悪くもというのは語弊のある言い方かもしれませんが、ものすごく「LotRに繋がる」ことを意識して作られている。それはLotRの世界を好きな人間にとっては嬉しいサービスだったりもするわけですが、原作の「ホビット」は指輪よりも前に書かれているわけで、「この時点で、ここまで(いろんな意味で)か!」という描き方をしていたのは好みの別れるところだろうなあと思いました。私自身はLotRから入った人間なので、そういう匂いには反応しちゃうし、実際まんまとLotRを見返したくなったので、PJが撮ってくれるからこその良さ、をたんまり頂いている方だと思うのですけども。

もうひとつ、PJ(と、この製作チーム)はパーティを別れさせるのがほんと好きだね…というところ。TTTでもアラゴルンの崖落ちとエオメル追放で一時的に別れ別れにさせますが、今回はさらなる力技で引き裂いてますよね~。しかしこれは最終的に三部にまでもつれ込むわけですから、そこでどうやってこのキャラクター配置が活かされてくるのかを楽しみに待ちたいところです。

それにしても、当初はカメオ的な出演ではないかと思われていたオーランド@レゴラス、んもう笑いました。笑いました。カメオどころじゃない。ものすごく出張ってる(し、この調子だと三部でも出張るだろう)。いや、久しぶりにお姿を拝見できて言うまでもなくテンションだだあがりですし、ここまで来てもやっぱり登場人物の中でもっとも弓を引くアクションがカッコイイのはYOUだよ!と拍手喝采でした。レゴラス見たいけど出番ちょっとだったら悲しいな~と御心配の向きにはどーんと行ってこい!と言いたい。ぜひ見て欲しいです彼の相変わらずの曲芸師ぶりを!

そしてオリジナルキャラクター、タウリエルと彼女に纏わる恋愛エピ…おおおう。いや、タウリエルはすげえ好きなキャラです。好感しかない。しかし、このエピソード、要る?となってしまったのは私の心が狭いからでしょうかきっとそうですね。あのー、LotRアラゴルンとアルウェンはね、もう運命の恋人同士じゃないですか。絶対に揺らがない二人なので、それはいいんだどんなドリームが入っても。でもなあああ!正直三部に向けてここがどう転がるのかはすげえ不安。

後半の重要人物、バルドもすごくキャラをふくらませているというか掘り下げているというか、でもそれはそうくるよねと思うしバルドとドワーフたちになんらかの「繋がり」を描いているというのは好きな改変ではあります。三部でバルドとレゴラスの名手揃い踏みとかあるのかなーあったらいいのになー!(おそらくたくさんの人がそう思っているだろう)

このあとはさらに詳細がバレバレにバレているのでここまでうっかりきちゃった…っていう人は今から回れ右でも遅くない。責任持たんぞ!


・いきなりブリー村から始まったので驚きましたしPJのカメオがわかりやすすぎ(笑)
・そしてきました「躍る仔馬亭」!黒猫もちゃんといる!そしてトーリンが訝しむ男の座っているところがアラゴルンの座ってたとこだよねアレw
・ビヨルンさん 熊の時の方が かっこいい(字あまり)
・そしてビヨルンさんのシーンが短い。EE行きですか?
・闇の森の入り口にガラさまのとこみたいな水鏡があった気が
・「まじないにかかってしまう」の描写すごくよかったですね。ああいう不安感を煽る見せ方すごくうまいなーと思う。そこからのビルボが木の上に登ってみる→蜘蛛襲撃、の流れもよかった
・そしてこのあたりからビルボ無双が止まらないのであった
・指輪を落っことしたときにひいいい!ってなったもんね思わず…あの指輪が絡むとどうしても心穏やかでいられない
・あの指輪へのビルボのここまでの執着、というのをこの時点で描いているのは賛否わかれそう。それはそれとして「It’s mine.」のマーティンの芝居はすばらしい。
・そしてエルフの宴会の邪魔ではなくストレートにエルフに捕まってましたし捕まえに来たのがいきなりのレゴちん無双で笑いました。笑いました。
・キーリはいったい何回タウリエルに命を助けてもらっているのか
レゴラスがグローインのロケットを見つけて問い質すという確実なサービスシーン。ありがとうございます美味しく頂きました。「ギムリ、わしの息子じゃ!」と聞いたときのあのレゴラスの片眉上げ…!
・誰でもがその後の展開を思って楽しくなるシーンです
・そして出ました闇の森の王スランドゥイル。なぜ、そんな、各部をアップで撮るww
・そして演じるリー・ペイスの芝居が濃いww好きwwあんなに顔を寄せる必要あるのかwwこの人絶対舞台出身でしょう!(決めつけ)
・無理矢理指輪のキャラにあてはめたらデネソールとセオデン両方の役割を兼ねてる感じなんだろうか
・しかし一部のEEで描かれていた宝石のくだりやっぱ劇場版に入れといてあげた方がよかったんじゃないだろうかと改めて思うの巻
・いやでもカッコイイよねスランドゥイル。悪役になっちゃってるー的な嘆きを目にしたりもしたんですけど、悪役でもない、よね?(今の時点では)非情ではあるかもしれないが。でもそのクールさがたまらん…(ぽわわわ)剣捌きをちらっとだけ拝めたんですけど、三部ではもっと出してくれるんだろなあなあ!
・気のせいかもしれないですが「light」「right」の単語をよく使うような気がした。LotRのときは「hope」が繰り返し使われていた気がス
・スラパパ息子思いが高じてけっこうめんどくさそうな性格なんですけどこれが三部でどうなるかですよねー
・そして違う意味でかわいいんだけどめんどくさいキーリ
・樽に入るくだりはもうひたすら楽しい。マーティンの芝居がほんとキレッキレです
ドワーフの川流れシーンがまさかの一大アクションシーンになろうとは誰が想像したでしょうか。すごい!いやこれは楽しい。ドワーフの連携プレイもたのしいし、ここでまた無双ぶりを繰り広げるレゴラス、おまえってやつは…!である。
・お前が中つ国最強の戦士と言われても今なら驚かない(オークが30人でも40人でもキミなら一人でいけるんじゃないか…とか思いましたよ…)

・闇の森で一行と別れたガン爺はその頃バラド=ドゥアに。なるほど…杖がそれで…そしてネクロマンサーの声をカンバーバッチたんにしたのはスマウグのついでではなかったのね…(そんなこと思ってたのか)(すいません)
・ここも、えー!今の時点でもう!?みたいな反応になりそうではある
・一方その頃ドワーフたちは樽流れでズタボロ。なのにトーリンだけなんか麗しいのはなして!?準主役の威力なのこれは!?それとも私の目のフィルター!?
・ノーリの髪型が崩れに崩れてもはや星形を目印に出来ない件。しかし今回なにげにトーリンの「ノーリ!」率高かったような
・ここでバルドと出会うっていうのは考えたなー
・バルドがエスガロスでなんとなく煙たがられているという設定を頭領の前のトーリンの大演説でもうまく活かしてますよね
・ここは私のヒアリング能力不足で曖昧なんですけど、あの大演説のところでバルドがギリオンの子孫だってトーリンが気付くのかな。それともバルドの家のとこ?
・そしてここでキーリとフィーリ、オインとボフールが分派する、と。この一行が分散するのがなんかもうちょっと…もうちょっとなかったか!?って気がしないでもない。キーリはしょうがないとしてフィーリ…お前は叔父についていけよ!と思ったりなんだり。オインとボフールに至っては行き当たりばったり感否めず。いや、後々効果が出てくるにしてももうちょっと必然性がほしかった気が
・そしてここでも絶体絶命の危機に現れるタウちゃんとレゴちん
・まさかのレゴラスvsボルグで「ここでボルグ消えるとかないよね…!」とか震撼したとかしないとか(だってレゴちん強すぎるから。もうほとんどサイボーグ)
・しかし弓のアクションが印象深いだけにガチ喧嘩のレゴラスはちょっと新鮮だった

・アセラスが出てくるのももちろん思い出のアルバムですが、傷を癒すタウリエルの描写が(意図的なんでしょうけど)FotRのアルウェンとかぶってそこはちょっと!ちょっと!となってしまった私でした
・そしてもうひとつちょっと!ちょっと!となったのが岩だなのとこですね。諦めるの早すぎるし大事な鍵を!捨てるな!おい!となったのは私だけではあるまい。あと「沈む日の最後の明かり」を月光にしたのも(地味ですが)えええ、となったところ。原作ではあそこを見つけるまでに相当苦労するけどそこがないから、簡単に見つかったのでは話が盛り上がらないというのであろうか。うーむ。
・バーリンとビルボの友情すごくいい。というかバルドとの交渉でもそうだったけどバーリンの存在感やっぱり際立ってきてる私の中で
・スマウグとのシーンはまさにマーティンの独壇場という感じ。すばらしいですね。字幕ではやっぱり「樽に乗るぞう」になるのでしょうか。んなことないか。あとカンバーバッチたんがあのスマウグをモーションキャプチャーでやったのかと思うといろんな意味でたのしい。
・トーリンはやっぱりアラゴルンポジションなんだろうなー、「同じ弱さを持ってる」と言っていたアラゴルンと言われているトーリン。そしてボロミア的でもある
・そのトーリンに諌言し「彼はビルボだ。ちゃんと名前がある」と言ってくれるバーリンを好きにならずにはいられないよ!
・そして樽流れに続く第二部最大のアクションシーンがエレボールでの対スマウグ戦。まあなー、ここであっさり竜が出て行ったらトーリン達何…?みたいなことにはなるもんな
・しかしよくもまあこんなアイデアが出てくるもんだよ、と思うほどに次から次へと、すごいですねPJは。このゲリラ戦のようなドワーフvsスマウグは楽しかったです。
・トーリンのマントに火が移ってアチチアチチ、マント脱ぎ捨てしゅたっ!ってとこであやうく爆笑しそうになったんですがそんなことないですか
・しかし精錬所とは考えたなー。スマウグの火を逆手に取る作戦。手押し車のトーリンとかも地味にかわいおもしろかった
・そして低音炸裂のバッチたんのI am fire,I am death.で「第三部に続く!」どーん!

三部ではエスガロスの運命やいかに、ですが闇の森のエルフを引っ張り出すのは誰なのか、駕籠の中の鳥状態のガン爺はどうやって急場を脱するのか(やっぱりラダガストなのかなあ)、あとはダインがどこでどう絡むのか(ダイン出てくる…よね?)、そして五軍の戦いにどうやってなだれ込むのか、というあたりですね。アーケンストーンの顛末を原作通りに描くのか描かないのか。トーリンがアラゴルンのポジションだとしたら少なくとも彼は自分にある呪縛を打破する場面が絶対にあるんだろうし、そこをどう持っていくのかな-、というあたりが三部でいちばん気になるところかな。そしてもちろん、ビルボがそこにどう絡むのか、ですね。

指輪三部作では私はFotRが一番好きで(というか圧倒的に好き)、その次がRotK、でもってTTTの順なんだけど、まわりの人にはTTTの評価が高いんですよねー。原作という視点を離れたら第二部の「竜に奪われた王国」もウケはいいんじゃないかな?と思ったりもしました。これからまた興収をついつい覗いてしまう日々が続くわけやね!