「キングスマン」


監督マシュー・ボーンアメリカやヨーロッパでの公開は年明けそうそうだったのでほんと…長かった!長かったね!このポスターの意匠のかっこよさ、コリン・ファースが音が出そうなほどばしっとスーツで決めてるトレイラー、面白いに決まってるじゃんかようおうおう、と楽しみにしていました。

R15指定されてるので、それなりの流血シーンがご用意されているのはもちろんなんですが、まあ景気よくバンバン人が死にます。「景気よくバンバン人が死ぬ」って表現自体が「うっ、ちょっと受け入れられない」という方にはあまりおすすめできないかもしれない。でも、キック・アスでもそうでしたけど、マシュー・ボーンのアクションシーンってものすごくスタイリッシュでかっこいいというのと、やられる側に変に同調させないように作ってる気がするので、記号としての大量殺戮(って言っちゃうとアレだが、まああえてこの言葉を使う)って感じが個人的にするんですよね。なのでほんとポップコーンつまみながら「ワー景気よく死ぬなー!」って眺めてる感じでした。その線引きはたぶん十人十色だとは思うので、得手不得手もわかれるのかもなーと思ったりもしましたけども。

しかし何よりこのキングスマンで楽しいのは「往年のスパイもの」を彷彿とさせるガジェットの数々、「キングスマン」がアーサー王と円卓の騎士になぞらえられておりそれぞれのコードネームが騎士の名から取られている(ちゃんと魔法使いならぬガジェット担当マーリンもいる)という燃えざるを得ない設定、セヴィル・ロウで仕立てた一部の隙もないスーツを着込んでコリン・ファースが披露するキレッキレのアクションにあると思いますし、あと!これX-MENフューチャー・パストファーストジェネレーションでもキックアスでもそうだったけどこう、才能を開花させるつーか、そういう特訓シーン、好きですよねマシュー・ボーン。今回がほとんど映画デビュー(!)というタロン・エガートンがやんちゃなストリートボーイから、まさしくマイフェアレディのごとく変身していくさまは見物です!!

サミュエル・L・ジャクソンが悪の大ボスなんですけど、それに付き従うガゼルがんもーっ、かっこいいのなんのって、彼女のアクションシーンはどんなシーンもすべからくイイ!

さて、以下は作品のネタバレなので観た後でおながい!

エグジーが自分の腹違いの妹にすごおく優しいとか、体操で将来を嘱望されるほど才能があったとか、バックしながらのカーチェイスなんてすごいことができるくせに動物をよけて事故っちゃうとか、っていうのが全部後半の展開に活きてくるのうまいなーと思いました。あのパラシュートでのミッション、エグジーが最初に提案したふたりひと組で組んで助け合うって案もクレバーだし(奇数になるとそれができない)(チャーリーめ…)、あそこでマーリンがカップを思わず落とすとこ、いいですよね。でもってJBとのシーンはほんとぜんぶかわいかったな…エグジーにはできないってあたいわかってたよ…!

あの教会のシーンはほんとにアクションシークエンスとして見たら最高なんですけど、ハリーに思い入れてしまう身としては「こんなことになってハリーどうするんやろ…」的な不安もあったわけで、それで、ああ、やっぱり(泣)っていう。正直そこからテンションを建て直すのがけっこう大変だった!だって!ねえ!

ロキシーもタフでかわいいかっこいい女の子で、ところでロキシーを推薦したパーシバルはもっと活躍してもいいんじゃない!じゃない!?とか思ったのは私が円卓の騎士好きだからですねそうですね。っていうか冒頭のランスロットのアクションもめっちゃ好きだった…。続編制作が決まっているらしいので、いったいどんな展開になるのやら、また今度も燃えるガジェットてんこ盛りの作品を心待ちにしたいです!