「コードネームU.N.C.L.E.」


今年はスパイ物が大豊作で夏の「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」に始まり秋の「キングスマン」、そしてこの「コードネームU.N.C.L.E.」、しんがりにはスパイ映画の金字塔「007」が控えているという。しかもいまのところ、どれも面白い!

0011ナポレオン・ソロ」のドラマはさすがに見ていない世代です(でもNCISのダッキーがイリヤ・クリヤキン役だったことは知っている)。こういうドラマのリメイクとかになると、たいてい「現代に舞台を移して」ってのが多い気がするんですが、東西冷戦のまっただ中、米ソの腕利きスパイが手を組む、という設定の根幹は揺るがしたくなかったのか時代設定をそのまんまにしているのがなかなかの勇気だよなーと個人的には思いました。いや、スパイ物って最新ガジェットのあれやこれやも結構ウリだったりするじゃないですか。あとこれだけネット社会になると「それありき」で客の視線も見てしまうし。

でも、そこのレトロというか、オールドファッションを貫いているところがこのスパイものの連打のなかにあって新鮮で楽しく見ることができたなという感じです。女性陣のファッションの魅力爆発だったしスーツスタイルのスタイリッシュさも存分に堪能できたなーと。あとオープニングクレジットの「すぐわかる東西冷戦まとめ」みたいな作りもすごくおしゃれでわかりやすい!

水と油のふたり、でも腕は超一流、お互い反目し合うけどそのうち「アイツなかなかやりよる」的な視線に移行して手を組む、とか、好きじゃない女子がいたら教えて欲しいってぐらい、王道のバディものでありつつも、ギャビーという女性の存在もすごく効果的で、そのブロマンスのラインの押し引きが絶妙だよなガイ・リッチーは、と思いました。これもうちょっとどっちかに傾いてたら結構パワーバランス崩れてたんじゃないかなって気がします。

ソロのキャラクターが「あーなんか若い頃のトムクルさんがやりそう」って思ってたら、ほんとに最初はトム・クルーズが演じる予定だったけどMIRNと時期がかぶったのでヘンリー・カヴィルになった…みたいなことがパンフに書いてあってえーってなった。いやでもこれ結果オーライじゃないですか。だってトムクルさんでもイリヤアーミー・ハマーが決まってたって、だって、身長…!ってなるやん!いや私トムクルさん大好きよ!(MIRN5回見ちゃうほど!)でもあみはまさん195㎝やで…カヴィルさんより大きいんやで…年齢的にもカヴィルさんとあみはまさんのコンビでよかったって思いますです。あみはまさんもカヴィルさんも、どこかクラシカルなハンサム(ハンサム、という言葉であえて形容したい)なので、そこもこの作品の雰囲気と合ってたなー。

物語としてはまさに「前日譚」というところなので、できればこのコンビでもう1本見たいよーと思うのですが、続編の話があったとか消えたとかそういうことも漏れ聞くのでむむむむ…となっております。ガイ・リッチー監督!そこをなんとか!

しかし、このスパイ物連打のみならずだけど、ハリウッドではもう女性のキャラクターを「足手まとい」ポジションに置くことがめっきり少なくなっているよねと思います。今回も印象的な女性ふたりでてきますけど、どっちも彼らを出し抜くだけの腕と器量があり、かつ野心家。すばらしいですね。この作品にいたってはラスボスが女性(エリザベス・デビッキ、なんと身長190センチのスレンダー美女!)というのもなかなかよかったです。カヴィルさんと並んだ時の絵面のゴージャスさな…!

まだ公開したばかりなのでネタバレにならないように好きなシーンを言うと、ネクタイ、ダンス、サンドイッチ、手のひら、クッション、火事、そして時計ですかね。イリヤはほんと…おまえ!ちょろい!って言いたくなるぐらいいろいろスケスケで可愛さ満点でした。時計はね!ああいうの私ほんと大好きですけん!ふんがー!

そういえば後半、ヒュー・グラントさまがおいでになりますが、キングスマンコリン・ファースといい、「ブリジット・ジョーンズ」のふたりがどっちも英国絡みのスパイ役で映画に出る2015年…なかなかすばらしいんじゃないでしょうか。

そうそう、エンディングでも流れているこの曲がかっこよすぎて思わずitunesで購入。