「オペレーション・フォーチュン」


監督ガイ・リッチー、主演ジェイソン・ステイサムのゴールデンコンビ。英国政府に雇われる民間凄腕傭兵のオーソン・フォーチュンとその仲間がかる~い感じで世界を救います!

気軽に楽しめる映画だよ~という評判だしガイ・リッチー贔屓だしということで足を運んできましたが、確かに気軽に、気楽に楽しめる!ガイ・リッチーならではの仲間内のオフビートなやりとりも良い!駄菓子菓子!ちょっと気楽に過ぎるなという点もなきにしもあらずではあった。気楽なアクション映画大好きだけどさ!

そもそも、こうした「人知れず世界を救う」系の映画、007とかMIシリーズとかもそうだけど(キングスマンとかもそうだけど)、結局のところ敵方の造形如何で物語の緊張感が変わるし、でもってこの世にはびこる悪を退治するのはみんな一緒でも「で、何を阻止するので?」みたいなところでどうやってもアイデアが似通っちゃうきらいがありますよね。最近の流行りはAI関連、プログラム関連で、今作もどっかで聴いたような話だなとはなったし、また金融市場をストップさせたからって金本位制の完全復活とか、あります…?という部分で飲み込みにくさが残った感あった。

ベテラン傭兵部隊に映画スターが組み入れられるっていうのがストーリーラインとしては新味なんだろうけど、いやでもこういうのももうどっかで見た感すごいんよな…。

今作で悪玉なんだけど完全にヴィランの立ち位置かというとそうでもなく、もちろん善玉でもない、文字通りのトリックスターヒュー・グラントが演じていて、この映画のいちばんの見どころはこの人なんじゃないかって気がする。あの監視塔の上でのハッタリと見せ方、素晴らしかったっスよね。そのあとの敵方の自滅はあっさりしすぎている気もしたが、あのヒュー・グラントの外連味溢れる芝居に免じて許しちゃいます。まさかあの2枚目優男の代表格みたいなヒュー・グラントが、こんな渋みとハッタリの効いたおじさまになるとは、嬉しい男だよお前ってやつはとほれぼれしました。