「THE Negotiation」T-WORKS #2

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  • HEP HALL B列16番
  • 作・演出 村角太洋

丹下真寿美さん推しプロデュース公演のT-WORKS第2弾。第1弾に後藤ひろひと大王の作品を持ってきてたんですが、第2弾は関西の劇団「THE ROB CARLTON」の村角太洋さんを招へい。折しもテレ東の佐久間さんがツイッターでこの劇団の前回公演を「面白かった」と書いてらして、これは俄然見たくなる!と足を運んでみました。

とある高級ホテル(トゥイッケナム・ホテル…トゥイッケナムといえばラグビーですけど)の高級スイート、そこを控室に使用する世界的大会社のCEOふたりが重要な商談をこのホテルで行う。ふたつの会社は合併を目論み、業界でのシェアを一気に拡大しようとしている。諸条件の折り合いはほぼまとまった、たったひとつ、社名を除いては…。

タイトル通り、タフな「交渉」を舞台にした作品ですが、タフすぎてもはや素人には神々の高級な遊びに見える(または中二の小競り合いに見える)さまをテンポよく描いていて面白かったです。舞台のセットは椅子とテーブルだけで、その組み合わせでスイートルーム、会議室、地下のバーと場所が変わっていくんですが、スイートルームがそれぞれ真逆の位置に作られていて左右対称になっている設定なんですよね。これが後藤ひろひと大王の「ニコラス・マクファーソン」(個人的に大王作でも3本の指に入る推し作品)を彷彿とさせるシチュエーションで、自分の中で勝手にもりあがりました。というか作・演出の村角さんのスタイルが、とにかく対話ありきというか、意味のあることもないこともぐいぐい対話で押してくるタイプで、昔はこういう作風のひと沢山いたけど昨今めずらしい!と思いましたし、丹下さんのセレクトが後藤大王に続いて村角さんというのはこれは丹下さんの好みなのかな?と。だとしたら私と丹下さん気が合う~うれしい~。

それまでは交互に見せていたスイートルームが、最終盤にはその部屋を2組が同時に使う(言うまでもなく場面を重ねているだけで物理上は同じ部屋にいない)シーンがあり、これこれ、こういうのが好きなのよ、とニヨニヨしました。欲を言えばあそこで小道具ひとつとか、台詞ひとつでも、いないはずの2組が交錯する一瞬とかがあるともっと好きだった。

キャストも全員安定のうまさ!三上さんのいかにも押し出しのいいCEO然とした佇まい最高だし、山崎和佳奈さんと森下亮さんの切れ者強気女性CEOとその懐刀、みたいなコンビもよかった。丹下さんの秘書のむちゃ優秀そうなのに絶妙なところでオフビートな感じも楽しかったです。個人的にはスティーブン大好き!村角さん(ボブ)多才だなあ~。

劇中で使われている小ネタがかなりツボに入るところが多くて、ロード・オブ・ザ・リングのところむちゃくちゃ爆笑してしまった!そう、ゴラムはゴラムで険しい道のりですよね!「せめてサム」って返しも最高。あと私のイチ押し海外ドラマ「ザ・ホワイトハウス」の音楽が使われていて、ハッ!だからドナなのか!?とこれまたひとりでニヨニヨしてしまいました。楽しかったです!