例によって年もすっかり明けましたが2021年の振り返りエントリやっておきたいと思います!今年は芝居と映画!
観劇編
総観劇本数36本(リピート含まず)。後半わりと固め打ちしたのでこの本数、前半はかなり抑えめでしたね。昨年よりは10本超増えてるので、2022年もできればこれくらいのペースはがんばりたい。ということで、よかった芝居3本(観劇順)。
- 劇団チョコレートケーキ「帰還不能点」
- NODA MAP「フェイクスピア」
- 「パ・ラパパンパン」
いやまあ3本挙げておいてなんですけど、今年はもう「帰還不能点」がぶっちぎりベスト1です。脚本のクオリティの高さに唸りましたし、「総力戦研究所」という題材を選んだ時点である意味一本、勝負あった、というぐらい「花見の場所取りのうまさ」が際立っていたと思います。たぶん遠からず再演するんじゃないかな?してくれるといいなー。
「ファイクスピア」はね、ここに野田さんの作品選ぶの、自分でもマタカヨーと思わないではないんですけど、大阪で見た時の観劇体験が、あまりにも自分の観劇好きの原点を揺さぶられるような感覚があり、これは選ばざるを得ない…という感じ。「パ・ラパパンパン」は見た時期もよかったし、今日の気分だったらこれだなーというぐらいで、他の作品でもいいんですけど、とはいえ高いクオリティの脚本と熟練した演出がタッグを組むとこんなに幸福な作品ができるんだな~!という意味でもベストにあげたくなる作品でした。
映画編
総鑑賞本数25本。こちらは例年とあまり変わらずか。複数回見た作品はなし。こちらも良かった作品3本(鑑賞順)。
いや!わかってる。皆まで言うな。3本のうち1本は監督の演出を介しているとはいえ舞台を映像化した作品、もう1本は舞台の録画であってもう、これは映画ではないやんと言われればそうですねとしか言いようがない。しかしこの2本のどちらも外すことはできん!というぐらい突出してた。なんならナショナル・シアター・ライヴからもう1本「フォリーズ」を入れようか迷ったぐらいだ。あとDUNEも入れようか迷った。そういう意味では「アメリカン・ユートピア」と「リーマン・トリロジー」が図抜けていた年だったとも言える。
「アメリカン・ユートピア」は自分の周囲での絶賛がなかったら絶対に足を運んでいなかったと思うので(なにしろトーキング・ヘッズ未履修)、SNS万歳ありがとう、という気持ち。自分が今いる立ち位置を見失うことなくその先を見ること、という精神が貫かれていて、見た時期も相俟ってむちゃくちゃ胸に残った作品でした。あとなにしろカッコいいんだ舞台上のみんなが!「フリー・ガイ」はこの原作ものシリーズもの全盛の時代にオリジナル脚本で勝負してきて、しかもそのクオリティがシッカリ高いこと、ゲーム世界のモブたち、って視点のよさ、台詞のよさ、主演の人脈を生かしまくったサプライズ!ともてなし、もてなされ感がすごくて、いい気持ちで映画館をあとにできたな~と。
そして「リーマン・トリロジー」ですよ。いやあすごかったね。大抵の皆さまはもう2020年中にご覧になっていると思われるので、周回遅れも甚だしいが、周回遅れだろうがなんだろうが見た以上ベストに入れざるを得ない。それぐらい圧倒的でした。あんなに長尺なのに、「もう一度見たい」って人が続出するのも頷ける。演劇を観ることの喜びが麻薬のように濃縮還元された映像だったなと思います。
2022年の興行界どうなるのか、今の状態は創作側には相当負担を強いている状態だろうなと思いつつ、それでも芝居が打てない、映画が公開できないよりはましと走り続けていくのか、それができるのか、まったくわかりません。自分自身もどこまで劇場に足を運べるかわからないしね。
でもまあ、2021年通して、自分は芝居や映画を配信で見ることに向いてないこともしみじみ実感した年でした。お金を払って、役者さんたちが喋ってるのを聴く、みたいなものにもほとんど食指が動かないし、配信に使ったお金の少なさよ!という感じです。なんだろうね。観劇って2時間客を椅子に座らせて立つな喋るな動くな食うな飲むなと、ある意味暴力的な拘束力を発揮するわけだけど、そういう拘束力がないとだめな人間なのかなわし、と思ったりします。なのでできるだけ物事が良い方に向かって、劇場に足を運ぶという楽しみが日常と共にある世界が戻ってきて、それが当たり前になってくれればいいなと願うだけです。