「長ぐつをはいた猫と9つの命」


2011年の「長ぐつをはいた猫」は見ていないんですが、今作の評判がめちゃ高かったので芝居の合間につるっと見てきました。童話の「長ぐつをはいた猫」が底本になっているわけじゃなくて、シュレックシリーズのスピンオフなんだね!知らなかった。監督はジョエル・クローフォード。

「猫に九生あり」と言われるが、長ぐつをはいた猫であるプスは命をかけた大冒険をあちらこちらで繰り広げるうち、9つある命のうち8つまで失ってしまった。これが最後の生と言われたプスに賞金稼ぎのウルフがその命を狙って現れる。はじめて「死の恐怖」に直面したプスは、どんな願い事も叶うという「願い星」を探しに出かけるが…という筋書き。

「願い事を叶えるアイテム」をめぐっていろんなものの思惑が入り乱れる、というのは物語の基本セオリーでもありますが、今作ではプスたちに加えてゴルディ・ロックス率いる犯罪一家「3びきのくま」がむちゃくちゃいい味を出してたな。童話をうまく活かしたキャラ設定もそうだし、ゴルディ・ロックスの「願い」が何かっていうところと、そこからのあの展開ね~!「あたりを引いた」ってゴルディ・ロックスがわんこに答えるところ、むちゃくちゃぐっときた。

観に行ったきっかけは「アクションシークエンスがすごく良い」という評判を聞いてだったのですが、オープニングの緑の巨人とのアクションがめちゃくちゃに好みで、ヒャー見に来てよかった~~!とのっけから大満足。あと何と言ってもウルフ(デス)の造形の良さよ。出てくるたびにプスを怯えさせ私のテンションをあげてくれたよ。持ってる武器が首狩り刀みたいなのもむちゃはまってる。

アニメーション自体も、塗りの質感とか、あえて平面的な絵を見せつつ最新技術が詰め込まれててなんかもう、一周回ってすごいことになっとるな…というのをひしひしと感じます。

悪役のえげつなさ含め物語としてはオーソドックスな枠組みながら、キティの描写とかわんこの存在とか、何より主人公が恐怖と向き合って「それに打ち克つ」のではなく、その恐怖を「受け入れる」ことで成長を見せていくあたり、確実にアップデートされた作品だな~!と思いました。