「審判」  加藤健一事務所

  • 京都府府民ホールアルティ  8列28番
  • 作  バリー・コリンズ   演出  星充

第2次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜となり水も食料もない地下室に閉じこめられた6人の男の物語。

うろ覚えで申し訳ないんですけれども確か加藤さんってこの舞台をやるために事務所作ったんじゃなかったでしたっけ?どちらにせよ加藤さんのライフワーク的な意味合いを持つこの舞台、私は初見でした。閉じこめられた6人のうち60日後に救出されたのは二人、そして正気を保っていたのは彼一人。彼はどうやって生き残っていたのか、その様を彼はただ語り続ける、ありのままに。舞台の上には加藤さん1人、セットは証言台ひとつ。

好きか嫌いかで言えば極端な話、私はこの舞台をけして好きとは言えないですね。話の中身がというよりも、舞台のありようとして。加藤さんの演技力は言うまでもありませんが、しかしそれをもってしても集中力がどうしても保ちませんでした。さらに言えば私の性質としてここまであからさまなものにはちょっと感情移入しづらいというのもあり。

しかしそれをおいてもすごいと思ったのは、このヘヴィすぎる物語を毎回「生きる」加藤さんの心の体力。ハッキリ言ってただ見ている観客より、加藤さんの精神の方がかなりくらうと思うんですよね。そらーこれはマチソワで公演は出来ねーわ・・・・。つーか、加藤さんよく無事で!って感じです。