「sweet7」小林賢太郎プロデュース

前回のプロデュース公演「gooday house」を観れなかったので、小林賢太郎プロデュースとしては今回が初見。goodayの評価がいまいち割れていたこともあって、コント屋としてのラーメンズは勿論花丸付きで大大好きなんだけどもプロデュースはちょっと不安に思う部分もあったりして。
お話は店の経営が傾きかけた洋菓子屋「七日堂」の、7日間に渡る経営立て直しのための日々を追いかけたもの。ようく考えれば(考えなくても)かなり力業で展開させているエピソードも多いんですが、そんなことはあまり気にならないくらい楽しく、笑わせていただきました。褒めすぎーーと言われるかもしれませんが、固定したシュチュエーションで、会話だけで笑いを生んでいく見事さは後藤大王や三谷御大、そのナンセンスさはKERAさんにも通じる部分があるような気さえします。ああやっぱり褒めすぎかしら・・・

ただ難を言えばやはり演出部分にちょっと?思う部分もありました。特にセコム君が「お菓子の神様」の話をする部分ね。結果的にはこのエピソードがsweet7の枠組みになるのに、延々セコム君に語らせるだけというのはどうかと。あの部分かなり長いし、正直だれます。sweet7の7日間にわけてちょっとづつ話を振った方がオチが決まるような気もしたり。その他にも1日ごとに、「ちょっとイイ話」的な語りが展開するところがあるんですが、割と何度もあるのでインパクトにも欠けるし、演出も平板なような。そのあたりはちょっと気になりました。

しかし繰り返すようですが会話のタイミングと絶妙のボケで笑いを生んでいく所はすごいですよ。これラーメンズ小林賢太郎が書いたと思うから「アレレ?」的な受け取られ方をするような気もするけど、これがド新人の2作目の戯曲だとしたらやっぱり凄すぎると思うんですよねえ。勿論コント屋ラーメンズへの愛は変わらないけれど、これはこれで楽しく見ることが出来て良かったなと。

役者さんではアライさんをやった久ヶ沢さんと平田敦子さんが特に好印象。愛すべき肉体派お馬鹿のアライさんとジャクズレ片桐との会話の妙は見事でした。その片桐さんはテンション高すぎてちょっとうざいと思う部分があっても必ずセルフツッコミできっちり笑いを取るあたり、小林さん流石に把握しているなあというか。それにしても異様に存在感あるよな片桐さん。前から思っていたけど、役者としては小林さんより片桐さんのほうがセンスがあるような気がいたします。平田敦子さんはとにかく終盤で切る啖呵が素晴らしい!私が見た回では思わず客席から拍手が出るほどでした。格好いい〜〜〜!!!