「全身全霊」   大川興業

あまりのキャラクターの濃さでテレビ界でも異端児な大川の本公演。これが通算で22回目ということだから、もうずいぶん長く「劇団」としての活動を続けてらっしゃるんだなぁ。

で、感想なんですけども。驚きました。想像以上に演劇的で。だって大川といえば全裸コントとか、そういうキワモノ想像するじゃないですか。いやもちろん脱ぐシーンとかあったんだけど、それ以上にね・・・。なんていうか「世の中にいるちょっといきすぎた人」の面白可笑しさと哀しさをものすごく上手く表現してるんですよ。オープニングの見せ方も良かったなぁ・・・。さらに、みんなうまいの。役者さんが。ハウス加賀谷なんて、テレビ見てたら「この人に芝居なんて出来るの?」ってイメージなんだけど、舞台に立っている間は”ハウス加賀谷”としての匂いを全く感じさせない変身ぶり。やっぱ、お笑いでメシ食ってる人達は何かが違うわ。うん。ラストは思わずぐっときてしまいました。イヤーホント、お見それいたしました。

何遍も言ったり書いたりしてるんですけど大川ってほんともっと芝居ファンが観るべきだと思う。私の大のご贔屓だった加賀谷さんが休団されてるのが哀しいんだけど、ほんとにその辺の素人劇団よりよっぽどうまいし胸に残るものがあります。