「白血球ライダー2000」  惑星ピスタチオ

もともとは94年に上演された「白血球ライダー」を姉が見に行って、面白かったといってたのでピスタチオを見だしたんですよね。だからこの作品自体を見るのは初めてなのですが、多分94年当時とはだいぶ変えてたんじゃないかなぁ。その頃は佐々木蔵之介という強烈な悪役キャラクターがいたし。

人の体内で起こっていることを演劇にする、っていうピスならではの作品だと思います。冒頭の割と長めの腹筋さんのモノローグの最後に「それを想像していた僕の心も・・・」というのがあって、それを聞いてなるほどー!と思いました。自分の体の中の白血球やバクテリアや脳細胞や、そんなものの擬人化の果てがひとりの人間の想像力だっつーのはなかなか設定として秀逸だと思うんですけど。ラストに胎児大陸の扉を閉めるのもなかなか深いし、暗転の後しばらく客席に鼓動を響かせる演出はさすがの一語に尽きます。

でもね。これ面白くなかったんですよ。観てる間。設定もラストの展開も文句なしだと思うのに面白くなかったってどういうことなんでしょうね。とにかく、構成がバラバラすぎて最後まで話をどう追っていいのかがわからなかったのが最大の敗因だと私は思います。徹底的にバラバラにあったものがラストで一本になるのも、もしくはバラバラのままでもいいけど、なんていうか、中途半端。エピソードの配置を組み直して余分なものを絞り込めば大傑作になる可能性もある、それだけの設定だと思うんですけど。あとはね、役者さんの滑舌。なんっかしらんけど今回みんなひどかったぜ。保村さんなんかいっつもすごいクリアなのに・・・・。

でもさぁぁぁ、これ超満員だったんですよ。通路席まで出てたのね。「ナイフ」も「破壊ランナー」も空席あったのに。口コミで面白いって評判になったんだと思うんだけど、うーん、わからん(笑)