「ホセ中村とギャッフン・ボーイズ ※都合によりホセ中村は出演いたしません」 Piper

大王には珍しく(珍しくもないか)人情ものなんですが。ちょっとトリッキーな感じは薄かったかなぁ。ストレートな話なのでまあ展開も読みやすいのですが、しかし非常に楽しめるお芝居だと思いました。

叔父の遺産を相続した二人の姉妹が、相続税を支払うために叔父の遺産の一部である3つのバンドのメンバーを集めて、相続税分稼ぎだそうとするのだが、あれやこれやの横やりが・・・というのが基本的な筋。私はちょっとうがった見方をしすぎて、ラストの落ちを違うように考えてしまった(小早川さんが優勝しちゃうんじゃないかと思ったのよ)んですよねえ。まあでもラストの展開はちょっと拍子抜けの気がしないでもない。それともあたしがひねりすぎて考えちゃったのかなあ。

で、先に気になったところだけ全部書くと、あのねえ、主役の姉妹がどうにもこうにも弱いんだよなぁ。西本はるかさんと武内由紀子さんて、私は全然名前知らなかったんだけど。(西本さんの方は、顔見てわかった)まあ主催が吉本なので、こういうのはしょうがないのかなとも思いつつ、しかし男性陣が踏んでも叩いても潰れないような個性の持ち主&芸達者だけにちょっと差がありすぎな感は否めず。まあ武内さんの方は後半結構良かったので、これから化けるかも。お姉さんの方はねえ・・・まあ頑張って下されとしか言い様無い。

しかし、私はこの芝居を観ようかどうしようか迷っている人には強力プッシュしたいわけだ。なぜか。キてるからだ。何がだ。山内圭哉がだ!!
いままであまり大きなプロデュース公演に出てなかったりしたこともあって「ダブ鐘」で初めて見たという人も関東の方には多いに違いない。しかしキてるぞ。弱冠12才で映画「瀬戸内少年野球団」でピカピカの美少年ぶりを誇った(らしい、見てないけど・笑)山内圭哉くんがとうとうその持てるフェロモンを舞台で振りまきはじめたぞ!アタマからケツまでかっこいいのオンパレードだ。こんな感想でここまで書くのはどうかと思うがあまりにもくらったセリフがあるので書かせて欲しい。いや書かせろ。
奈々とジョシュ(山内くんね)の中盤のいいシーン。半べそな奈々を慰めようとジョシュが優しく言うこのセリフ(しかも腕を広げながら)
「おいで。アホの子こっちおいで。」
どうよこれ!!どうですか!!私だけですかこんなに悶えてるのは!!関西の男どもに告ぐ。関西な女の子は「好きだよ」だの「愛してるよ」だの言われるよりも、凹んだ時に優しく腕を広げて(しつこいがこれはポイントです!)「アホの子こっちおいで。」と言われる方が何万倍も嬉しいぞ!!他はしらんがあたしはそうだ!いやーもう舞台上の奈々ちゃん押しのけてあたしがアホの子になろうかと思ったっつーの!はあはあ。

山内くんのことで山のようにスペースを使っていますが(笑)、しかし山内くんだけじゃなく男性陣は先にも述べたようにみなさん個性発揮しまくりで素晴らしいです。(八十田さんおいしい〜〜〜)おっと、忘れちゃいけない女性がもう二人居たんだった。楠見さんはどのシーンでも着実に笑いをとっていてさすが。彼女が出ると安心する〜〜〜。もうひとりは大西ユカリさんという本業歌手の方みたいなんだけど、劇中で歌う歌が本気ですごい。聞き惚れました。しかも芝居も上手かった!!

バンドの話なので生演奏がところどころ入るんですが、こういうのキライじゃないので、やっぱり盛り上がってしまうね〜〜。最後の歌楽しかったなぁ。前の方の席だったので、紙テープも投げれて楽しさ倍増。私にしては珍しく初日に見たんですが(出来上がってから見る方が好きなので)初日ならではの緊張感もたまにはいいなぁと。カーテンコールの大王が妙に嬉しそうでその姿にもほくほくしてしまった私なのでした。

山内圭哉さんが超弩級の男前キャラで、改めて見るとちょっと照れる(笑)。しかしそれにしてもかっこえかった・・・