「止まれない12人」G2プロデュース

  • MIDシアター  Bブロック4列10番
  • 作 後藤ひろひと  演出 G2

6年ぶり?の再演。12人シリーズ三部作の最後ですな。西鹿児島から青森までを一本で繋ぎ、時速500キロで走る夢のSUPREME EXPRESS「雷神号」。その試乗会に乗り合わせた12人の乗客そして乗員にとんでもない運命が降りかかる!果たして彼らは無事に「止まれない」電車を「止められる」のか?

初演、殆どあて書きで書かれたと思われる脚本を、キャスト一新(大王のみ続投)での再演になったわけですが、よくもまあここまで!と感心するほど初演のテイストを殺さない(しかし微妙にキャラは違う)役者を揃えたなあと(笑)単純に比較するだけでも、関西の知性派川下さんが関東の知性派小須田さんに、意味不明なことにかけては天下一品の久保田浩さんが胡散臭さで他の追随を許さない池田鉄洋さんに、この役を出来る人が他にいるとは思えなかったウルトラ隊長三上さんを久ヶ沢さんに、まったくよく考えたもんだよ!なキャスト陣でしたなあ。というわけでこのアンサンブルはこれはこれで結構好きです、ええ。植本さんのどんぐりは若干無理が・・・という気もしないでもないですが、後はそれぞれ柄にあっててよかった。池鉄さんの独特の動き、あやしさ満開でよかったなー。関さんは、もう、かっこよすぎ!!渋過ぎじゃねーか!?と思いつつでも目はハートなのね、おほほ。小須田さんとの場面はよかった!さすがですなお二人とも。神野さんの役はすっごくハマってた!山内さんは地じゃないかと思えるところも若干ありつつ、だからこそいい人キャラが新鮮でした。あと、初演で野田晋市さんがやった役を今回スタジオライフの曽世さんだったんだけど、これがまた素晴らしく好みでした!曽世さんは荒波次郎で拝見したのが最初で、でもその時も結構好印象だったんですが、今回も良かったよー!どっから見てもいい人キャラなだけに企み顔になるときとの落差がイイ!私の中で今回のBEST OF ツボでした。

いろいろサプライズが仕込まれている脚本だけに、再見になるとその辺のオチが読めてしまうあたりはやっぱりちょっと興を殺がれた感じがありますねえ。初演の時はそれこそ自分も雷神号に乗ってる感覚で楽しんだんですが、今回は脚本の強引な部分も目に付いてしまったかな。ただそれは個人的な問題なので(笑)、上手く組み立てられた脚本だとは思うし、後藤大王はさすがだなーと感心する部分もたくさんありました。またこういう凝った作品作って欲しいなあとも思います。