「十月大歌舞伎 第一部」

  • 松竹座 1階5列17番

「野崎村」
田舎の気のいい女の子が、やっと思い人と祝言をあげられる、と思っていたらそこにぱりぱり都会のお嬢さん、みたいな女の子がやってきて、これが自分の好きな人が奉公先で恋に落ちた人だってな訳で、まあ三角関係なんですけど最後はえええ!というような展開でした、自分には。ちょっとびっくり。

気のいい女の子のお光をやったのが勘太郎くんで、都会のお嬢さんお染が七之助くん。いやもう勘太郎くんが可愛くて可愛くて可愛くてもう食ってやろうかとというのは冗談にしても、私今「新選組!」で平助にハマリまくっているというのもあるんですけど、というか勘太郎くんの女形見たのもしかしたら初めてだからかもしれないんですけど、いやもうなんだあこのかわいさ!って感じでした。まあそんな身贔屓な感じで見ているからかもしれないけども、勘太郎くんの芝居はすごく誠実さがあって、だからお光のけなげさが余計真に迫る所がある気がしました。

ところで「於染久松色読販」のお染久松ってこれと同一人物なんでしょうか。設定だけ同じ・・・?(すいません無知で)

「橋弁慶」「お祭り」
題材的に橋弁慶の方が好きだろうとと思っていたらあにはからんや「お祭り」の方が楽しかった。なんでだ。でも橋之助さんの弁慶はおもわずぽわ〜となるかっこよさです。

「狐狸狐狸ばなし」
個人的に第一部のメイン。ケラさんのやつを今年見たばかりだったので色々見比べる楽しみもあって面白かった。まあ話自体が面白いけどね。脚本に仕込まれた「お笑い」をうまく活かしてるな〜!と思ったのは断然こちらでした。特に勘九郎さんの伊之助はもう最高最高。もっと見ていたかったよ!フグ鍋に毒を仕込まれてのたうち回るところ、ああこういうところがもしかしたら「やりすぎ」と言われる所なのかもしれませんが、私はもう諸手をあげて大賛成って程に大好き。なんと、近鉄ファンへのちょっとしたオマージュもあるんですよ、もうだから好きさ、勘九郎さん!

扇雀さんのおきわも橋之助さんの重善もすっごくよかった。モテキャラな橋之助さんもすごくいいんだけど、おそのに言い寄られてるところとか、伊之助の幽霊にあたふたしたりする時の可愛さも素敵♪そうそう、亀蔵さんのおそのも大好き!!!イロモノテイストとはいえあの際だつ面白さはすごいっす!あと、ケラ版で見たとき又市のキャラがすっごくよくて印象的だったんですけど、唯一この又市だけはうーん六角さんのほうが好きかなと思えてしまったかな。見た目の切り替えでは多分弥十郎さんのほうが落差が効いてるんだけど、六角さんは見た目殆ど落差がないのに一本抜けたキャラから一本切れたキャラ、そして実は、な役所を見事に活かしていたのが印象的だったので。あと、これは演出次第なんですけど、ラストのおきわに高笑いがあっても良かったかな〜とも思ったり。

いやしかしもう声に出してゲラゲラ笑ってしまいましたよ〜。暗転が結構あったけどまあしょうがないって感じかな〜。ほんと芸達者、って言葉を実感いたしました。