「JAIL BREAKERS」

*完全ねたバレです。

「獏のゆりかご」の時も、会場に行ったあとで「ああっ!そういえばこの人も出てたんだった!」とそのあまりにも隅々に渡るキャストの(主演以外の)豪華さに改めて驚いてしまったりしたんですけど、キャスト発表+チケット取りから大分月日が経ってしまっていることもあり、発表当初の驚きを開演以後にまた味わうというある意味すごい芝居でした、ジェイルブレイカーズ。(長いよ)

だってミカイチ艦長+クガちゃん+じゅねさん+大高さん+久保さん+総代って、何このひと粒でも美味しすぎるキャスト陣は!みたいな感じじゃないっすか!

ストーリー的に気になったところいくつか。まず、写真のネタばらしが弱い。いくらお芝居の中の話とはいえもう一ひねりほしいところ。大高さん演じる山崎の異様な迫力からして肩すかしの感が否めないっす。ねたは写真でもいいけど、あれじゃ「総代にコスプレさせて楽しみたいだけなんじゃ」もしくは「なんでチャイナなのって言わせたいだけなんじゃ」感ありあり。

もう一点、G2さんはやっぱどうやっても色恋絡みを書くとむむむ、となってしまうことが多いんだよなあ。「キャンディーズ」の時結構よかったんでどうかな?と思ったんだけど、「ゴーストライター」の悲劇再び、って感じだった。京介が思い出せないながらも彼女のことが好きだと感じる、というのはいいんだがじゃあなぜ銀平の前でしか出てこないんだ?とかそういう「詰めの甘さ」が最後のキスシーンをまったく感動的に見せない理由だと思う。もう1エピソードでいいんだけどな。なんか彼らの間にだけある「絆」を感じさせるものがないとさ・・・むしろ京介と銀平の絆ばっかり目立ってましたが何か?みたいな。

ま、しかし音楽の力ってのはやっぱり大したもので、最後に向けてのあの高揚感っていうのはね、すごいものだと思います。で、その畑違いの(松岡君と篠原ともえちゃんはもちろん違う、本職ですから)音楽ってやつに一生懸命になる皆様のカッコかわいらしいことったら!艦長!艦長!あんな一生懸命な艦長初めて見た!一生懸命でかわいいわ渋くギターをかき鳴らす姿がかっこいいわもう波状攻撃で死に寸でした。久ヶ沢さんのベースがまた渋くてさ!あのちょっとマッチョな感じもまた良し。じゅねちゃんのキーボード凄すぎ。どんな特技を隠し持っているんですかあなたは。松岡君はあれだね、ドラム叩いているときが一番かっこよく見えたよ・・・やっぱ本職だなあと。

大高さんの最初の黒づくめがめちゃめちゃかっこよくて、ああもうお願い全編その黒づくめで!とお願いしたいぐらいだったのですが、それにしても素晴らしい露悪っぷりだった。この芝居のなけなしの緊張感を一人で持続させたところはまったくもって賞賛に値します。でもって、久しぶりに聞いたけどやっぱ大高さんて声いいのな!それに対するある意味真逆のポジションだった久保さんも見事な爺っぷりでした。総代のコスプレ人形、どれもこれも着こなすところがあんた凄いわ・・・と感嘆。最後のイヴニングドレスとか、ありえない綺麗さだし。

話的には他愛もないっちゃないんだけど、個々のキャラの立ちっぷりと音楽というマジック、芸達者な役者さんの力技などなどで思ったよりも楽しめたかなと。