「ハルディン・ホテル」をさらに楽しむ

「消失」のDVDクオリティの高さにわいわい言っていたときにおすすめ頂いた「ハルディン・ホテル」のDVDを先日の「犬は鎖につなぐべからず」の時に買いまして。みのすけさんの声の良さにうっとりしつつ例によって副音声メモ書きなど。

  • ケラさん、犬ちゃん、みのすけさんの3人でのコメンタリ。健康時代からの核となってきた3人、雰囲気がすごくいい。
  • 貸切で高校生だけが見た回があったらしい。えー!いいなどこの高校生だよ
  • その回では野田秀樹のネタはまったくウケなかった(笑)
  • 突出して笑うお客さんについて。客席がその客の笑い声を意識して重層的な客席になったりする。あれは困るらしい。
  • 冒頭の笑いのシーンはやりすぎると酸欠になるくらい苦しかった(笑)
  • パネルクイズアタック25で「1993年に結成された、人気俳優大倉孝二が所属する劇団の名前は?」というクイズがあって、その問題が出たのをたまたま見ていた廣川さんからケラさんに喜びのメールが来たらしい。感嘆符がいっぱいついていたそうだ(笑)
  • 最初に少人数ばかりのシーンが続くと稽古する役者が集中するので「早く大勢出さないと!」とか思うと脚本が破綻しがち。「ま、最初から全部書いておけって話なんですけどね!」(笑)
  • 喜安浩平さんはアニメ「はじめの一歩」で声優さんをやっていて、それですごい人気らしい。私ぜんぜん知りませんでした。ケラさんはその喜安さんの人気ぶりを漏れ聞いているんだけど「どうもにわかには信じがたい」そうです。テニスの王子様でも格好いい役をやっているらしいですよ。
  • アニメといえばそれこそ犬山さんのポケモンニャース)ですけど、ケラさんもみのすけさんもまともにポケモンを見たことがない。みのすけさんに至っては「ポケモンっていいもんなの?悪いもんなの?」(爆)
  • ハルディンのセットには中央に大きな回転ドアがありますが、「回転ドアの事件後だったらこのセットまずかったかもねー」というみのすけさんに「回転ドアの事件って何?」というケラさんに犬ちゃんとみのすけさん驚愕。「それは劇作家としてまずいですよ!」
  • 村岡希美さんは業界内人気が凄く高い。男性は廣川さん、女性は村岡さん。
  • コメンタリ録音中に携帯電話を鳴らす(マナーモードだけど)ケラさん、あまつさえそれに出るケラさん(爆)相手が上田大樹くんだったのでネタのひとつにしたって感じだけどそれにしてもどうか!(笑)
  • 昔はセットもこんなに具象的じゃなかったし、あまりリアリズムってことを考えなかった
  • でもこういう芝居ばかりをやっていると、役者も観客も抽象的なセットで芝居を見たりやったりするのがやりにくくなるんじゃないかと思う。昔は無対象で芝居を進行させている第三舞台や野田さんのところが主流だったけど、今は完全にウェルメイドなものが多くなってきた。見る方も具体的なものがあることに慣れている。だから役者も無対象でやる芝居が下手になっているし、客も想像力で補うことをしなくなった
  • やり始めた頃は具象的な事が出来ることが新鮮だったけど、逆に無対象で進行させていく芝居ができなくなってきてるんじゃないかと思ったりする
  • 昔健康の芝居で場面の前に「この場面意味なし」という垂れ幕を出すとかいうアバンギャルドなこともやっていた
  • 「その頃はエンゲキをバカにしてたから出来たんだよなあ〜。今は出来ないもんな、完全にミイラ取りがミイラになっちゃってるから。一所懸命やってるじゃんって言われちゃうもんな」
  • 一所懸命もなにも、指折りの一所懸命さだと思いますが何か(笑)
  • たとえば正面向いて台詞言っちゃうような、エンゲキのウソ、みたいなものに対する悪意を出していたことにしても、もう若い観客の中にはそういう芝居を見たことがない世代が増えていって、逆にそういう自分達が古いと切り捨てたものの中に新鮮さを見出すようになってくるのかもしれない
  • 眼鏡太郎さんのまっぱのシーンを見てお母さんは泣いちゃったらしい(笑)
  • 大倉さんお得意の変な動きを見ながらケラさん一言「あざといな!」(笑)
  • 二幕最初から突然「健康からの歩み」を質問するみのすけさん。「ちょっとぼーっとしてきたから」って言ってたけどこの3人ならではの話だしいいんじゃないでしょうか!
  • もともとケラさんは有頂天、イヌちゃんは有頂天のメイク、みのすけさんは筋肉少女帯でそれぞれバンドをやっていた
  • 2回ぐらいやってやめるつもりで、犬山さんとケラさんが電車の中の立ち話で劇団にしよう、という話が持ち上がった(犬山さんは覚えてないらしい)。
  • でも健康の8年間とナイロンの10年間ではナイロンの方が短く感じる。健康は色々と思い出が濃い。「思春期だったからさ」というみのすけさんに二人総ツッコミ「思春期じゃねえだろ」(笑)
  • 何にも知らないところではじめたから、最初はバンド仲間にスタッフを頼んでいたりした。3回目の草月ホールのとき舞台監督が袖でぐーぐー寝ていたらしい。それを見た田口トモロヲさんは「殴っていいかな、殴っていいかな」と言っていた
  • この公演はヒヅメ、マルボシ、メグリなど以前使っていた役名をあえて多くつかうことにしている。マルボシ、シゲタとかはカラメリで出てたよね
  • 劇団内でもよく絡むコンビとそうでもない人といる。みのすけさんはリエさんとあまり組まない。犬山さんは大倉くんとあまり組まない
  • みのすけさんはこの公演体調で苦労した。声も結構やってしまって、出ないわけではないけど、自分の中のイメージの音が出ないことがつらい。それが出ない分他のところに力が入ってしまったりする
  • 廻さんの「防人の歌」のバックのギターはみのすけさんです
  • 全員にドラマを作る群像劇はけっこうしんどくなってきた。6人から10人ぐらいが今は書ききれる、という感じだそうです>ケラさん
  • この頃の三宅さんはものすごく痩せている、という話から松永さんは劇団に入った時と較べて痩せたよね〜という話に。ぷっくりしてたんだってもっと。
  • マルボシ夫妻にフタツモリさんが送った陶器の人形、「白雪姫と七人の小人」だって台詞で言っているのにみのすけさん「サンタさん?」って(爆)サンタさんて!犬ちゃんのツッコミがもう脱力しきっててすげえかわいいの!「びっくらこくことを言うよねたまに!」と言いながら「見た目がね、」と言い訳するみのちゃんに「そう見えちゃったんだよね」といってあげる優しさもいい〜!つかサンタさん?っていうみのすけさん、かわいすぎじゃあ!
  • 「俺いつもクレヨンとネジ持って馬の毛ここにつけてるじゃないですか!」はケラさん自信の台詞だったのにウケなかったのがくやしい(笑)「どうも徹底的に客と合わないところが一カ所はある」
  • みのすけさんの演技見ながらすっごい楽しそうケラさん。
  • 三宅兄貴の「茶々入れないでやってもらえますか」は私がこの芝居で一番好きなシーンなんですけど、松永さんもここ、下手すると泣いちゃってたらしいです。わかる。私だって、自分に言われているわけでもないのにここは泣けるもん。でも書いている方はまさかそんなシーンになると思ってなかったらしい
  • 佐藤くんをはじめとする新人の皆さんのシーンになると、ダメだしというより親の気持ちになっているケラさんがやっぱ劇団の主宰者だなーって感じですてきだ


みのすけさんのコメンタリって「男性の好きなスポーツ」でも聴いてるはずなんだけどやーなんか雰囲気違うなあ。やっぱケラさんと犬山さんってことで素に近かったりするんだろうか。もーもともと声がいい人だから聴いてるとぽわわわ・・・んとなってしまう感じですよ。もーかわいいのなんのって!(笑)ケラさんもみのすけさんと犬山さんに寄せる信頼が絶大なんだなってことがよくわかる。すっごくほんわかしたアットホームな感じの副音声でした。

特典映像、劇団員がリレーでインタビューしていくんですが、廣川さんがすごく真面目だったり、村岡さんが完全に自由自在だったり(人生の目標とか聞き出すし!)そして大倉くんがほんとにひどい(笑)長田さん松永さん大倉くん三宅さんの4人が近小で撮っていて、うわあああ!って、涙が出るほど懐かしくなった。松永さんは近小のトイレの前で「下北ビートニクスで総ダメだしされてトイレに駆け込んで悔しさのあまりトイレのドアを蹴り壊した思い出の場所」と紹介していた。あの三宅さんの撮ったみのすけさんとかもよかったな。
舞台裏案内も面白かったです。エレベーターあんな風になってたのねえ。あと階段!人が乗っている状態であれ動かすってすごい・・・ほんとに手作業、人力のところが多いんだなあ。

でもやっぱりこの芝居はほんとみのすけさんありきって感じですよね。ハルディンのみのすけさんの良さってほんと他の人じゃ絶対出せないと思う。ケラさんも「こういうところは他の人がみのすけを使っても書けない」と言っていたけれど、本当にそう思います。