「銀魂2 掟は破るためにこそある」

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銀魂1を公開して翌年にもう続編の公開!1を公開する前からスケジュール押えないといけないような面々を揃えてこのスピード。福田監督の人徳なのか作品の人気ゆえなのか!

最近著しく勘九郎さん摂取量が減っているのと、原作未読(ごめんなさい)ながら今回は真選組がメインのお話らしいよという前情報につられていそいそ見に行ってまいりました。勘九郎さんのムビチケも買ったし!推しに貢献している!かもしれない!

前作に引き続きジブリエヴァを引っ張ってくるルール無用のパロや、自虐もふんだんに取り込むギャグで物語を盛っていくのは福田組ぽさある~という感じ。将軍接待のあれこれがどこまで原作準拠なのかわかりませんが、結構ウケてた。そして前回と同じく佐藤二朗さんの自由演技に沈没寸前になってる共演者もしっかり使われてましたね。

今回は話のメインが真選組の乗っ取りを狙う伊東鴨太郎(三浦春馬くん)の暗躍と、それを阻止する沖田総悟土方十四郎の活躍、それに絡んでくる万事屋の3人、というところで、普通に「新選組」の話としても盛り上がる部分だし、人気のエピソードというのもよくわかる。この近藤土方沖田の関係性はあんまり説明しなくても、みんなわかるよね!という共通認識のもと話を進められるし、実際まあなんとなく察しがつくんだけど、とはいえやはり映画は映画で一つの物語なので、この中でだけ拾われるフックをちゃんとかけてほしかったなという感じは正直ありました。沖田があそこで激昂する所以とか、近藤と土方の確執というか、ハメられたゆえの行き違いがやっぱりちょっとでも描かれるのと描かれないのとで、場面場面のカタルシスが全然違うんじゃないかと思うんだよなあ~。

非常に力のある、絵力満点のシーンがたくさんあるんですが、しかしそれを有機的につなぐ物語の糸が不十分に感じられたのが個人的にはちょっと乗り切れなかったところでした。原作は長い歴史がある物語だからこそそれぞれのキャラが重層的になっており、だからこそ「泣ける」物語になっている部分が、やっぱりこの2時間強(というか、エピソード二つが組み込まれているので、実質1時間程度)で描くには、脚本が薄いな~という感じが否めない。

キャラクターそれぞれの漫画的キャラの見せ方という点ではそれぞれいい役者持ってきてるな!感があるし、吉沢亮さんの総悟も柳楽優弥さんの十四郎もそれはそれはむちゃんこかっこいい。あの「…死んじまいなァ」のところは今の!今の絵もう一回!ってなるわねそりゃ。柳楽くんのどシリアスさとオタクキャラを揺れ動く描き方もよかった。というか個人的にあの「最後の1本だ」のところがいちばん好きなところだ。窪田くんはもう、この際「実写化請負人」と呼びたいぐらい実写化にお声がかかってて、それで毎回それなりに高評価で迎えられるのがすごいんだけど、なんでしょうねあのキャラをモノにする感に長けたあの感じ。小栗くんとの一騎打ちかっこよかったです。三浦春馬くんはもともと贔屓にしてるというのもあるけど、これまたクールビューティで言うことなかった。そしてあの腕が吹っ飛んでからの芝居がまたよかった。あの土方との渡り台詞なー!あれめちゃいいとこだからもっとかっこよく演出してあげてー!と思ってしまう、そう私は渡り台詞にうるさいオタク…(どんなだよ)。

総じて、アクションシーンのつなぎもなにがどうなってこうなった?というのがいまいちわかりづらく、原作のかっこいいシーンを絵力のあるキャストをそろえて再現してみたガラコンサート的な感覚が最後までなくならなかったのが、個人的には残念なところでした。

勘九郎さん演じる近藤勲、今回はみんなに慕われちゃう役だし全然脱いでないしめちゃ台詞喋るし沼津の十兵衛もかくやってぐらい泣くし(喩えがニッチすぎでは)、隊服もとっても似合っててかっこよかったざんす。しかしこの中でもっとも身体能力が高いと思われる(いや、本当にそうかどうかはわかんないですが、贔屓としてここは大きく言わせて…)勘九郎さんがまったく殺陣をやらないのはもったいない。ああもったいない。とはいえ、ご本人はめちゃ楽しそうにやってらっしゃったし、主演自ら「今回はにぎやかしです」と言っていた小栗くん菅田くん橋本環奈ちゃんの万事屋トリオもめちゃ楽しそうでした。鴨太郎の走馬灯シーンで出た宴会場面で勘九郎さんが春馬くんのほっぺにちゅーをかましており、あっ春馬くんごめんねごめんねとなぜか心の中で手を合わせたことを付け加えておきます(笑)