「八月納涼歌舞伎 第一部」

新選組」。手塚治虫原作漫画を新作歌舞伎にという試み。歌之助くん福之助くんを主役に据えて、勘九郎さんたちが脇で支える…という公演でしたが、新型コロナウイルス感染症の陽性者が出たということで一部公演中止、再開は代役でということになり、急遽七之助さんと勘九郎さんが主役コンビを演じることになるという。そしてその代役回にばっちり当たってしまう我。運がいいんだか悪いんだか。贔屓がたくさん観られるという意味ではラッキーでもあり、本役で見たかったなァという気持ちもあり。

歌舞伎はもとの型というか、基盤がしっかりしているから、漫画原作であっても漫画に寄せようとというよりエッセンスを取り入れよう、という形になるのが見やすく思える部分なのかなと。書き割りを手塚漫画のコマにしていたり、ところどころお遊びはあっても、原作も骨格がしっかりしているので歌舞伎との相性はかなり良いと感じた。お友達も書いていたけど、同じく基盤がしっかりしている宝塚もこれは作品として持っていけそう。

親の仇を追ううちに自分も仇として追われる身になりその連鎖の空しさを知る丘十郎を七之助さんが熱演。勘九郎さんの大作は正直むちゃくちゃ御馳走でしたね。陽のキャラでありながら後ろ暗さがどこかにあり、剣の腕がめっぽう立つ…ハイありがとうございます!!!という感じ。あの丘十郎と切り結ぶ前の構え、「おまえが蝦夷の族長で、おれが坂上家の男なら、こうなるしかないだろ」っていう私の萌えドンズバな台詞のシーンを思い出したし、かつての友が袂を分かって命のやりとりをするパターン大好き族こんなんなんぼあってもいいですからね科の人間としてはありがたく押し頂くしかないっていう。

とはいえ、主人公たちのいわゆる「青さ」は歌福コンビがまさにニンであったろうとも思えるし、何かの折にでも本役パターンも拝んでみたいものでございます。虎之介くんの沖田すごくよかったな。そうそう、七之助さんが扇雀さんのことを2度ばかし、思いっきり「近藤さん」と呼んでしまい、シリアスな場面だけにまぜっかえすこともできず、観客席にも一瞬大きく「?」の文字が浮かんでいたような。でもわかる!扇雀さん確かに近藤勇の風格あるよね(笑)

「闇梅百物語」。中村屋さん総出の楽しい舞踊劇。いろんな「お化け」が入れ替わり立ち代わり、見せ方の工夫もたくさんあって楽しめました。骸骨の手足がバラバラになるところ、古典的な手法だけどうまく見せるなあ~とか。でも勘九郎さん贔屓としては、もっと!ガッツリ!ゴッリゴリに!踊って頂いても差し支えないが!?と思ってしまうオタク心。