「メリー・ポピンズ」

自分の守備範囲外に位置付けていたので初演も見てないしチケットも取ってなかったんですけど、観劇仲間のこのツイート


見て、「いのちの…かがやき…」ってうわごと言いながら気がついたら手がホリプロチケットのページ開いてポチっとやっちゃってました。
なんだろう、たぶん疲れすぎて思考する能力がゼロになってたんでしょうね。でもある意味本能的に「これは見ておけということではないか」というシグナルが鳴ったということでもあって、そして往々にしてこういう場合の予感は外れない。シアターゴアーの本能ナメたらアカン。
いやー素晴らしかったです。
こんなにも「素晴らしい」の言い甲斐のある舞台もそうそうない。なにしろ出てくるものすべてがハイクオリティ。演者はもとより、舞台美術、照明、演出、この2時間半の間、我々はあなた(観客)に夢の世界を、日常から飛翔した世界をお見せします、という気概に満ち溢れているのだから、ここまでくると自分の観劇の趣味嗜好とかもはや超えて圧倒されるほかない。

メリーポピンズの物語自体は、私はかの有名なジュリー・アンドリュースの映画ではなくて(最初に見たのは映画だったと思うけど)、小説版のほうに圧倒的に馴染みがあります。むちゃくちゃ好きだった。ぜんぜん優しくなくてズケズケものを言う、でも読んでいたら好きにならずにいられないメアリー・ポピンズに夢中になりましたね。ロンドンには「シティ」って場所があるんだなとかね、街の描写とかそういうのもふくめて、なんというか自分にとっての原体験に近い愛読書です。

今回の舞台版のメリー・ポピンズのキャラクターがまず、映画版と小説版の真ん中というか、小説版の佇まいを彷彿とさせるところがあったのがすっごくよかった。あのキリっとした背筋の伸びた立ち姿、言いたいことずんずん言っちゃうとこ!もちろん、あの鞄からどんどんいろんなものが出てくるところも、そうそう~!それそれ~!という楽しさ満載。映画版が好きでも、小説版が好きでも「自分の知ってる、自分の好きな」メリー・ポピンズに会えた!という喜びがあるんじゃないかなと思いました。

楽曲の良さはむろん折り紙つきで、それを実力派キャストでこれでもか!と観られる、いやマジで何度も言うけど趣味嗜好抜きにひれ伏すほかない。圧倒されます。スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、あの歌!ダンス!あれで高揚しないでいられる人おる!?いやむり!!!高揚しすぎてなんかもう、わりと最後の方だばだば涙をこぼしながら見ていた私ですよ。

濱田めぐみさんと山路和弘さんの回を見たいなって思って、ちょうど行けそうなのが平日しかなくて、いやもうちょっと仕事は詰むかもしれんけどこういうことを楽しみたいために働いとるんじゃー!つって強行突破して、その期待に舞台が満額回答くれたときのこの喜びを俺は何にたとえよう、そんな気分にもなろうってもんです。濱めぐさま…本当に最高だった…山路さんの可愛げも炸裂してた…ほんとに「魂のガソリン満タン入りました~!」みたいな充足感がね、観劇後の私を包んでいましたよ。こういう夜のために生きているのよ。

おすすめしてくださったお友達に大大大感謝だし(しかもすごく良い席で観られた~)、しばらく大型ミュージカルは積極的に控えていた(消極的と言え)けれど、出会いがあったらためらったらいかんし、ほんとシアターゴアーの「これは!」な勘は貫きとおすべきだなと改めて思いました。ほんっとに最高だったーーー!!ありがとうメリーポピンズーーー!!ありがとうキャスト・スタッフのみなさ~~~ん!!!!