「藪原検校」

  • パルコ劇場 N列14番
  • 作 井上ひさし 演出 杉原邦生

猿之助さんで藪原検校、と最初に発表があった時点でそ、それは…観たすぎるやろー!と思い、とはいえ共演者に三宅の健ちゃんいるしなー!チケット取れないやつやないかー!とダメもとで申し込んだ抽選で当ててもらいました。ありがとうございます。

私もそれなりに井上ひさし作品を舞台で拝見していて、もちろん好きな作品もあるんですが、実は藪原検校はちょっと苦手タイプなんですよね。表裏源内とかも苦手。井上ひさし作品でも後期の「ロマンス」とかのほうが波長に合うというか、そう考えると若い頃の作品よりも晩年の作品の方が好みなものが多い。藪原検校自体は他の演出家でも拝見したことがあって、そのときも「苦手だなあ」と思ったんですけど、そう思いつつ今回足を運んだのは、猿之助さんが杉の市をやるからという点に尽きる。

悪逆非道、お主殺しはもとより女も行きずりの人間も邪魔だと思えば皆殺す。しかし最初に人を殺めて産みの母に助けを求める場面ではかれはまだ人間らしいかたちをしている。そのかたちが母を殺してからどんどん変わってくる。見た目は立派に、豪奢に、けれどもその内実は…という杉の市を、もう全編正解しか叩きださないという芝居で板の上に乗せる猿之助さんの見事さよ。愛嬌と悪辣さが同時に存在するあの表情!所作の確かさ、美しさ、ほんの少しの姿勢の変化で役柄の内心を表現する的確さったら。

この作品には主人公である杉の市が「まことに立て板に水」に早物語をする場面があり、この杉の市をやる役者はこの部分を「モノに」しなくちゃいけないわけで、それにはただ台詞をおぼえればいいというものとは全く違う「語りの芸」が必要とされる。いやもうめちゃくちゃ期待していて、その期待の遥か頭上を越えていったね。ホントあの場面だけずっと見ていたいぐらいだったよ。大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、過去のいつかの時代に、こんなふうに人は人の語る物語を聞いていたにちがいない、と思わせる引力が、引力と、芸の力があった。

塙保己市が三宅健くんで、これは意外な配役だなーと思ってたんだけど(直近では小日向さんとか段田さんとかだもんね)、杉の市との対話の場面では終始トーンを一段落とした台詞回しで、あの奇妙に明るい声で「お祭りみたいな人ですね」と杉の市を評し、道は違えどどこかでひそかな連帯を感じているというのが節々に感じられたのがよかった。だからこそ、最後の残酷さがむちゃくちゃ効く(蕎麦のくだりの凄みよ)し、達観し、完成された人物、というところから距離があるのが今回ならでは、三宅健ならではという感じだった。

実のところこの作品でいちばんの重労働は盲太夫なのではと観た人はみんな思ってそうだけど、川平さんの盲太夫も私は好きだったなー。音楽との相性もよかったし。出てきたら確実に仕事をする芸達者ばかりの座組で、佐藤誓さんとかもういつ何時どこで見てもしっかり爪痕残すタイプよなー!とうれしくなりました。

これはあの当時、「社会」というものの「外」に置かれるしかなかったものたちのカウンターとしての物語であって、そうした場面、台詞をしっかりこちらに届けてくれる作品になっていたと思います。

「アユタヤ」MONO

MONO新作。前々日ぐらいにツイッターで公演情報見かけて週末行けるな…と衝動的にチケット買いました。MONOもなにげにごぶさたしちゃってましたね。

タイのアユタヤ王朝下にあった日本人町を舞台にした作品。かつては栄えていた町も、王朝との軋轢や内部での格差問題などで不協和音が大きくなっている。貿易商を営む兄妹はなんとか日本人町の体制改善を行おうとするが、なかなかうまくいかない。そんな兄妹のところに、長崎から渡ってきたひとりの日本人が逃げてくる。町の権力者に反抗的な態度をとったために追われているというその男を兄妹は匿うことにする。

舞台は17世紀のタイですが、たとえそれが弥生時代であっても(裸に勾玉ですネ)そこにいる「人間」はわれわれと大きく違わない。「時に古今の差なく、国に東西の別はない。観じ来れば、人間は始終同じ事を繰り返して居るばかりだ。今から古を見るのは、古から今を見るのと少しも変りはないサ。」と言ったのは勝海舟だが、土田さんの作品にはそれをさらにミニマムにした世界観があるような気がする。

「純粋な」日本人であることを意味もなく尊ぶ風潮、「異人」を蔑む空気、「ハーフ」を排斥し、「現地生まれ」にマウントを取る大人たち…。いや本当に、いままさにSNSで繰り広げられていることと何が違うのかという。途中、登場人物のひとりがかなり強烈なレイシズムを見せるところがあって、そこはなんというか、むちゃくちゃキツい。

今回は、今まで土田さんが見事に描き出してきた、そういった誰しもが持つ人としてのいやったらしさよりも、同じように誰もが持つ、誰かが誰かを助けようとするときの気持ち、というものに焦点を当てていたように思いました。ラストシーン近くの一之介とハツとの対話。事なかれ主義のようにも見えるのに、ある一線では決して体制に流されない兄にハツが聞く、兄の信念はどこにあるのか、と。一之介は信念なんてものではないと答える。知っているひとのことはよくわかるだけだ。そしてこうも言う。正義を言葉にしすぎると、そこからこぼれるものがある。言葉にした正義と違うことがゆるせなくなる。そうしてどんどん、許せないことが多くなる…。

シリアスな場面の重さはしっかりと手渡しつつ、絶妙な会話と間で笑いを見せていくのはいつもながらお見事でした。それぞれのお国言葉が飛び交うのもいいよね。

個人的には最後の「行く・行かない」はなくてもよかったかなと思うけど(というかあんなこと言い出すこと自体がむちゃくちゃ信用ねーなって感じでがっかりしちゃう)、出てくる登場人物のバランスを取るためには奏功しているのかな~という感じでした。あとカボチャがまさかのカンボジア(カンボジャ)由来の言葉だったとは…!

MONOは2019年に30周年だったということで、記念冊子も販売されていました。劇団を30年継続する、しかもその間ほぼ新作を上演し続けているって本当に口で言うほど簡単なことじゃないですし、それをひそやかにやり遂げて、やり遂げたことに一抹の含羞があるのがまた、MONOの品だよな~としみじみ思います。これからの作品も楽しみにしています!

「ノンストップ」

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そういえば今年にはいってぜんぜん映画見に行ってないな、なんかスカっとするやつが見たいな!と思い、間違いなくスカッとさせてくれそうなこの作品にしました。監督はイ・チョルハ

妻は揚げパン屋、夫はパソコン修理屋を営み、使い古した洗濯機の買い替えもままならないなか、娘のために節約にいそしむ一家。そんなところに降ってわいたハワイ懸賞旅行の当選の知らせ!最初は旅行をしぶる妻だったが、娘のために人生初の海外旅行、行こうぜ常夏のハワイへ!と思いきや、同じ飛行機に怪しい女の影、そしてそれを狙う男たちが…!どうする!どうなる!ハワイ旅行!

舐めてた○○が実は凄腕だった…パターンのようで実はそうではない、そのタネあかしにいたるまでの見せ方が非常に緻密でうまい。タネを明かしてからは逆に「ちょっとぐらい荒唐無稽でも大丈夫だよね!!!」とばかりにやらずぶったくりなのもよかった。しかし勢いがすごいのでもうこっちもごっくんごっくん飲み込んじゃいます。

航空パニックものは登場人物が当然固定されるので、ある種群像劇めくところがありますが、この作品も他の客席に座ったキャラクターの描き方がすごくよかった。威張り散らすだけの国会議員、アメリカ国籍を取得させるためのマタニティトラベル、ナッツリターンだってもちろんネタにしちゃいます。たまたま同乗したという諜報員はいったい誰!?な展開も笑ったなー。娘にはテコンドーじゃなくてバレエを!っていうミヨンの考え方も、それがどこからきているかを考えるとなるほどなとなっちゃうし、旦那さんのソクファンがぜんぜん「らしさ」を気にしてないのが救われるし、なにより夫婦がラブラブで娘ちゃんをめっちゃ愛してるのが本当にいいのだ。そこがこゆるぎもしないの、むっちゃ大事だ。

中盤以降の狭い空間をこれでもかと活かしたアクションの釣瓶打ち、終盤に返して返してまた返すどんでん返しの縞模様の波、最後の最後までワンダーを詰め込んでエンドロールに流れ込むのが最高に気持ちよかったな。ハワイいいよね。行きたいよ。ただただ浮かれる不要不急の旅って最高だったなーとしみじみしたりして。そうそう、飛行機の貨物室とか仮眠室とか見られたのもよかった、あの仮眠室こっぽりしててちょう良い。あそこで寝てみたい(笑)

あとね、ミヨンの揚げパンが本当に、本当に、美味しそうすぎた…シネマート心斎橋は揚げパンも売ってくれてたんですってね…知らなかった…揚げたてのねじり揚げパン、今すぐプリーズ!!!

高津宵宮の長町裏で

一報を目にした時に思ったのは、とうとう、きたかということだった。ようやく、というよりも、とうとう、この日が来た、という感慨がわたしの中で強かった。

わたしの2000年代の観劇の中心にあったのは、まちがいなく「夏祭浪花鑑」であったと思う。

2002年に行われた大阪扇町公園での平成中村座でこの芝居を見てから、勘三郎さんが勘九郎時代もふくめて演じた「団七」で見逃したのはルーマニアのシビウで上演されたものだけだ。大阪、東京、松本、そしてニューヨーク。この間にわたし自身も3度転居し、でもどこに住んでいても、必ずこの芝居を見るために足を運んだ。

2011年3月の博多座で、勘三郎さんはこの「夏祭浪花鑑」をかける予定であったが、体調不良により出演を見合わせた。当時まだ勘太郎であった当代の勘九郎さんが、代役で団七をつとめることになった。もちろん、初役だ。

私がこの博多座での「夏祭」を観たのは、3月12日である。

当時は名古屋に住んでいた。新幹線ははたして動くのか、動いたとして、行くのか、そういう逡巡も確かにあった。が、結果的に東海道新幹線は運行し、私はそれに乗って福岡まで出かけた。

休憩時間に携帯電話を見ると、ツイッターには「福島の原発」の文字が飛び交っていた。その一方で、わたしは自分の好きな役者が、自分が最も思い入れる作品で、いつかはかれもこの役をやるときがくるのだろうか、と思い描いていたその役をつとめる姿を最前列で食い入るように見ていた。
自分のいる場所がどこか歪んで見えてくるようだった。自分のいる世界がよくわからなくなった。

あのときの勘九郎さんはやせていた。のぞく手首の細さが、異様に目に焼き付いている。ただでさえ、御父上の代わりに舞台に立つプレッシャーがあったと思うが、そこに震災という出来事が重なり、あのほそい背中にどれだけのものを背負わねばならなかったのかと、改めて思う。当然だが、あれほど空席の多い「夏祭浪花鑑」は、あとにもさきにも経験したことがない。

あれから10年である。

とうとう、そういう気持ちになったのか、と思う。とうとう、またふたたび、あの荷を背負ってもいいと思えるようになったのか、と。

無事に舞台の幕が開く、ということそのものが、奇跡のようなものだということは10年前にも思ったはずだけれど、今また改めて強くそのことを思う。そういう時代に演じられるのも、この作品の持つ引力なのかもしれない。

楽しみにしています。もういちど、あなたの団七に会えることを。

「てにあまる」

松井周さん新作、柄本明さんの演出、藤原竜也くんが主演。ちょっと今までになかった顔合わせで興味を惹かれました。自宅から徒歩5分の劇場でかかるのをいいことに2度目の緊急事態宣言下、足を運んできました。

虐待の連鎖、と言葉にまとめてしまえば簡単ですが、父親からの暴力、母親からの拒絶により深く傷ついた子どもの今を切り取っているので、なかなかにしんどさのある筋立てではありました。しかし、救いのなさというよりも、主人公が終盤に父親に向かって言う、そんな言葉で俺を決めないでくれ、あんたはあんたで、おれはおれなんだから、という台詞にこの芝居のピークを持ってきていたことを思うと、その連鎖を断ち切る意思をどうにかして見せたかったのかなと思います。

主人公の幻聴が明らかになってからの展開は虚実入り乱れるところもあり(あのインターホン)、主人公がもう引き返せない河を渡ったのかそうでないのかっていう余白があるのも、個人的にはよかった。

藤原竜也くんをこういうミニマムな世界観の芝居で観るのなかなかレアな気もしつつ、柄本さんとの掛け合いの巧みさにうなり、なんといっても終盤の爆発力のすごさ、文字通り「場数が違う」という感じで圧巻だった。あれだけ自由奔放に本能的にやっているようでも絶対に台詞がながれない、ただ大きな声を出すというのとは全く次元の違う自在さ、主役の器じゃのう…と感嘆。

このご時勢ですから空席の多さは如何ともしがたいというところですし、もしかしたら藤原竜也くんはこんなに空席のある客席を前に芝居をすることが今までなかったかもしれないと思いますが、変な言い方だけどこの経験が少しでも彼自身の養分になっていってくれたらいい、そんなことを思いました。

マンダロリアン面白すぎて黙ってられなかった人のどうでもいい鑑賞メモ

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はじめに

一昨年のシーズン1配信(当時まだ日本はディズニーデラックス)の時から、ツイッターのTLで熱心なスターウォーズファンの方の熱い激賛を目にしていて、しかしこれ以上映像サブスク増やしてどうする(見る時間ない)、マーベルの新作ドラマをどのプラットフォームでやるかはっきりしたらどうせ加入するんだからその時まで待とう、つって見送ってたんです。もろもろ撮影延期とかコロナの打撃もありつつですがようやく2021年1月にワンダヴィジョン公開ですって!ということで1月1日にディズニープラスにめでたく加入、さっそくマンダロリアンを見始めたんですけど、これが、あーた、

どしゃめしゃに面白い。

この作品、スターウォーズマニアが諸手をあげて歓迎しているのは想像に難くないですが、旧三部作もプリクエルもうっすら「むかし見たなあ」みたいな、マニアというかファンですらないライト一般ピーポーが見ても、

俄然、面白い。

最初にシーズン1の3話まで見て、続き明日にしよ…つって翌日シーズン1最後まで見て、なんとその翌日にシーズン2を全話見ちゃった。1日で。止められなかった。そもそも1話の長さが30分~40分程度で短くて、1シーズン8話の構成だから、まあまあ4~5時間あれば見られる計算よ。計算よつっても、本当はもうちょっとゆっくり堪能するはずだったの。ワンダヴィジョンのリリースちょい前に見終わるぐらいなつもりで。なのにこんなことになるとは。まさに巻を措く能わずとはこのことかっていう。

そんでシーズン2のラストまで見ちゃって、次に何を始めたかっていうと最初から見返し始めたっつーんだから何をかいわんやである。

1話1話がシンプルだけどちゃんと緩急がついていて、各エピソードの配置が絶妙で、台詞がまたむちゃくちゃいいんですよ。で、スターウォーズやめられない勢の皆さんにはそれだけじゃなくてどんな場面でも過去作品への目くばせがあるという(でもそれを知らなくても十分面白い)。すげえなジョン・ファヴロー&デイブ・フィローニ。

メイキングも全部見ちゃって、その中で何度も「もともとスターウォーズは西部劇や侍映画にインスパイアされたもの、だから昔の作品をなぞるのではなくてその元ネタの方を参照した」という話をしているように、フォーマットは子連れ狼なんですよねこれ。完全に七人の侍を模してる回もあるし、酒場!賞金稼ぎ!っていう西部劇要素もあるし。ストーリーラインはすごくシンプル、無駄なく短い時間で見せたいものをしっかり見せきる。いやもう唸りますわ。

主役のマンダロリアン、マンドーさんは最終盤まで名前もわからないし、ヘルメットは取らないし、ちっちぇ~ヨーダと表情がまったく見えないヘルメットの男の道行きなんだけど、これが信じられないくらい情感豊かに感じられるんですわ。またマンドーさん、決してパーフェクトガイじゃないんですよね。そこがまたいい。ほんと、これを企画として通すプロデューサーもすごいし、それで見事な作品を作っちゃう製作陣もすごい。ちなみに各話の監督が分担制で、シーズン1ではタイカ・ワイティティとかも参加してるよ。

本当にいますっかり夢中なんだけど、しかし周りで見ているひとがほとんどいないし、これから観る人のこと考えたらツイッタで事細かくあれこれ書くのも興ざめになっちゃまずいし、ってことで、例によって「見た人にはわかるけど見てない人にはなんのことかサッパリわからない鑑賞メモ書き」を延々と1万字近く書いてしまったので、インターネットの大海の片隅にそっと流しておきます。

S1-1「マンダロリアン

2行あらすじ:賞金稼ぎギルドから裏の仕事を紹介されたマンドーさんがもろもろあってついにあの子と出会う、Can't take my eyes off of you回

  • 賞金稼ぎのマンドーさんのクールなお仕事ぶりが見られる
  • マンドーさんはドロイドがお嫌い
  • アルフォートああやって作るのか~
  • ここでターゲットを「生かして連れてこい、だけど最悪な場合殺しても可」と依頼者が伝えてるの、物語を進めるうえですごく大事
  • 完全に刀鍛冶やないか風情のキャラクターが出てくるの面白い。贋鉄斎かよ
  • 有無は言わせんおじさん
  • マンドーさんブラーグに苦戦してたりで結構かわいいな…(とこのあたりで絆され始める)
  • マンドーさんはドロイドがお嫌い(2回目)
  • 賞金稼ぎのIGユニットめちゃ仕事できそうなのにすぐ自爆したがるの草
  • 直前で「ドロイドにしちゃ悪くない」とか分かり合った風だったのにそこからのー!
  • ベイビーヨーダちゃんがもうファーストショットでこっちの心ガン掴みでつらい
S1-2「ザ-チャイルド」

2行あらすじ:ベビヨダちゃんことべべたんを連れてレイザークレストで帰ろうとしたらジャワに大分解されててマンドーさんおこ、部品を返してもらうのに大奮闘回

  • ベベたんの揺りかごは宙に浮くのだ…あれほしい…
  • 襲撃されたときにマンドーさんがベイビーをぽーんと突いて守るとこ萌えたわ
  • マンドーさんの傷癒す?フォース出る?と思わせておいて寸止め海峡。しかしマンドーさんのほっこりパパぶりが拝めて尊いのでいってこいだ
  • 鬼の居ぬ間に洗濯じゃないけど持ち主居ぬ間のジャワ、一匹狼だと船を守るのも大変なんだね…っていう地に足ついたトラブルだよね
  • 有無は言わせんおじさんふたたび!
  • 「まあ何人かバラしたからな」「マンダロリアンにとって武器は宗教と同じだ」かっくいー
  • 卵でブチあがるジャワの皆さん
  • マッドホーンにガチ苦戦するマンドーさんを応援する傍らべべたんに萌えるのにいそがしい。かわいいが!!!すぎるんじゃ!!!!!
  • あんなちっちゃいのに、パパを守るために力を出すべべたん愛しすぎんか。力出した後もうだめつってぱったり眠っちゃうとこも含め
  • 有無は言わせんおじさんは仕事できすぎおじさんでもあった
  • この2話の配置、個人的に唸りました。1話でターゲットとして出会い、本当なら次で3話の展開が来ておかしくないところを、この2話を差し挟む(しかも展開に無理がない)ことで3話での決断の重みが増すわけですよ…
S1-3「罪」

2行あらすじ:べべたん引き渡して大量の報酬ゲット、アーマー新調してピッカピカのマンダロリアンになったけれどあの子…どうなるんだろう…揺れる心体中で感じて回

  • 冒頭からべべたんの可愛すぎる爆弾炸裂しまくり。「おもちゃじゃない」
  • ネヴァロの街を歩きながらパパマンドーを見上げるべべたんのどことなく心細い顔…うううう…マンドーさん…
  • ベベたんを雑に扱うトルーパー絶許
  • 帝国の残党独特のいやらしさめっちゃ出てますよね。あんなやつに渡しちゃうのかよぉ
  • 本日の贋鉄斎タイム(ちがう)
  • ベスカーってMCUにおけるヴィブラニウム的な価値のある金属なのかな
  • 「次の仕事をくれ」って繰り返すマンドーさん、考えたくないんだねあの子のこと
  • ボール…ボール…!!!!!!
  • マンドーさんが「人として正しいことをする」分岐点の描き方が秀逸すぎんのよ
  • 揺りかご捨てられてるのショックだよね…
  • 狭い帝国アジト内でのマンドーさんの戦いぶりがバリエーション豊富でめちゃくちゃあがる
  • この酒場の賞金稼ぎたちのトラッキング-フォブが一斉に鳴りだすところ、「ジョン・ウィックじゃん!」って思った人手ぇ挙げ
  • 蒸発銃めっちゃこわい。リアクション動画でこれを「サノス銃」つっててそれなすぎた
  • この銃撃戦のさなかに親子(もう親子って言っちゃう)が見つめ合う美しさよ
  • 冒頭でいざこざのあったマンダロリアンが助けてくれる構図胸熱すぎ
  • ボールううううううう!!!!!!
S1-4「楽園」

2行あらすじ:安住の地を求めて逃避行するマンドーさんとべべたん。たどりついた辺境の地で地元のならず者たちと対峙する羽目になるこれ完全に七人の侍やん回

  • イザークレストの中で勝手に遊ぶベベたん。いたずらっ子をひざに抱えるマンドーさん尊すぎんか
  • ここで待ってろよと言われてもついてっちゃうベベたん…パパと一緒にいたいんだね…
  • このエピ、ベベたんの可愛いところこれでもかと盛ってくるので息も絶え絶え
  • キャラおねえさん登場~~!!強い~~~!!!
  • 人前でヘルメット取らないマンドーさん、でもそんな端近でメットオフしちゃって大丈夫なのとこっちが気を揉んじゃうわ
  • AT-STがいるのわかってからのキャラおねえさんとマンドーさん「無理」「無理」潔い
  • そしてここから七人の侍(又は荒野の七人)ムーブへ
  • 未亡人(ぽい)人といい感じになりそうなアレもお約束ムーブなんでしょうか
  • でもヘルメットがあるのでうかつなことに絶対ならない。安心仕様です(何が)
  • AT-ST一機でもこんなに苦戦するんだなあというこの地に足着いた感がイイ
  • ベベたんを置いていくなんてマンドーさん!ちょっと!マンドーさん!
  • なんか大人なふたりがいい雰囲気を醸しはするけどトラッキング-フォブがそうはさせないのであった
  • この村の人が薄いブルーをアクセントに使ってるのはあの海老のあれなのかな(どれ)
  • 監督ブライス・ダラス・ハワードやんけーーーッ
  • 1~3話でひとつのターム、この4話5話6話が単体として中核をなすエピで、最後2話で畳みかける構成ずっぱまってるよなあ
S1-5「ガンファイター」

2行あらすじ:べべたんのためなら稼がにゃならぬ、あっ!この風景!どっかで見た!な中で繰り広げられる賞金稼ぎの三つ巴、死ぬのは奴(ら)だ回

  • 「生きたまま行くか、冷たくなって行くか」「俺の台詞だ」きゃーーかっこいーーっていうかマジでまんま1話のマンドーさんの台詞ですけど賞金稼ぎ内で流行ってるんですか?
  • 空中戦でもにこにこのベベたん…キャワ…(もう語彙がとっくにしんだ)
  • モスアイズリーとか格納庫35とかこれぜったいガチファンへの目くばせでしょ、おれはくわしくないんだ
  • 修理屋のおばちゃんとドロイドの関係イイ
  • 留守中にベベたんを寝かしつけてくれてたのをみて一気に警戒心を解くマンドーさんよ…
  • 「ありがとう」って真正面に言われてとまどう修理屋もいいんだ
  • 出た!血の気の多い若者。あっさりマンドーさんに底を割られるの回
  • フェネック・シャンドのヘルメットかっこいいな
  • スピーダーバイク乗りたさ
  • ミン=ナ・ウェンさ~~~~~ん!!!!!!
  • シャンドにうまい話を持ち掛けられる若者。ああ…これでこいつも…と思いきやっていう
  • おまえ~~~!!名前なんだっけ!?覚えてないけど!べべたんを人質にとるとかおまえ~~~~!!!最悪だ~~~~!!!!
  • 最悪だったけどマジあっさりマンドーさんにやられるし「その辺に捨てておいで」言われるしあっという間に因果応報な件
S1-6「囚人」

2行あらすじ:全然気の合わない連中との仕事もべべたんのためならエンヤコラ、パパマンドーの知恵と力が炸裂する密室サスペンス回

  • 好きになれそうな人がひとりもいない座組での救出作戦
  • 救出作戦かと思いきや脱獄作戦だし
  • ドロイドも昆虫みたいだし。性格悪いし(作者談)
  • 「どんなツラしてんだろうな」男前だよーーびびるよーーー
  • こら!ちょっと!べべたんに触るな!!おい!!そこのお前!!!!
  • 見境なく銃をぶっぱなす脳筋、こういうやつだいっきらいです
  • ドロイドひとりで片付けるマンドーさん最高にかっこいいしそのマンドーさんを足蹴にするおまえらキライ
  • 残念押されちゃったねトラッキングビーコン。ざまあ!
  • 気の合わない仲間は気が合わないだけじゃなく姑息であった。くっそ!!!マンドーさんに何しやがる!!!
  • とおもったけど脱出ちょっぱやで笑う。仕事ができる男は違うね!
  • そしてマンドーさんの復讐がはじまる。このホラーみ!!!
  • ゴランソンの音楽がまたいいのよねえ
  • 光の点滅とともに近づくマンドーさんのかっこよさよ…
  • ベベたんフォース使おうとして「あり?」って自分の手を見る仕草プライスレス
  • 報酬もらってこれでさよなら…なわけないよねー!裏あるよねー!からのマンドーさん策士ぶり。ありがとうございます。40分間すこしの隙なく完全に面白いです
  • あの新共和国のパイロットが監督3人衆っていうの最高ですね。この時の裏話大好き
  • 最後のマンドーさんもちろんヘルメットなんだけどぜったい笑ってるよな~!って感じがする!そこがいい!!
S1-7「罪」

2行あらすじ:たとえ罠だとわかっていてもやらなきゃならない時がある。数少ないお友達総動員でかかる囮作戦の行方やいかに。鬼さんこちらで、さあ次号へ!回

  • すごい、こんなに罠だとわかる勧誘なかなかない
  • コクピットに放置するといたずらするべべたんキャワ
  • 「不細工すぎる」えっ有無を言わせんおじさんなんてった
  • IG-11の再教育譚がむちゃくちゃ丁寧なの沁みる
  • キャラおねえさんとクイルとブラーグとの一座できああがり~~~
  • 「なにがあってもあのドロイドを船から出すな」マンドーさんはドロイドがお嫌い。ここ試験に出ます
  • あんな溶岩の河が流れてて地表は熱くないんかな裸足の人いるけど
  • 「(護衛は)何人ぐらいいるんだ?」「いても4人だろう」ここも試験に出ます
  • えっあんなミニスマウグみたいなやつがいるんですかそれなのに野宿を?正気なので?
  • フォースすげえな…つかこんなすごい能力見せちゃって大丈夫なのか…べべたん…
  • 物語の起承転結の流れの美しさよ。それぞれの思惑がばれたところでここでひとつツイストがはいる
  • 「4人って言わなかった?」1回目
  • ベベたんのブルーのおくるみ、4話でもらったやつかなあ
  • 体制が変わっても末端の世界は荒れたままじゃんね、帝国の支配のほうが秩序だってよかったじゃんね、という帝国残党お得意の説教タイム
  • 「どこが4人よ」ハイきた2回目
  • そしてここでさらに物語がツイストする!これほんとに40分の尺なのか?
  • 「4人って言ったの誰!」出た3回目!キャラおねえさんおこだよ!
  • あああクイル~~~~!!!間に合って~~~~~!!!!
  • タイファイターってあんなふうに着陸すんだ…
  • 「お前が持っているものを渡せ。お前はそれがなんなのかわかっているつもりかもしれないがわかってない」この台詞も試験に出ます!!
  • あっ…ああああああっ……………!!!!!!!!!
  • いやこれこのままエピソード8再生しないでいられる人いる?いやいない!!!
S1-8「贖罪」

2行あらすじ:文字通りの絶体絶命、物語はライク-ア-ローリング-ストーン、行き着く先は天国か地獄か。明日に向かって撃つし俺たちに明日はあります回

  • このトルーパー同士の会話…クレジット見てないうちから「これ絶対タイカ・ワイティティ監督回でしょー!」と思った(そうだった)
  • 「見てもいいか?」「水やったら?」「動いてないぞ?」「見たいだけだろ!」面白すぎる
  • そしてこの組織の末端における連絡の行き届かなさぶりよね
  • クイルを殺してべべたんを殴る、お前ら…許さんきに!
  • IG-11~~~~!!!!うおお~~~~~~!!!!!
  • 「いやなものを見せてすまなかった」これで惚れないやついるでしょうか…むり…
  • マンドーさん、あなた、ディン・ジャリンっていうのね
  • 千の涙の夜とかそういうネーミングするやつにろくなやついない
  • 時間をやろうっていうのはここにベベたんがいると思っているからだよな。最善はベビーヨーダを生きたまま手に入れたい(力が欲しいから)。しかし最悪なのは敵方の手にわたることなので、そのリスクを思えば殺す選択肢もあるっていう
  • マンドーさんの筋金入りのドロイド嫌いの理由がここに
  • そしてあそこでべべたんを見捨てられなかった理由も…ここに…
  • 自分が手を差し伸べる側になりたかったんだね…
  • IG-11のすさまじい仕事ぶり!いっけーーーー!!!!!(ってべべたんがゆってます)(たぶん)
  • くるっと反転してべべたんを守るとこまじですこ
  • マンドーさんそんな、弱気にならないでえええええ
  • なんなのそのおめでたい彩色のトルーパーは…まじ…許さん…
  • 「やれ」「なにをだ」「さっさと殺せ」「私はナースドロイドだ」うううう…
  • 「ほかの生き物に素顔をさらすことは教義に反する行為だ」「私は生き物ではない」んもーーーー!!!このあたりの台詞ぜんぶがいい!!!!!
  • そしてペドロ・パスカルさんがむちゃくちゃペドロ・パスカルさんなんだけど(動揺)
  • バクタスプレーすごない?うちにも融通してくれ
  • えっ…マンダロリアンの…なぜ…そんな…っていうかこの短い時間でどんだけシンパシーとワンダーを放り込んでくるんだよ~~!!
  • 「そういう力を持つジェダイというものと…」ジェダイ~!
  • 贋鉄斎さん(としか呼べない、もう)、あなた何者なんですか…
  • ここでべべたんに対する使命を与えられたことがシーズン2の各エピへの動機付けになるわけやね。うますぎ侍
  • 装備がどんどん整っていくのほんとゲームっぽい!ゲームやんないけど!
  • そして贋鉄斎さんはむたくた強いのであった(いやマジで銃火器なしでこれ…)
  • 最後の死線を迎えるときのIG-11とマンドーさんの台詞、もう全部好き。すばらしい。このドロイドの無機質さがどんな感情より情を感じさせる。
  • 「悲しんじゃ…いない」のトーンがさ~~~~!!!!もうさ~~~~~!!!
  • マンドーさんはドロイドがお嫌い…だった…(涙滂沱)
  • モフギデオン!!!!おまえ!!!!名前にモフとかつけてんじゃねえ!!!!
  • 「魔法の手を使わせろ!」(手を振るべべたん)「…万策尽きたな」ことここにいたってもこのユーモア、推せる
  • マンドーさんが時限爆弾ぽいのを持ってるのもさっき「弾薬を補充して」って場面があるからその前の話と齟齬がない。うまいよねえ
  • パパマンドーの脚にすがりつくべべたんの可愛さに気ぃ失いそうになったわ、マンドーさんもそうでしょ?
  • このべべたんを抱えて飛ぶ構図がさ~、さっきのディン・ジャリンの子どもの頃と同じ構図なのがさ~~!!!もうさ~~~~!!!
  • そしてどっこい生きてる…そのセーバーなに~~!!!
おわりに

これを最後まで読んでいる方はもちろんマンダロリアンをすでに見ていると思いますが、万が一見ていない方はぜひ、ディズニープラス入るのめんどくさいし問題ありまくりだけど正直マンダロリアンだけで元取れます…なんなら初月無料を利用してもいい!でもこれだけは言えるんですけどこれね…シーズン2がね…さらに輪をかけて面白いんですわ…でね…シーズン2見たらね…もうやめられないんですわー!
さあ!みんなで見ようマンダロリアン!みんなで見ればこわくない!

「両国花錦闘士」

東京公演の感想を拝見するになかなか面白そうだぞ、作・演出が青木豪さんだしそんな変なことにはならなかろう、と思ってチケットを取りました。劇場も家から近いし!岡野玲子さんの原作は未読です。

力士だけどアンコ型相撲取りは「美しくない」と公言する昇龍と、典型的なアンコ型相撲取りである雪乃童のライバル関係を軸に、恋とか欲望とかも絡ませつつの角力道(ロード)が描かれるわけですが、いやーすがすがしかった。オープニングの主題歌やけにかっこいいな!?と思ってたらデーモン小暮さんご提供だった。そんでキャストが踊る踊る。もう、踊る踊るなんてもんじゃないくらい踊る。力士役は基本的に廻し一丁の姿で踊る。廻し風パンツではなくしっかり締め込んである廻しである。もう男の裸、ゲシュタルト崩壊

こうしてずーっと男のふんどし姿を見ていると、やっぱある程度肉付きが良い方が魅力的よね…と思うし、スレンダーな体形は逆に見ていてつらみがあるのが面白い。やっぱスーツも廻しも着こなすには胸板が必要なんだなとこの先役に立つかどうかわからない知見を得ました。

しっかり踊れるキャストを揃えていること、スタッフ陣に一流どころを揃えている(美術二村さん、照明原田保さん、振付は梅棒)こと、キャストにとにかく全力でこの舞台を高めていこうという気概があること、そういうものが板の上からオーラとなって立ちのぼってくるようでしたよ。

芝居の展開のなかで「あたしがあいつのこと好きなんて…!」要素は私の琴線にビタイチ触れないのでアレなんですが、昇龍が相撲というものに何を見ているか、がわかってくる2幕の展開はよかったし、なにより最後にセットの上に見事な土俵が現れ、昇龍の「夜も光るほどつややかになって、おまえらを眠れなくさせてやる」って台詞があまりにもよくて、グワーーっと最高潮に高まったところで幕、だったのがすごく気持ちよかったです。

主演の原嘉孝さん、よかった、よかったしなによりこの舞台の主演として本当に美しかった。うつくしい、ということ、うつくしさとは、という問いがこの作品の大きな背骨だから、それを体現する役として120%の仕事を果たしたと言えるんじゃないでしょうか。しんぺーさん伊達さん転球さんの小劇場チームがんばってた、がんばって踊ってた(笑)

相撲にまったく詳しくないけど、やっぱりどこか「ハレ」のものだと思うし、そういう意味では演劇との相性がいいんだろうなと思いました。この作品自体はいろいろと予期せぬ事態に見舞われて、加えてコロナの状況もあり客入りとしても厳しい状況になっているけれど、舞台の熱量は確かに届いたし、そういう意味では間違いなく「ハレ」の時間だった。カーテンコールのスタオベはそれらをまるっと讃える観客からのエールだったと思います。