「王立寄席」  王立劇場

このキャストでこれだけの日程、これだけのキャパ(ちなみに307席)。ある意味、天保より難関ではないかというような・・・。去年の初めから後藤大王がやっている「王立劇場」の、今回は寄席版。

最初、寄席ってのは名ばかりで寄席がらみのコント集かなんかだろうと思っていたら、ほんとうに寄席だった。しかも劇場もほんまもんだし。えーと、これは関西だけってことで(しかも日程も短いので)見れなかった方も多かったかと思うんで、出来るだけちゃんと書いてみますです。

象印ヒントピント】漫才。えーと山内さんと腹筋さんですね。ハゲコンビもとい、スキンヘッドコンビ。一番最初だったしちょっとやりにくかったのかなぁという気もしますが、山内さんのツッコミがうまくてまあまあ面白かったかな。腹筋さんはちょっとテンポを掴み切れていないような気が。天才脚本家のちょっと頭おかしめキャラのまんまだったですね。
古典落語・東家心斎橋】松永玲子さんです。心斎橋とかいて「ミナミ」と読ませる。でも屋号ちょっとうろ覚え・・・題目は「真夏の医者」で、コレ多分松永さんマジ落研だったんだよね?で、昔取った杵柄、って感じのご披露でした。今日東京から来たばっかりってゆってたし。堂に入ってましたです。枕で、「ここの楽屋すさまじい」みたいな話をされてまして、「髭髭、ハゲハゲ、眼鏡眼鏡、男前一人に学ラン」という言い表し方が面白かったです(笑)ちなみにみんながそれぞれおもちゃ持ってたりオレの手品をみてくれー!と言ってたりクイズ大会したりもうめちゃめちゃ、だそうで。
【六十五曲】ろくじゅうごあーる、と読みます。板尾創路さんですね。紙芸、といってあの、二つ折りにした紙を切って複雑な形を作るやつ。非常に微妙でシュールで面白かったです。最初はね、はさみ、とか。フツーにあんまりうまくない(←ここポイント)モノを切ってたんですが、途中で「メモリースティック」とかね(もちろん四角く切ってあるだけ)でもUFOに吸い込まれる人、ってのは笑ったなぁ。緩急というか、盛り上げ方を心得ていらっしゃってさすがでした。
【ジェームス亭カーク】ご存じ三上市朗さんでございます。こちらも落語。なんと、あのカーク船長の衣装そのままをデザインしたお着物でご登場。コレがもうカッコイイのなんのって!!!これはオリジナルの落語で、カーク船長がリストラ引退後どうやって職をみつけるか?というような筋書き。もう、ネタそのものが面白くて驚きましたです。カーク船長とハローワーク職員のやりとりが絶妙でした。ちなみにその後大王が「あの着物終わったらあげると言ったらすごく喜んでました・・・何に使うのやら・・・」だそうです(笑)
【粟根家まこ七まこ八】二人羽織、当然表が粟根さん。粟根さんが意外と(ご、ごめんなさい)噺がうまくておどろいたぞ。ゴッドファーザーと、怪獣ガッパ(?だっけ?)と、恐怖の蝿男の映画宣伝を二人羽織でやって下さったんですが、動きもピッタリでお見事でした。それにしても粟根さんがゴッドファーザー全部見た人手を挙げて!と言ったら手を挙げたのが10人そこそこだったんですが・・・マ、マジで!?あんなにテレビでやってるのに!?そうそう、二人羽織の後ろは山内さんでした。おつかれさまでございます。
【・・・・・】ああああ、思い出せない・・・松尾貴史さんの古典落語なんだけど名前がなんだったか・・・そして題目も思い出せない。駕籠屋のお話でした。声色とか変えっぷりはさすが本職、って感じではあったんですがちょっと長かったような・・・
大喜利】寄席といえばコレ(笑)お題は商品開発部になったつもりで新製品宣伝、ってやつを2題ととお絵かきが1題。時間も押せ押せだったのかみんなテンパってました(笑)大王はずっとお題を「課題、課題」ゆうてるし。夏休みの宿題ちゃうねんから。粟根さんは「新しい掃除機を開発しました!」と言わなければいけないのに「音のでない掃除機を開発しました!」って、いや、オチをゆうてどうする!!(笑)お絵かきは「忍者ハットリくん」だったんですが、オチになった板尾さんが見事の一語でした。

演目の合間合間に大王がツナギで話して下さるんですが、それはもう最高に面白かったっすね(笑)冒頭で、「今日出てくる人はみんなホンモノのぱちもんです」と言ってたのがなるほどなぁ、という感じでしたね。こんなほんまもんのコヤでぱちもんを披露できるのが嬉しくてたまりませんみたいな感じで。しかし、そのぱちもんの中にあって本物の輝きを炸裂させてたのが板尾さん。やっぱりね、他の人は演目の間ちょっと自分で笑っちゃったりするとこがあるんですよ。だけど板尾さんは絶対ニコリともしないのね。だからお客は余計笑える。大喜利でも、客を前にして瞬間的に笑いをとる、ということに関してはもう大王を含め他のメンツとは大人と子供の差でございました。さすがっす。アレはプロ。当たり前で、言うのも失礼な話ですが、恐れ入りました。