何がいちばん公平か

12人の優しい日本人」のチケット一般発売日がこの日曜日だったわけだけれども、まさしく秒殺という態だったらしい。

しかしそんな状態でも(だからこそ、か?)ヤフオクにはものすごい数の*1チケットが出品されているわけです。

現在見たところの最高値は千秋楽のチケット、2枚で99000円。

私は多分、他の人よりオークションやダフ行為というものに対して甘い人間だと思います。「どうしても行きたい」という気持ちを「金に換算する」人間のことを私は責められんなあ、という気持ちがどこかにあるからです。
もちろん、個人の信念として「オクには手を出さない」というひともいるでしょうし、それはそれですごく立派だと思います。でも、自分は・・・「使わない」という約束が出来る人間では無いなあという自覚があるわけです。どうしても、ってなったら、使っちゃうんだろうなっていう。

買う側が安易にオクに頼らない、というのは大事なことだと思います。自戒の念をこめて。でもそれだけではないでしょ?と思います。興業の主宰者側が「こちらにはどうすることもできません」と匙を投げることも、私は本当にそうかな?と思ってしまうわけです。

以前fringeで紹介されていた「鈴木敏夫プロデューサーのお詫び」*2という記事を思い出します。そこで紹介されていた文章がこちらにあります。中身は、愛知万博で公開されていた「サツキとメイの家」の予約方法の変更に関して詳細を報告しておられるわけですが、これだけの真剣さをもってチケット発売に取り組んで下さっているプロデューサーが今現在どれぐらいいらっしゃるんでしょうか?

今回の「12人」にしても、チケットが不足するだろうことはキャパシティから容易に想像できたことなわけで、極端な話ハガキによる完全抽選という手段だって無いわけではなかったわけです。おそらく事前電話予約になるだろうと予測される当日券予約だけでも、ハガキによる抽選という手もあるんじゃないでしょうか*3

チケットを定価で手に入れて高く売りつける業者に「やめろ」と言ってもやめないでしょう。だとしたら、手を結ぶべきは興業側と観客側しかないわけです。観客は安易にオクに手を出さない。興業側は「売れればそのあとは知らない」ではなく、どうすればダフ屋を排除できるか知恵を絞る。本気で業者を排除しようとすれば、入場時のID確認など、観客側に不便を強いる事態も出てくるかもしれません。でも、チケットを金の蔓としか見ない人間を出来るだけ減らすためにも、出来ることはやっていきたいものです。

*1:21:24現在、「12人の優しい日本人」での検索結果424件

*2:2005年6月20日付けエントリ

*3:電話予約は圧倒的に業者に有利だと思うので。