「中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023」

中村屋のご兄弟での春暁or錦秋公演、ここのところご無沙汰が続いておりましたが(大抵平日開催なので予定を合わせにくい)、今回久しぶりにお邪魔しました。今回は最初にご兄弟と鶴松さんによるトークコーナー、「元禄花見踊」に続いて勘九郎さんの「仲蔵狂乱」と七之助さん鶴松さんによる「相生獅子」という構成。

こうした公演に足を運ぶたびに「私はつくづく素のトークというものに興味がない」ことを思い知らされる(コロナでそうした配信が増えたけれどほぼ見ていないのもソレ)わけですが、今回は公演日が鶴松さんのお誕生日当日ということもあり、鶴松さんスペシャルという感じでしたね。質問も鶴松さんへのものが多く、何がってちゃんと演者の誕生日を把握しているファンの皆様が凄いと思った。ケーキのサプライズがあって鶴松さんが嬉しそうだったのと、過去の誕プレの話になったときに、小5?かなんかで勘九郎さんからもらったダーツセットを「なんで(ダーツにはまってもいないのに)くれたのか…」とコメントし、七之助さんが「なんかいいエピソードが来るのかと思ったのに急なディスり!」と勘九郎さんを慰めていたのが面白かったです。

勘九郎さんの仲蔵狂乱、ドラマで仲蔵をやった縁なんでしょうね~。めったにかからない演目ということで、しかも最前列だったので、これは目が合うやつやん(出た)と思いながら堪能しました。仲蔵を描いた作品ではなくて、小野小町の父の小野義実を描いた作品、なのに「仲蔵」の名前がついてしまう仲蔵のすごさったら。

今回拝見した中ではやっぱり相生獅子に圧倒的な満足感があった感じです。現存する最古の石橋物だそうですが、フォーマットは見慣れたものでありつつもあの女方の拵えのままの毛振りとかむしろ普段よりもスペクタクル感さえあったわ。あと七之助さんやっぱ華ある!

むずかしいものとはわかりつつ(スタッフの面とかさ)、一度この手の興行でトークコーナーをやらずに1時間ほどの芝居演目を見たいもんだよねと思うの巻。