「ハリー・ポッターと呪いの子」

2022年中に拝見しようと一度チケットを取っていましたが当該公演が中止になり、今年の春に再チャレンジと思ってチケットを取るも今度は仕事の都合で断念。正真正銘の三度目の正直!でようやく観ることができました。上演開始から1年経ってもこうして何度も再チャレンジできるのってロングラン上演のありがたさだよなあ。

2階席2列目のセンターブロック寄り通路側というSプラス席で観たので、この舞台のひとつのウリである舞台上のギミック的な面白さを十分体験できたし、一幕最後のアレを目の前で見られて正直テンションバカ上がりしました。初見としてこの席選んだの大正解だったわ。

意外なといってはあれなんですけど、そうしたギミック的な面白さ、ワンダーもさることながら、ストーリーがまっとうに面白くて、なんと休憩含む3時間40分の長尺ですが、尻の痛さをのぞけば集中して観られた気がします。ハリー・ポッターという偉大過ぎる父を持った息子、というシチュエーション自体が私のツボっていうのももちろんある。

アルバスは常に父ハリーの影に苦しみ、同じように出自の噂で苦しむドラコの息子スコーピウスと意気投合し親友となる、この設定でちょっともう一本あった感ありますね。この脚本、スコーピウスはもうひとりの主役といって差し支えなく、いろいろあったドラコの息子が、っていうバックボーンを踏まえて陰影のある、でも光を失わない稀有なキャラ。アルバスが「君は希望の光だ」みたいなセリフをいうけど、一幕最後の展開からのスコーピウスの活躍って、まさに世界の光ですよねえ、彼。

で、このタイム・ターナーを使って過去に戻り、失われた命を救わんとする行為が、ハレーションを起こして現在にとんでもない影響を与えてしまい、主人公たちは今度はその補正してしまった過去のやりなおしに奔走する…っていうのが、つい先日見た映画「ザ・フラッシュ」とそっくりで、最後には母親の死を(これはハリーが、だが)見送らなければならない、という展開も同じ。タイムパラドックスあるあるなんだろうな~。

せっかくだから藤原竜也で観たいよねってことでたっちゃんハリーの日を選びましたが、途中の父と子のこじれ具合とか見てるとちょっと重厚なシェイクスピア風芝居を楽しめる部分もあり、一方「アルバスが化けたポッター」のときの無邪気爆発!みたいな芝居も楽しくてよかったです。原作も映画も途中離脱というハリポタ落ちこぼれの私でもぜんぜんついていける物語展開だし、ある程度名の知られたキャラクターが次から次へと出てくるのも楽しいし、ロングランでここまで集客ができているのもコンテンツの力おそるべしやな~と実感させられました。