「ジョン・ウィック:コンセクエンス」


続くも続いたりシリーズ第4弾。北米公開からずいぶん間が開いちゃったのですっかり公開した気になってました。最愛の妻が遺した子犬を殺されたところからはじまったジョン・ウィックの旅もここにて完結…なのか?

なんと2時間49分というシリーズ最長の長尺で、そのほとんどをアクションシーンでつなぐという構成なので、マジでだんだん感覚が麻痺してくるし、だれでもいいからこの命のやりとりの連鎖から解放させてくれえ!という気持ちになるのがすごい。アクション映画を見に来ているのにアクションに倦むって相当です。倦むといっても飽きるとか退屈とかではなく、とにかくアイデア満載のアクションが織りなされるので惹きつけられはするんだけど、マジで「最高級のアクション疲れ」が起こるというある意味不思議体験ではあった。個人的に唸ったのはあの徹頭徹尾俯瞰で見せる屋敷でのシーン(ゲーム的よなー!)と、いやもうそれ死んでる!死んでるって!となった凱旋門ラウンドアバウトアクションかな。

今回のメインヴィランはビル・スカルスガルドなんだけど、彼は主席連合メンバーなので、実働部隊というかジョン・ウィックを追うアサシンに選ばれてるのがドニー・イェン演じるケインなんですよね。でもって、ジョンが助けを求める日本の盟友を真田広之が演じていて、このドニーvs真田というマジ夢の対決が見られるのがすばらしすぎる。でもって、このふたりのあまりのガチぶり(真田さんの抜刀、納刀の美しさ、ドニー氏の速さを観てほしい)に、「いやこの2人とジョンの3人が結託すれば主席連合か何だか知らんが余裕でぶっ倒せるのでは…?」という気がしてしまいました。3人が昔の盟友同士っていうのもよかったっすね。

大阪コンチネンタルホテルが登場し、なんちゃってなニッポンもそこかしこに見えましたが、真田さんやリナサワヤマさんのリアリティのおかげで結構見られるものにはなってたかなー。というか、ああいうスタイルがハリウッドのイメージする日本なんだなーとこういう取り上げられ方を見ると実感できるので、なんちゃって日本もまあ嫌いではない。「梅田駅に行け」と言われてちゃんと梅田に行けるジョンすげえなっていうメタなツッコミは個人的に大好きです。

個人的にこのシリーズの、コンチネンタルホテルの設定とか、あのコンシェルジュが大好きだったこともあって、シャロン役のランス・レディックさんが亡くなってしまった(劇中でも)し、これでフィナーレでもいい気もしつつ、まあどっちともとれるラストの見せ方ではあるなーとは思いました。そうそう、毎回犬種のちがうわんこが大活躍するけど、今回の犬を助けたことが自分を助けるみたいな連鎖もよかったっすね。